更新日: 2019.01.10 その他保険

まだ大丈夫!では済まされないかも、差し迫る介護。そんな時、考えてみたいミニ保険版「介護保険」の活用法

まだ大丈夫!では済まされないかも、差し迫る介護。そんな時、考えてみたいミニ保険版「介護保険」の活用法
2025年、団塊の世代が75歳以上になるため公的介護保険の財政の維持が喫緊の課題になっています。
 
そのため、介護保険の法改正が頻繁に行われています。公的介護保険制度の縮小化や利用者負担の増大で、公的介護保険を補完する民間介護保険の存在感が増しています。
 
さらに、少額短期保険(ミニ保険)でも介護関連のユニークな商品も注目されています。民間介護保険を補完するものとしてミニ保険の介護関連の保険を検討してみてはいかがでしょうか。
 
新美昌也

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

介護のお金への不安が高まっています

日本少額短期保険協会では、毎年3月2日の「ミニ保険の日」を記念したイベントで、消費者から「こんな保険があったらいいな」というアイデアを募ったコンテストを実施しています。第2回の最優秀賞は「またくるね」、第4回は「介護認定夫婦保険」と介護のお金への不安が窺えます。「またくるね」は遠方で暮らす親・兄弟に介護が必要になったときの介護者の交通費を補償する保険です。
 
「介護認定夫婦保険」は、夫婦どちらも介護認定を受けて、どちらかが重度の要介護状態となった場合の保険です。介護タクシーや通院に利用する交通手段も保険から支払われれば良いと思うと、コメントしています。
 
いずれも、親・兄弟・配偶者に介護が必要になったときに、お金の問題を避けることはできず、お金の不安が高まっているのではないでしょうか。
 

ミニ保険にはユニークな商品が多い

ミニ保険会社はニッチな市場を見つけ商品開発しています。ペットの保険や病気の方でも入れる保険、介護の保険や学生さん向けの保険などユニークな保険がたくさん、誕生しています。
 
介護関連の保険では、リフォームに関する保険、要支援1の状態を保障する保険、要介護度が改善したときに祝い金が支払われる保険、高齢者施設入居者向けの保険、要介護状態でも加入できる保険などがあります。
 
ただし、ミニ保険の保険金額は死亡保険300万円以下、医療保険(傷害疾病保険)80万円以下など少額です。
 

介護関連のミニ保険

介護関連のミニ保険の主なものの特徴を見てみましょう。詳細は、それぞれのホームページでご確認ください。
 
高齢者施設入居者向けの保険としては、アスモ少額短期保険株式会社の「転ばぬ先の杖プラス」と「てんとうむし」があります。「転ばぬ先の杖プラス」は有料老人ホームと特別養護老人ホームの個室内の家財(TV、衣類、補聴器、家具、生活雑貨等)に火災や落雷、水災等により損害が生じたとき、保険金が支払われます。
 
また、入院施設内や外出先でのケガにより、5日以上の入院の場合、一時金が支払われます。「てんとうむし」は特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームおよび認知症高齢者グループホームにお住いの方を対象に、ケガにより5日以上の入院したときに一時金が支払われます。
 
いずれの保険にもオプションとして、入居施設で誤って介護職員や他人の物を壊してしまったとき、及び入居施設の設備を壊してしまったときの補償を付けられます。また、満60歳から満95歳まで健康状態を問わず加入できます。
 
アイアル少額短期保険株式会社の「明日へのちから」は、SOMPOケアメッセージとSOMPOケアネクストの利用者を対象とした保険で、要支援・要介護者が加入でき、利用者が自助努力などで要支援・要介護度を改善した場合に本人にお祝い金として保険金を支払うものです。
 
フェニック少額短期保険株式会社の「介護給付金付定期保険」、株式会社サン・ライフ・ファミリーの「介護一時金付定期保険」、あんしん少額短期保険株式会社の「みんなのキズナ」(介護一時金付定期保険)は、「死亡」「傷害死亡」「介護」を保障する保険です。いずれも医師の診査は不要です。要支援、要介護の認定を受けた段階で介護保険金が支払われます。
 
介護が必要になったとき、介護の環境を整えるためにリフォームをすることがあると思います。エイ・ワン少額短期保険株式会社の「あんしん住まいリフォーム保険」は、リフォーム工事において施工業者が倒産した場合に前払金を補償する保険です。
 
また、訴訟になった場合の弁護士費用も補償します。セント・プラス少額短期保険株式会社の「介護一時金特約」は、要介護3以上になったときに一時金が支払われますので、リフォーム費用などに利用できます。
 
セント・プラス少額短期保険株式会社の「院内あんしん」「あったかゴハン」「しっかり上乗せ」は、要介護2までの方、60歳から100歳までの方、持病がある方、服薬中の方でも加入できます。
 
要介護3以上で保険金が支払われます。「院内あんしん」は病院内でヘルパーさんなどに介助サービスを受けた場合に給付金が支払われます。「あったかゴハン」は、ご自身で調理ができない方が調理代行サービスを利用した場合に給付金が支払われます。
 
「しっかり上乗せ」は公的介護保険の「区分支給限度基準額」を超えても本来必要な介護サービスを受けた際に、上回った金額が支払われます。なお、ケアマネジャーにより作成されたケアプランに基づいて介護費用給付金に規定されたサービスを利用する必要があります。
 
同社の「認知症のささえ」は、エーザイ株式会社との共同開発商品で、器質性認知症と診断されたら一時金が支払われます。40歳から90歳まで加入でき100歳まで更新可能です。要介護認定を受けていても加入でき、医師の診査も不要です。
 
リボン少額短期保険株式会社の「リボン認知症保険」は認知症の方が起こした事故や損害賠償を補償する保険です。年齢に関係なく既に認知症の方も加入できます。
 

ミニ保険加入上の留意点

保険料は生命保険料控除の対象となりません。ミニ保険会社が破綻した時に、保険契約者保護機構のような公的なセーフティーネットがありません。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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