更新日: 2023.06.15 医療保険

32歳、これまで病気をしたことがなくても「民間の医療保険」は入るべき? メリット・デメリットを解説

32歳、これまで病気をしたことがなくても「民間の医療保険」は入るべき? メリット・デメリットを解説
「32歳でこれまで大きな病気はしたことがない」という人の場合、民間の医療保険には入ったほうが良いのでしょうか。医療保険は入院や手術による出費に備える合理的な手段ですが、すべての人に絶対に必要だというわけではありません。
 
本記事では日本の公的医療保険について解説するとともに、民間の医療保険のメリット・デメリットを紹介します。医療保険の加入を検討している人はぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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日本は公的な健康保険制度がある

日本では「国民皆保険」として、原則すべての国民に公的医療保険への加入が義務付けられています。そのため病気やけがで入院や通院が必要になったとしても、医療費の全額を支払う必要はありません。現役世代の自己負担額は、かかった医療費のうち3割です。
 
「とはいえ、入院や手術をすれば大金がかかるのでは」と心配になる人もいるでしょう。そんなときのためにあるのが「高額療養費制度」です。高額療養費制度とは、1ヶ月の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に、超えた分の金額を支給する仕組みです。自己負担の上限額は年齢や所得によって異なります。
 
69歳以下で年収が約370万円~約770万円の人の場合を見てみましょう。1ヶ月あたりの世帯ごとの医療費上限額は「8万100円+(医療費-26万7千円)×1%」です。
 
例えば32歳の人が入院して100万円の医療費がかかった場合、窓口での自己負担額は30万円ですが、高額療養費制度を使えば自己負担の上限額は8万7430円となります。そのため差額の21万2570円は返ってくるというわけです。
 
加えて、会社員や公務員であれば「傷病手当金」も受け取れます。傷病手当金とは、病気やけがで連続して仕事を休むことになった場合、4日目から最長1年6ヶ月まで支給される給付金です。
 
受け取れる金額は直近12ヶ月の標準報酬月額を平均した額の3分の2相当で、休業した日単位で支給されます。「病気やけがで仕事に行けなくなっても、すぐに収入が途絶えることはない」と思えば、少し安心できるのではないでしょうか。
 
ほかにも、病気やけがで長期療養が必要になり、仕事や生活が著しく制限を受ける状態になれば「障害年金」が支給されます。仮に万一のことがあっても、亡くなった人によって生計を維持されていた遺族は「遺族年金」を受け取ることができます。
 

民間の医療保険に加入するメリット

日本では公的医療保険制度が充実しているため、ある程度の収入や貯金があれば、民間の医療保険に入っていなくても医療費は支払うことができると考えられます。ただ、民間の医療保険に加入することにはメリットもあります。
 
例えば一般的な治療に加えて先進医療を受ける場合、先進医療にかかる費用は全額自己負担です。先進医療は非常に高額であり、すべて自己資金でまかなうのが難しいケースもあるでしょう。民間医療保険では「先進医療特約」などを付加することで、高額な先進医療に備えられます。
 
加えて、入院が必要となった場合にかかるのは医療費だけではありません。差額ベッド代や食事代、交通費などは自己負担となるため、入院が長くなれば出費がかさみます。民間の医療保険なら入院給付金が支給されるため、このような出費に備えられるでしょう。
 

民間の医療保険に加入するデメリット

民間の医療保険に加入するデメリットも見ておきましょう。最大のデメリットとして、毎月保険料を支払う必要がある点が挙げられます。家計に余裕がない場合は、保険料の支払いが負担になるでしょう。
 
また、保険料が手頃な掛け捨てタイプの医療保険の場合、解約時や満期時に解約返戻金や満期保険金を受け取ることはできません。コツコツ保険料を支払ったとしても、医療保険の対象となる病気やけがをしなければ、お金を受け取ることはできないのです。掛け捨てタイプの医療保険が満期を迎えたときに、「保険料がムダになった」と感じる人もいるかもしれません。
 

民間の医療保険が自分に必要かどうか考えよう

民間の医療保険が必要かどうかは、貯蓄金額や収入、家族の状況によって異なります。そのため、万人に共通する正解はありません。まずは自分が利用できる制度と貯蓄額をチェックしてみることをおすすめします。そのうえで、民間の医療保険に加入したときに得られる保障と保険料のバランスをきちんと考え、自分にとって必要かどうかを判断しましょう。
 

出典

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ

厚生労働省 傷病手当金について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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