老後生活費の削減は「生命保険」の見直しがポイント。死亡保険がゼロでもいい条件とは?
配信日: 2023.06.05
この記事では、老後生活における生命保険の見直しと、老後の死亡保険金がゼロでもよい条件について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後も生命保険に加入している人は多い
老後の備えは貯蓄だけではありません。生命保険を見直して、生活費を削減することも大切です。
しかし、多くの高齢者が生命保険に加入し、多くの保険料を支払っていることが分かりました。生命保険の実情について解説します。
60代の8割以上が年間15.9万円以上の生命保険料を支払っている
公益財団法人生命保険文化センターが全国4844名の方に実施した「令和4年度 生活保障に関する調査」によると、60代の男性85.8%、女性86.5%の方が、生命保険に加入していることが分かりました。
また、60代の年間生命保険料を確認すると、男性21.2万円、女性15.9万円の保険料を支払っていることが分かります。
老後の生活費において生命保険料の見直しは必須
60代夫婦で生活している場合、男性と女性の平均保険料を合わせて、年間で約37.1万円もの保険料を支払っている可能性もあります。
厚生労働省が実施した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、60歳の平均年金月額は8万8303円でした。単純に12ヶ月支給されたと想定すると、年間の支給年金額は約106万円です。年間に受け取る年金額の約35%もの生命保険料を支払っている可能性もあります。
老後生活の生活費に占める割合が大きいことからも、老後生活における生命保険の見直しは必須であるといえるでしょう。
老後生活に生命保険は要らない
老後生活に生命保険は必要なのでしょうか。子どもが独立した家庭において、生命保険が必要ない場合も多いでしょう。老後生活に生命保険が要らない理由について解説します。
子どもが独立すれば生命保険は要らない
生命保険は、万が一の事態が発生したときに備えるものです。つまり、万が一の事態が起きない場合は、保険料が無駄になります。
例えば、子育て中に保護者が亡くなってしまうと、子どもの養育費が足りずに困る可能性があるでしょう。しかし、子どもが独立した後であれば、万が一の事態が発生しても、子どもの学費は不要です。
さらに、国から受け取れる遺族年金もあります。葬式代だけ用意できていれば、多額のお金が必要になることはないでしょう。そのため、子どもが独立した段階で生命保険が不要になる可能性は高いといえます。
生命保険に加入しなくてよい条件
多くの人にとって、老後生活の生命保険は不要です。特に以下の条件に当てはまる人は生命保険に加入する必要性はないでしょう。
葬式代くらいの貯金がある
毎月の生活費がギリギリ
養育中の子どもがいない
老後は、公共交通機関や医療機関を活用する機会も増えます。現金を使う機会も多くなるので、生命保険料を見直して現金を多く持っておくとよいでしょう。
まとめ
今回は、老後生活における生命保険の見直しについて解説しました。8割以上の高齢者が生命保険に加入しており、年間15.9万円以上の保険料を支払っています。
老後の生活費を見直す上で、生命保険料の見直しは重要です。老後生活において万が一の事態が発生しても、多額のお金が必要になることはありません。老後は生命保険に加入するよりも、家計を見直して現金を持っていたほうがよいでしょう。
出典
公益財団法人 生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査 調査要項
厚生労働省 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
公益財団法人 生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査 第VI章 生命保険の加入状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー