更新日: 2023.07.13 医療保険
70歳からの「医療保険」を考える(その1)
その記事に関連して、若干、極端なケースではありますが、70歳から民間医療保険に入るとしたら、どんな保障内容でいくらくらい保険料がかかるのか、また高額療養費制度がある上で、民間医療保険に入るべきか否か、いう点について数回にわたって検討してみたいと思います。
執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。
ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。
FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。
2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。
現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。
早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。
サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow
民間医療保険が提供する保障にはどんなものがあるか?
まず、表1「70歳からの民間医療保険の保障内容と保険料比較」をご覧ください。
表1
※筆者作成
表1は、保険加入年齢を70歳にした場合の一例として、4社の民間医療保険の保障内容と保険料を一覧表にしたものです。保険会社が提供してくれる主な保障は以下のとおりです。
1. 疾病・ケガ入院給付金
2. 疾病・ケガに関する手術給付金
3. 成人病または三大疾病で入院した場合の上乗せ入院給付金
4. 成人病で手術をした場合の上乗せ手術給付金
5. 成人病で放射線治療を受けた場合の上乗せ給付金
6. 先進医療給付金
以下、簡単に保障の内容を説明します。
1. 疾病・ケガ入院給付金
病気・ケガによって入院した場合の1日当たりの給付金です。表1の場合、各社とも1日当たり5000円の給付を行います。1日でも入院すれば、一律10日分の給付金5万円を支払ってくれる保険会社もあります。
2. 疾病・ケガに関する手術給付金
病気・ケガの治療のために手術を受けた場合に支払われる給付金です。公的医療保険制度に基づく手術を受けた際の給付金が決められおり、手術の種類により1回当たり2.5万円、5万円、20万円などと給付金額が定められています。
3. 成人病または三大疾病で入院した場合の上乗せ入院給付金
成人病または三大疾病で入院した場合に上乗せして支払われる給付金です。表1では、1日当たり5000円が上乗せされます。三大疾病とは、「がん、心疾患、脳血管疾患」を指しますが、成人病の場合は「糖尿病、高血圧性疾患」も含まれることもあります。
4. 成人病で手術をした場合の上乗せ手術給付金
成人病で手術した場合、上乗せして支払われる給付金です。上乗せ額は2.5万円または5万円です。
5. 成人病で放射線治療を受けた場合の上乗せ給付金
病気やケガの治療のため、公的医療保険制度に基づく放射線治療を受けた場合の給付金で、1回当たり5万円です。成人病による治療の場合は、さらに1回当たり5万円が上乗せされます。
6. 先進医療給付金
先進医療とは、将来、保険の適用が期待されている医療技術で、有効性や安全性に関して一定の基準を満たしたものをいいます。保険適用になる前でも治療の効果が認められていますが、治療費が高額となるため、民間医療保険の特約でカバーします。
給付金は保険契約により異なりますが、通算支払限度額について、例えば2000万円と定め、自己負担分を給付金で補てんする方法などがあります。
まとめ
今回の解説(その1)では、民間医療保険の保障内容に関して説明をしました。(その2)では、病気になった場合、実際に給付金がどのくらい支払われるのか、保険料の比較をしてみたいと思います。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー