転職を考えています。失業保険を受け取ることができる条件は何ですか?
配信日: 2023.07.19
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
失業保険(失業手当)を受け取るためには?
転職を考えていて、失業手当を受け取りたい場合には、ハローワークに行って求職の申し込みを行い、所定の手続きをすることになります。なお、失業手当は、失業した人が安定した生活を送りながら1日でも早く再就職をするための支援を受けることを条件に給付されるものですので、その趣旨に基づいて、次の要件が必要です。
1. 就職しようとする積極的な意思があること
2. いつでも就職できる能力があること
3. 本人やハローワークの努力によっても就職できない「失業状態」にあること
4. 離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること。
ただし、会社の倒産など自分の意思に反する理由や会社都合の場合で「特定理由離職者」に認定されると、離職の日以前1年間に雇用保険の被保険者期間が通算して6ヶ月以上ある場合、に条件が緩和されます。
なお、次のような場合には、失業手当の受給は、対象外となります。
1. 病気やけがによって、すぐに就職ができない場合
2. 妊娠・出産・育児のため、すぐに就職ができない場合
3. 定年退職をして、しばらく休養しようとする場合
4. 結婚などによって家事に専念していて、すぐに就職できない場合
失業手当は、いつから、いくら、どれくらいの期間でもらえる?
■いつからもらえる?
ハローワークで所定の手続きが完了したら、すぐに手当がもらえるものではありません。受給資格が認められてから7日間は「待機期間」とよばれ、離職理由にかかわらず失業手当を受け取ることができません。
また、自己都合で退職した場合には「一般の離職者」となり、7日間の待機期間のあと、さらに2~3ヶ月の給付制限期間が設けられており、その期間は失業手当を受け取ることができません。
一方、会社都合などで退職した場合には「特定理由離職者」となり、7日間の待機期間のあと失業手当を受け取ることができます。
■いくらもらえる?
失業手当の1日あたりの金額を、「基本手当日額」といいます。この金額は、離職した日の直前6ヶ月の賃金合計(毎月決まって支払われた賃金なので、賞与などは除きます)と給付率によって下記計算式で算出されます。
基本手当日額 = 賃金日額(退職前6ヶ月の賃金合計÷180) × 給付率(45~80%)
なお、給付率は、年齢と退職前の賃金によって変わってきます。
また、基本手当日額は年齢区分ごとに上限額が決められています(図表1)。
図表1:年齢区分別基本手当日額
(ハローワークインターネットサービス「基本手当について」より引用)
■どれくらいの期間でもらえる?
自己都合の場合と、会社都合の場合や年齢、被保険者であった期間によって給付日数は、図表2および図表3のとおり決まります。
図表2:自己都合の場合の給付日数
(ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」より引用)
図表3:会社都合の場合の給付日数
(ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」より引用)
以上のように、失業保険は必ずしも受けられるものではなく、手当の金額も人により異なります。ご自身の場合どのようになるのか、ハローワーク等で確認しましょう。
出典
ハローワークインターネットサービス 基本手当について
ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー