嫌がらせで「失業保険」がもらえない事態に!? ブラック企業を退職後の思わぬ「落とし穴」! 対処法についても解説

配信日: 2023.05.15

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嫌がらせで「失業保険」がもらえない事態に!? ブラック企業を退職後の思わぬ「落とし穴」! 対処法についても解説
ようやくブラック企業を退職したにもかかわらず、ハローワークで失業保険の手続きができないと告げられる場合があります。この場合、何が原因なのでしょうか? 本記事では、手続きができない原因と対処法について解説します。
辻本剛士

執筆者:辻本剛士(つじもと つよし)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種

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離職票がもらえない

失業保険(雇用保険で受給できる基本手当等)の手続きができない主な原因は、離職票(雇用保険被保険者離職票)が届かないことです。会社を退職して、しばらくしても離職票が届かない場合がまれにみられます。
 
離職票とは、労働者が退職(失業)した際に、退職事実や退職理由、給与額などを証明する書類です。離職票は失業保険を受け取るために必要な書類で、離職票がなければ失業保険は受け取れません。
 
会社は離職票の交付を義務付けられていて、退職後10日から2週間ほどで届くことが一般的です。しかし、場合によっては次の理由により、離職票が届かないことがあります。
 

離職票の交付を会社側が忘れている

ブラック企業の一般的な特徴として、慢性的な人手不足が見られます。このため、離職票の交付を担当する人が他の業務に追われ、離職票の交付を忘れてしまうことがあるのです。さらに、現在ハローワークや年金事務所の書類に関しては電子申請が推奨されており、担当者が操作に慣れていないことで手続きが遅れる場合もあります。
 
これらの場合、会社が故意に離職票を交付しないわけではないため、催促の連絡をすれば迅速に手続きを行ってくれるでしょう。
 

会社からの嫌がらせ

まれな場合ではありますが、会社が故意に離職票を交付しないことがあるようです。このような場合、どれだけ会社に催促しても会社側はさまざまな理由で対応を遅らせてきます。離職票を交付しないことは法律に違反しています。
 
しかし、労働者側から「離職票の交付を求めた」という明確な証拠がない場合、会社側は罰則や労働基準監督署からの勧告を受けるリスクが低くなります。こうした状況で離職票が交付されない場合、次に説明する対策を検討しましょう。
 

退職後も離職票がもらえないときの対応

嫌がらせなどの理由で離職票がもらえない場合は、次のような対策をとりましょう。
 

ハローワークから督促してもらう

まず、ハローワークに依頼する方法があります。会社が離職証明書をハローワークに提出していない場合、また、労働者からの要望に応じず離職票を交付しない場合、雇用保険法およびその施行規則に違反します。
 
「離職票」は、ハローワークが交付する書類で、離職票があることで退職者は失業保険を受け取れます。一方で、「離職証明書」は企業が退職者に対して交付する書類で、これによりハローワークから離職票を得るための手続きが可能になるのです。
 
通常、会社は退職者が離職した場合、離職した翌々日から10日以内に離職証明書をハローワークに提出しなければなりません。
 
ハローワークの業務範囲には、雇用保険関連の仕事や企業への指導が含まれているため、違反している企業に対して督促が行われます。ハローワークからの督促を受けると、企業は焦って離職証明書を提出することでしょう。
 

労働基準監督署に相談する

ハローワークからの督促にもかかわらず、会社が離職票を交付しない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は、企業が労働基準法などの労働関係法令を順守しているかを監査する機関です。
 
もし、企業が雇用保険法やその施行規則に違反している状況であれば、労働基準監督署に違反を是正するように勧告してもらえます。
 

きちんと離職票をもらい失業保険を受け取ろう

離職票は、失業保険を受け取る際に必要な書類です。会社が人手不足や繁忙期などの要因で交付を忘れている場合は、催促することで交付してもらえるでしょう。しかし、会社側に悪意があって意図的に離職票を交付しない場合は、ハローワークや労働基準監督署などに相談して適切な対応をとらなければなりません。
 
失業保険は、次の仕事を見つけるまで経済的な支援を受けながら、安心して求職活動に専念できる制度です。退職後は離職票を確実に受け取り、失業保険を活用して次のステップに進みましょう。
 

出典

厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 雇用保険の具体的な手続き
厚生労働省 雇用保険被保険者離職証明書についての注意
e-Gov法令検索 雇用保険法
e-Gov法令検索 雇用保険法施行規則
 
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員二種

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