更新日: 2023.06.27 その他保険
「個人年金保険」って入っておいた方がいい? iDeCoとどっちがいいの?
現在、ここまでの物価高や、少子化の予想以上のスピードに「やはり年金を補うものを自分で用意しなければ」と感じている方は、多いのではないでしょうか。
「個人年金保険やiDeCoが頭に浮かぶけど、どちらがいいの?」という方にも分かりやすく、個人年金保険の特徴や、iDeCoとの比較について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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個人年金保険とは? iDeCoとは?
個人年金保険は、年金受取開始前に被保険者が死亡した場合、死亡保険金として既払込保険料相当額が支払われ、つつがなく目標年齢に到達したら、年金を受け取ることができるという、保険つきの年金と考えます。
一方iDeCoは、60歳以降にならないと引き出しのできない投資信託です。大きな利点は、「運用時に利益・運用益が課税されない」という点です。
普通の投資信託や定期預金では、利子所得として利子に対して20.315%(所得税・復興特別所得税・地方税の税率の合計)が差し引かれます。例えば利息が1000円ついたとしても、実際に運用に回せる額は800円弱となります。一方で、iDeCoでは利息の1000円を満額運用に回せます。
どちらの方法を用いても、毎月支払った保険料、ないし購入した投資信託の運用結果は、老後の生活資金の足しにすることができます。
iDeCoと個人年金保険の特筆すべき違いは、個人年金保険には「定額年金保険」と「変額年金保険」の2種類があり、そのうち「定額年金保険」は受け取る額が決まっているということ、「変額年金保険」とiDeCoは運用結果次第で、受け取る額が変わるということです。
保険は短期でやめると解約返戻金が支払った額を下回る場合が多いですし、iDeCoは原則60歳になるまで引き出せません。
いずれも長期にわたって運用していくものなので、定額年金保険・変額年金保険・iDeCoのどれを利用するかは、内容をよく知って、自分はどのような特徴を求めるのかよく考えてから決めましょう。
個人年金保険には、2種類ある
定額年金保険は、受け取る年金が契約の時点で約束されています。それに対して変額年金保険は、積み立てられた保険料を保険会社が運用に回すので、運用の結果が年金額に反映されます。
一般社団法人 生命保険協会の「2022年版 生命保険の動向」調査結果より、直近3年間の新契約高と保有契約高の推移を見てみましょう。
新契約高(単位:億円)
2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|
定額年金保険 | 43118 | 30353 | 38131 |
変額年金保険 | 9502 | 9587 | 14609 |
保有契約高(単位:億円)
2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|
定額年金保険 | 926433 | 913606 | 902299 |
変額年金保険 | 98660 | 104355 | 108835 |
※一般社団法人 生命保険協会「2022年版 生命保険の動向」より筆者作成
どちらの年金保険も高い契約高を誇り、特に変額年金保険の契約高は、少しずつ上昇を続けていることが分かります。
まとめ
個人年金保険は、老後の年金を補完するものとして、検討する価値があると思います。各保険会社からさまざまな商品が出ていますが、多くは万が一の保障のついた、積立年金です。積立期間が長ければ長いほど、月々の負担は軽くなります。
とはいえ長寿の時代、年金保険の受取開始時期を60歳にしなければいけないわけではありません。あるいは、老齢年金の受取開始時期を繰り下げて、そのつなぎとして個人年金保険を受け取るという選択肢も生まれます。上手に活用して、老後の生活費の不安を減らしましょう。
出典
一般社団法人 生命保険協会「2022年版 生命保険の動向」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー