病気のリスクに対する備え、保険だけで大丈夫?リスクマネジメントの視点で考えてみよう
配信日: 2018.10.10 更新日: 2019.01.11
そこで、「リスクマネジメント」の視点から、病気への対策について考えてみます。
Text:宮野真弓(みやのまゆみ)
FPオフィスみのりあ代表、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
子育てファミリーや妊活カップルのライフプランニングを中心に活動しています。
結婚や妊活、出産、住宅購入など人生のターニングポイントにおけるお悩みに対して、お金の専門家としての知識だけでなく、不妊治療、育児、転職、起業など、自身のさまざまな経験を活かし、アドバイスさせていただきます。
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リスクマネジメントとは?
病気やケガ以外にも、事故や災害など、私たちの生活の中にはさまざまなリスクが潜んでいます。それらのリスクを洗い出し、それぞれのリスクに対してどんな方法で備えるのかなどを考えることを「リスクマネジメント」といいます。
では、「病気」というリスクに対して、どんなリスクマネジメントの方法があるでしょうか?
まずは、今回のテーマでもある民間の医療保険があります。医療保険は、入院や手術の費用などをカバーするための手段です。そして、医療保険と比較されることが多いのが貯蓄です。
この2つはどちらも、「病気」というリスクが発生した場合の経済的な損失に対する備え、つまりお金の備えです。医療保険や貯蓄による備えが十分にあれば、お金のことを気にせずに治療に専念することができます。お金を理由に治療の選択肢が狭まることもないでしょう。
しかし、大事なことを見落としています。それは、お金の備えが十分たからといって、必ず病気が治るわけでもなければ、病気にかからなくなるわけでもないということです。
大事なのは「予防」!
リスクマネジメントには、万が一のことが起こった場合のお金の備えだけではなく、リスクそのものを何とかしようとする手段もあります。
主なものは、リスクの回避、リスクの予防、リスクの低減、の3つです。リスクの回避というのは、リスクを最初から生じさせないようにするもので、例えば、事故を回避するために車には乗らない、などが当てはまります。
しかし、生きている限り病気を完全に回避することはできません。そこで有効なのが「予防」です。タバコや酒を控えたり、食事や運動、睡眠などの生活習慣に気を付けたりすることで病気を予防することができます。
また、定期的に健康診断や人間ドックを受けるなどして病気の早期発見に努め、リスクを低減させることも大切です。
保険を見直した後にすべきこと
民間の医療保険が必要かどうか、必要だとすればどうやって選べばいいかなどは他の記事を参考にしていただくとして、保険を見直した後のことを考えてみましょう。
保険の見直しにより浮いた保険料は何に使いますか? 将来の医療費のために貯蓄をしてもいいですし、生活費にあてても構いません。
ですが、スポーツジムに通ったり人間ドックを受けたりする資金にすることもぜひ検討してみてください。病気を予防できれば将来の健康不安も少なくなりますし、早期発見できれば治る可能性も高く、治療費も安く済みます。
病気になった後のお金の準備ばかりを手厚くするのではなく、病気の予防にも目を向け、保険料も医療費も賢く節約できるといいですね。
Text:宮野真弓(みやのまゆみ)
FPオフィスみのりあ代表