更新日: 2023.08.18 生命保険

【生命保険】「更新型」のメリット・デメリットと向いている人は?

【生命保険】「更新型」のメリット・デメリットと向いている人は?
定期保険や医療保険には、主契約・特約のいずれについても、「全期型」の契約と「更新型」の契約があります。
 
本記事では両者を比較しながら、「更新型」の契約のメリット・デメリットについて解説します。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

「全期型」と「更新型」

「全期型」とは、契約から保険期間満了までの全期間を、ひとつの保障期間として取り扱う保険をいいます。対して、「更新型」とは、契約から保険期間満了まで、全期間を一定年数(5年・10年など)ごとに区切り、一定年数ごとに契約を継続していく取り扱いをする保険をいいます。
 
更新する場合、保険契約者が更新の意思を保険会社に通知することが必要なものと、契約者が更新を拒否しないかぎり自動的に更新するものがあります。
 
保険契約は、基本的に自動的に更新されます。更新を行わずに解約する際や、保険金額の減額を行いたい場合には、自動更新される前に保険会社に連絡しましょう。自動更新に気づかず、更新時に高額の保険料を引き落とされてから気づき、保険会社とトラブルになるケースもありますので留意してください。
 
更新時に、保険の見直しを検討しましょう。更新時には、通常、保険料がアップします。更新時に保障額を下げるなどの見直しを行えば、保険料の上昇を抑えることができる可能性があります。
 

「更新型」のメリット・デメリット

更新型は、一定の区切られた保険期間の終了後も、「健康状態に関係なく」これまでと同じ保障内容・保障額・保障期間で契約が継続されます。そのため、保険に加入した後に健康状態に不安が生じても、保険を継続できます。
 
一方、更新の際、更新時の年齢や保険料率によって保険料が再計算されますので、保険料は通常更新前よりも高くなるのがデメリットです。
 
例えば、A保険会社の場合、死亡保険金2000万円の定期保険(10年更新)の男性の保険料は、おおよそ以下のようになります。

20~29歳:月1550円(10年間累計で18万6000円)
30~39歳:月1850円(10年間累計で22万2000円)
40~49歳:月3570円(10年間累計で42万8400円)
50~59歳:月8070円(10年間累計で96万8400円)
20~59歳までの総支払保険料:180万4800円

住宅ローンや子どもの教育費など、家計の負担が重い40代、50代となってくると、更新による保険料の上昇は大きな負担になってきます。
 
対して全期型の場合、死亡保険金2000万円の定期保険(60歳満了)に20歳(男性)の方が加入した場合の保険料は、月2990円と一定で40年間変わりません。40年間の総支払保険料は143万5200円です。
 
このように、更新型は全期型に比べ、加入当初から一定期間の保険料を抑えられる点が魅力ですが、更新ごとに保険料が上昇するので、総支払額では全期型よりも多くなります。
 
なお、更新型は中途解約した場合、解約返戻金はありませんが、保険期間が長い長期平準定期保険では解約返戻金がある場合があります。
 

「更新型」が向く人とは

若い世代など、加入当初の保険料を抑えたい人には、同じ保障額であれば、全期型に比べ当初の保険料が安い更新型が向いているでしょう。また、更新時に、それまでと保障内容が同じままで更新できるのか、更新しない、減額して更新するなど柔軟に保障の見直しができる点も更新型のメリットです。
 
ライフプランの変化に応じて保障内容を柔軟に見直していきたいという人には、更新型が向いているといえるでしょう。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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