更新日: 2024.03.28 その他保険
犬の保険はいらない? 必要性や補償内容、メリット・デメリットを徹底解説!
高額な犬の医療費に対して、頼りになるのが犬のペット保険です。犬のペット保険については、聞いたことはあっても、中身はよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
本記事では犬のペット保険について、どのような保険なのか、保険料はどれくらいなのか、加入するメリットやデメリットなどについて解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
犬のペット保険とは?
犬のペット保険とは、愛犬が病気やけがをしてしまった時の手術代や入院代などの医療費に備えるための保険です。
私たち人間が病気やけがをして病院に行った際には、医療費を窓口で全額払う必要はありません。日本には公的医療保険制度があるため、窓口で支払う医療費は原則3割です。例えば、1万円分の医療を受けたとしても、実際に支払うお金は3000円です。
しかし、犬や猫などのペットにはこのような公的医療保険制度はありません。
犬や猫などのペットが病気やけがをした際には、手術や長期の入院、時には抗がん剤治療といった高度医療が必要となることもあります。人間であれば、自己負担はかかった医療費の一部ですが、犬の場合は基本的にはかかった医療費は全額飼い主が負担する必要があります。
近年は飼育環境の改善に加え、ペットへの医療も進化しています。そのため、治療が可能な病も増え、ペットの平均寿命も伸びてきているといわれています。もちろんうれしいことですが、金銭面での負担はその分増えてしまう場合もあるでしょう。
犬のペット保険に加入していれば、愛犬の医療費負担を軽減できます。犬のペット保険に入ることで、人間の保険と同様に、愛犬のもしもの時でも経済的な安心感を得られるでしょう。
犬のペット保険の補償内容
一般的に、犬のペット保険の補償内容は「通院」「入院」「手術」の3つに分けられます。そして、主契約とは別に特約をセットすることでより充実した補償内容を得られる場合もあります。
それぞれの内容についてみていきましょう。
犬のペット保険の補償内容1:通院
通院は犬のペットが病気やけがをした場合に動物病院に行き、治療を受けた場合に適用される補償です。また、病院に行った際の診療費はもちろん、処置費や処方薬代などもこの通院に該当し、補償の対象です。
人の場合、ちょっとした風邪やけがで病院に行っても、窓口で支払う金額は3割程度が基本ですので、病院に行くのにそこまでちゅうちょはしないかもしれません。
しかし、犬には公的な保険がありませんので、その分通院でかかる診療費は大きくなってしまいます。ペット保険に入っていれば、ほんの少しの体調不良や変化であっても、通院しやすくなるでしょう。
また、ちょっとした時に病院で診療を受けてもらうことで、病気の早期発見にもつながります。犬は体調が悪くても話ができないため、人間のように言葉でなにがどう悪いのか伝えることができません。そのため、体調不良には飼い主が気づいてあげて、早めに治療をしてあげる必要があります。
犬のペット保険で通院補償があるプランに入っていれば、病院に連れて行く心理的ハードルが下がり、愛犬の健康維持につながるでしょう。
犬のペット保険の補償内容2:入院
入院は犬のペットが病気やけがで入院した場合に適用される補償です。基本的には、入院中の診察・治療・投薬といった診療費と入院費が補償の対象です。
犬も人間と同様に、病気やけがの程度によっては入院を余儀なくされる場合も少なくありません。そしてその場合には、入院費用がかかってしまいます。入院費用は高額となる場合も多く、特に長期入院になってしまうと家計への影響も大きいです。
入院費を抑えるために自宅療養という手段もありますが、病院が遠方だったり、容体が急変するリスクを考えたりすると、すぐに適切な処置が受けられる病院のほうが安心できます。
入院補償に入っていれば、犬のペットが入院した際の金銭的な不安を軽減できるでしょう。
なお、入院補償の日数や上限金額は保険の契約で選択できます。日数や上限金額を上げれば、その分保険料も高くなりますので、バランスをみながら、自分と愛犬に合った入院補償を選びましょう。
犬のペット保険の補償内容3:手術
手術は犬のペットが手術した際の費用に対する補償です。
公的な補償が全くない犬の手術は、内容によってはかなり高額になってしまうこともありますが、手術補償に入っていれば、その負担を大きく減らすことができます。
なお、基本的には麻酔費用など、手術そのものにかかる費用が補償対象です。手術前後の入院費や術後・退院後の費用は補償対象に含まれません。そのため、手術そのものは簡単だったとしても、術後の通院治療が長期にわたる場合、手術補償だけではまかなえない点には注意が必要です。
なお、手術の回数や1回の手術に対する金額には上限が設定されており、補償対象外の症例もあります。
犬のペット保険の補償内容4:その他特約
犬のペット保険の補償内容の基本は、ここまで紹介した「通院」「入院」「手術」の3つです。ただ、その他の補償もプランとして付け加えられることがあります。
例えば、愛犬が亡くなってしまった際の火葬費用、事故・けがによる車椅子作成費用、他人にかみつきけがを負わせた場合や物を壊した場合の相手への補償などがあります。
このような補償を主契約とは別にセットすれば、保険料は増えるかもしれませんが、より充実した補償内容を受けられるでしょう。
犬のペット保険は必要? 加入する理由とは?
犬のペット保険は人の保険と比べるとそこまで一般的ではありませんが、それでも加入している人は少なくありません。
犬のペット保険の必要性についてみていきましょう。
犬のペット保険に加入する理由1:平均寿命が伸びている
一昔前までは犬は外で飼うことが一般的でした。しかし、現在は屋外のみで飼われる犬はかなり減り、家族の一員として屋内で暮らす犬のほうが一般的です。屋内で暮らしていると、温度や湿度が快適に保たれ、犬にとっても屋外よりはストレスが少ない環境といえます。
また、ペットフードもどんどんと進化して栄養価が高いものが増えており、さらに医療も高度化しています。そのような中、犬の平均寿命も確実に伸びてきました。
具体的には、一般社団法人ペットフード協会の「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」によると、犬の平均寿命は2010年から2023年にかけて0.75歳伸びています。
そして、寿命が伸びると、その分病気になる回数が増えたり、昔は考えられなかった高齢ならではの病気やけがをしてしまったりするケースも増えます。同じく「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」をみてみると、飼育しているペットが最近1年間で病院に行った回数の平均は、0歳では3.80回、1~6歳は4.40回、7歳以上は5.08回と、高齢になるにつれて増えていく傾向です。
寿命が伸びて高齢化し、病院へ行く機会が増えると、その分医療費も増えます。これらの点から、犬のペット保険の必要性も増しているといえるでしょう。
犬のペット保険に加入する理由2:犬の診療費は全額自己負担
昔も今も、犬含めペットの診療費用は全額自己負担です。ペットの医療費は高額になる場合もあり、長期の入院や難しい手術の場合などは100万円程度の費用が必要となる場合もあります。
大切な愛犬とはいえ、100万円もの費用を簡単に出せる人は多くはないでしょう。また、そこまで高額ではなくても、人間のように公的な保険がない犬を病院に連れて行くと、1回の診療費が薬代を含めて1万円程度になることも少なくありません。
診療費が高いからといって診察を受けさせないのは飼い主として苦しい思いですが、ペット保険に加入していれば、病院へ行くハードルを下げてくれるでしょう。
犬のペット保険に加入する理由3:犬は誤飲や皮膚病などが日常的
犬はなんでも口に入れてしまう傾向があり、特に子犬の間は好奇心が強く、子犬による誤飲事故は多いです。子犬がなんでも口に入れてしまうのは犬の習性なのでどうしようもないとはいえ、飼い主が常に注意しておくのも簡単ではありません。
また、犬は皮膚病が日常的にみられます。アレルギーや細菌、寄生虫など、原因はさまざまですが、毛が抜けるなどの症状が現れます。
これらは適切な処置をすぐにすれば問題はありませんが、何回も通院すると医療費もかさんでしまいます。
犬のペット保険に入っていると、日常的に発生するトラブルにも対応がしやすいでしょう。
犬のペット保険は高い? どれくらい費用がかかるの?
犬のペット保険を検討する際には、やはり毎月の保険料負担が気になります。犬のペット保険の保険料はどんな犬でも同じではなく、犬の体重や年齢、品種などによって異なります。また、人と同じように、補償内容やサービスによっても同一ではありません。
そして、犬のペット保険には、一般的に「補償割合」という制度があります。補償割合とは、発生した医療費の中から、保険に入っていることで受け取れる保険金の割合を指します。例えば、補償割合が70%のプランに加入しており、入院費が5万円だった場合、3万5000円が保険金として支払われ、残りの1万5000円が自己負担額です。
ただし、入院費の上限が3万円などと決められている場合、今回の事例では3万円が保険金で、残りの2万円が自己負担額です。
ちなみに、犬のペット保険の補償割合は50~100%とさまざまですが、50%と70%のプランが人気です。
それでは具体的に、今回はアクサダイレクトが公開しているパンフレットから、犬のペット保険の毎月の保険料についてみていきます(マイクロチップ装着なしの場合)。
図表1
(品種 犬1:トイプードル、ミニチュアダックス、チワワ、ポメラニアンなど)
年齢 | プラン50 | プラン70 |
---|---|---|
0歳 | 1960円 | 2750円 |
1歳 | 1730円 | 2420円 |
2歳 | 1650円 | 2300円 |
3歳 | 1820円 | 2550円 |
4歳 | 2090円 | 2930円 |
5歳 | 2470円 | 3460円 |
6歳 | 3040円 | 4260円 |
7歳 | 3920円 | 5480円 |
8歳 | 5130円 | 7190円 |
アクサ損害保険株式会社「アクサダイレクトのペット保険 保険料表(愛犬・新規契約用)」を基に筆者作成
図表2
(品種 犬2:柴犬、フレンチ・ブルドッグ、ミニチュア・シュナウザーなど)
年齢 | プラン50 | プラン70 |
---|---|---|
0歳 | 2470円 | 3460円 |
1歳 | 2230円 | 3120円 |
2歳 | 2120円 | 2960円 |
3歳 | 2270円 | 3180円 |
4歳 | 2560円 | 3580円 |
5歳 | 2990円 | 4190円 |
6歳 | 3710円 | 5200円 |
7歳 | 4680円 | 6560円 |
8歳 | 6280円 | 8790円 |
アクサ損害保険株式会社「アクサダイレクトのペット保険 保険料表(愛犬・新規契約用)」を基に筆者作成
図表3
(品種 犬3:ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ジャーマン・シェパードなど)
年齢 | プラン50 | プラン70 |
---|---|---|
0歳 | 2850円 | 3990円 |
1歳 | 2780円 | 3890円 |
2歳 | 2590円 | 3620円 |
3歳 | 2930円 | 4100円 |
4歳 | 3570円 | 5000円 |
5歳 | 3920円 | 5490円 |
6歳 | 5140円 | 7190円 |
7歳 | 6120円 | 8560円 |
8歳 | 7200円 | 1万80円 |
アクサ損害保険株式会社「アクサダイレクトのペット保険 保険料表(愛犬・新規契約用)」を基に筆者作成
図表4
(品種 犬4:バーニーズ・マウンテンドッグ、ブルドッグ、グレート・デンなど)
年齢 | プラン50 | プラン70 |
---|---|---|
0歳 | 4400円 | 6160円 |
1歳 | 4160円 | 5820円 |
2歳 | 3870円 | 5420円 |
3歳 | 4240円 | 5940円 |
4歳 | 5000円 | 7000円 |
5歳 | 5940円 | 8310円 |
6歳 | 7140円 | 1万円 |
7歳 | 8560円 | 1万1990円 |
8歳 | 1万80円 | 1万4120円 |
アクサ損害保険株式会社「アクサダイレクトのペット保険 保険料表(愛犬・新規契約用)」を基に筆者作成
あくまで一例ですが、同じ犬種の中でも年齢によって保険料は数千円違いますし、同じ年齢でも犬種やプランが違えば、1万円近く保険料が異なる場合もあります。
犬の保険を考える際には、いくつかの保険会社で、実際にどれくらいお金がかかりそうか確認しておきましょう。
犬のペット保険に加入するメリット
犬のペット保険に入るかどうか迷っている場合、メリットとデメリットを整理してみることが大切です。まずは犬のペット保険に加入するメリットをみてみましょう。
犬のペット保険に加入するメリット1:医療費の負担を軽減できる
人間と違い、犬には公的な保険がありません。そのため、病院に連れて行った際の医療費は全額自己負担です。また、動物病院での治療は自由診療です。もちろん、診療費に関しての相場はありますが、同じ治療をしても病院によって医療費のふり幅があります。
そのため、体調が悪く病院に連れて行ったら、想像以上に支払いが大きくて驚いたというケースも珍しくありません。また、犬は犬種によってもかかりやすい病気があります。こうした病気やけがの治療は、しばしば高額な医療費が伴います。
また、中には治療の選択肢がいろいろあるものの、最適なものはかなり高額であり、希望する治療方法を受けさせてあげられないこともあるかもしれません。飼い主からすれば、可能な限りの治療を施してあげたいところですが、ペット保険に加入していれば、自己負担額が減り、治療の選択肢を広げられる可能性もあるでしょう。
このように、犬のペット保険に加入していれば、医療費の負担を軽減できるとともに、場合によっては治療の選択肢の広がりも期待できます。
犬のペット保険に加入するメリット2:いろいろなリスクに対応できる
犬のペット保険では、医療費の他にもいろいろな特約を利用できる商品もあります。例えば、「賠償責任特約」「火葬費用特約」「診断書費用補償特約」などです。今回はこの3つについてみていきましょう。
「賠償責任特約」は、愛犬が他人にけがをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりした場合、相手に対する補償をおこなうものです。飼い犬が他人に損害を与えるケースは少なくありません。環境省によると、令和2年度の咬傷(こうしょう)犬数は4619頭で、その内4565頭が飼い犬です。そのため、愛犬が他人に損害を与えてしまうケースは十分考えられます。
「火葬費用特約」を付けていれば、愛犬の葬儀や火葬費用を補償してもらえます。愛犬が元気なうちは亡くなった後のことは考えたくありませんが、いつかやってくる愛犬とのお別れの際、火葬を考えている人もいるでしょう。ペットの葬儀費用はペットの体のサイズや体重、火葬設備によって異なります。
「火葬費用特約」を付けることで、大切な愛犬との別れの時間を、より良いかたちでお見送りできることもあるでしょう。
犬のペット保険に加入していて保険金を請求する際には、診断書が必要な場合もあります。診断書の文書作成には2000~3000円程度がかかりますが、「診断書費用補償特約」に加入していれば、その費用についても保険金が下ります。診断書は1回だけならまだしも、複数回作成していると、思った以上に負担になるものです。
「診断書費用補償特約」を付けていると、ちょっとした支出を抑えられて便利なこともあるでしょう。
犬のペット保険に加入するメリット3:病気発見、早期治療につなげられる
犬のペット保険に加入していると、病気の発見や早期治療につなげられます。もしもペット保険に入っていないと、ちょっとした体調不良や食欲不振などでも、医療費への不安から病院へ行きづらい気持ちが生まれることもあります。
ペット保険に加入していれば、そのような不安が少なくなり、早めに病院に連れて行けることもあるでしょう。そして、結果的に病気やけがを早く見つけられ、症状が軽いうちの治療にもつながっていくこともあります。
犬のペット保険に加入するデメリット
続いて、犬のペット保険に加入するデメリットをみていきましょう。
犬のペット保険に加入するデメリット1:掛け捨てで貯蓄性がない
人間が加入する保険では、貯蓄性があるものもあります。満期時に保険金を受け取れたり、解約時に解約返戻金を受け取れたりするものも多いです。
一方、犬のペット保険は基本的には掛け捨て型の商品です。そのため、愛犬が健康で保険を使用することなく満期を迎えたり、途中で解約したりした場合でも、満期保険金や解約返戻金はありません。
保険は万が一への備えですので、保険を使わずに無事に過ごせているということは、もちろん良いことです。とはいえ、中には保険を全く使わなかったことに対し、保険に入ったことが無駄だったと考える人もいます。そういう人からすると、保険料が掛け捨てで貯蓄性がないということをデメリットに感じる場合もあるでしょう。
犬のペット保険に加入するデメリット2:高齢になるほど保険料の負担が大きくなる
犬のペット保険は通常1年ごとに更新します。そして、基本的にはペットの年齢が上がるにつれて保険料も増えていきます。先に紹介したアクサダイレクトのペット保険でみても、例えば2歳のトイプードルでは1650円か2300円ですが、8歳になると5130円か7190円です。つまり、6年間で保険料は倍以上に上がってしまいます。
毎月1650円を払っている場合、年間の保険料は2万円しないくらいですが、5130円では6万円を超えてしまいます。また、加入できる年齢に上限が設けられていることも多いです。
なお、支払い方法には毎月保険料を支払う月払いではなく、1年分を一括で払う年払いができる場合もあります。年払いにすれば、月払いよりも年間の保険料の総額を抑えられる傾向があります。
犬のペット保険を検討する場合、年齢ごとの保険料や加入できる上限年齢、支払方法などをチェックするようにしましょう。
犬のペット保険に加入するデメリット3:100%補償されるわけではない
犬のペット保険に加入すれば、医療費などがすべて補償されると思っている人もいるかもしれません。しかし、ペット保険には免責事由(保険会社が保険金を支払わなくて良い条件)が定められています。
一般的に、以下のような項目を免責事由にしている保険会社が多いです。
●加入前からのけがや病気
●健康診断
●去勢、避妊手術
●ワクチン接種などの予防接種
●治療を伴わない一部の特殊な手術や治療
保険会社によっては、歯周病などのかかりやすい病気も対象外にしている場合もあります。
補償がされる場合でも、基本的にペット保険では補償割合が50~70%のものが多く、100%補償のものはかなりまれです。つまり、病院に連れて行った際には、保険に未加入の場合よりは少ないものの、基本的には自己負担額が発生するということです。
また、犬のペット保険では保険金の支払い日数や回数に限度額を設定している場合も少なくありません。
犬のペット保険に加入していても、万が一の場合には少なからず自己負担額があるという点は認識しておきましょう。
犬のペット保険に加入する必要性が高い人の特徴
ここまでみてきたように、犬のペット保険にはメリットとデメリットの両面があります。メリットとデメリットを踏まえたうえで、犬のペット保険に加入する必要性が高い人の特徴についてみていきましょう。
犬のペット保険に加入すべき人の特徴1:愛犬に十分な治療を受けさせたい人
愛犬に万が一のことがあった際に十分な治療を受けさせたい人は、ペット保険に加入する必要性が高いです。
通常、愛犬が長い間通院した場合の医療費や、高額な手術をした場合の手術費は全額自己負担です。そのため、例えばいくつかの治療方法の選択肢がある場合でも、金銭的な理由から、費用を抑えた対応を選ばざるを得ない場合もあるかもしれません。もちろん、それでうまくいくこともあるでしょうが、なんらかの理由で後悔することも考えられます。
犬のペット保険に加入していれば、高額な医療費の一部をカバーできるので、治療方法の選択肢が広がります。また、手術までいかなくても、ちょっとした体調不良でも病院に行きやすくなり、病気やけがの早期発見・早期治療につながることもあります。
いろいろな場面を想定し、愛犬に十分な治療をいつも受けさせたいと考える人は、犬のペット保険の必要性は高いといえるでしょう。
犬のペット保険に加入すべき人の特徴2:突然の支出に不安がある人
愛犬に万が一のことがあった際、医療費が高額になることも考えられます。飼い主がどれだけ健康に気をつけていたとしても、病気やけがとなる可能性をゼロにすることはできません。
そして、もしもの時に医療費が払えないということは最悪の事態ともいえます。犬のペット保険の補償金額はさまざまですが、医療費が軽減され、経済的にも余裕を持って愛犬の治療ができます。
十分に貯蓄があり、万が一の時でも対応ができる人なら問題ありませんが、突然の支出に不安がある人は、犬のペット保険に加入したほうが安心できるでしょう。
犬のペット保険に加入すべき人の特徴3:医療費以外に備えたい人
先述のとおり、犬のペット保険の基本は「通院」「入院」「手術」ですが、いろいろな特約を付けることが可能です。
例えば、「賠償責任特約」では、愛犬が他人にけがをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりした場合の相手に対する補償に対応できます。犬は好奇心旺盛な生き物です。散歩中に他人にかみついてけがをさせてしまったり、他の犬とけんかをしてけがをさせてしまったりした場合に、相手から損害賠償を請求される可能性があります。
特約には他にもいろいろなものがありますので、医療費以外にも備えたいという人はチェックしてみましょう。
犬のペット保険に加入する必要性が低い人の特徴
犬のペット保険に加入する必要性が高い人がいれば、低い人もいます。犬のペット保険に加入する必要性が低い人の特徴をみていきましょう。
犬のペット保険に加入する必要性が低い人の特徴1:貯蓄が十分ある人
犬のペット保険に限りませんが、保険は万が一の際にもお金に困らないように加入します。そのため、突然の支出に不安がある人は加入する必要性は高いです。
反対に、貯蓄が十分にあり、突然の大きい医療費も全額自己負担で支払える人や、ちょっとした体調不良でもちゅうちょなく病院に通わせられる人は犬のペット保険の必要性は低いといえます。
ただし、犬に万が一のことがあった際の医療費は病気などの内容はもちろん、ペットの年齢や健康状態、住んでいる地域などによって差があります。そのため、医療費が実際にどれくらい必要かを正確に計算することは不可能であり、いくら以上貯蓄があれば、ペット保険は不要と言い切ることはできません。
また、ペット保険の中には獣医師への相談サービスをプランに入れられることもあります。金銭面以外の内容についても、一度確認してみたほうがよいでしょう。
犬のペット保険に加入する必要性が低い人の特徴2:補償内容に魅力を感じない人
犬のペット保険の補償内容に魅力を感じない人も、ペット保険に加入する必要性は低いです。
犬のペット保険で補償されるものの基本は、「通院」「入院」「手術」の3つです。そして、去勢・避妊手術や健康診断、予防接種といった予防費用は基本的には補償されません。また、医療費もすべてが対象ではなく、例えばペット保険加入前の既往症などは補償の対象外となる場合が多いです。
そのため、このような点に魅力を感じなければ、わざわざペット保険に入らずに、日々の貯蓄で医療費を貯めておくのも良いかもしれません。
犬のペット保険に加入する必要性が低い人の特徴3:毎月の生活が苦しい人
毎月の生活が苦しく精いっぱいという人は、犬の保険に加入すると生活費をさらに圧迫してしまう可能性が高いです。「愛犬になにかあったら困る」という気持ちは非常にわかりますが、ペット保険は掛け捨てであり、得をするということはほとんどありません。
また、現在は保険料をなんとか払えたとしても、愛犬の年齢が上がり、さらに保険料がかかることも十分考えられます。
どうしても備えたい場合、掛け捨てのペット保険と決めつけず、その費用を毎月確実に積み重ねる貯蓄として貯めていたほうが、汎用(はんよう)性もあります。いろいろな選択肢を考えましょう。
犬のペット保険を選ぶ際のポイント
ここまで説明してきた内容を踏まえ、犬のペット保険を選ぶ際のポイントについて解説していきます。
犬のペット保険を選ぶ際のポイント1:犬種別に必要な補償を確認する
犬といっても、大きさや種類によってかかりやすい病気は異なります。そのため、自分が飼っている犬がかかりやすい症例を確認したうえで、発症率が高い症例が補償される保険を選びましょう。
例えば、椎間板ヘルニアはミニチュアダックスフンドやコーギーといった胴長犬が特にかかりやすい傾向にあります。
なお、犬の大きさに関わらず、歯周病は多くの犬が発症するリスクが高いです。犬の歯周病は悪化すると重篤な病気を併発する可能性もありますので、備えておきたいところです。また、がんも犬種に関わらず備えていたほうが安心できます。
犬のペット保険を選ぶ際のポイント2:生涯保険料を考慮したうえでプランを選ぶ
犬の保険に限った話ではありませんが、保険は日常の生活が苦しくならない程度の保険料のものに抑えることが大切です。
犬の保険では、年齢が1つ違うだけで保険料が上がっていってしまうことも少なくありません。犬種によっては支払う保険料がかなり高くなってしまう可能性もありますので、愛犬が歳を重ねても無理せずに加入し続けられるかは大切なポイントです。
犬の保険に入る際には、補償割合・給付限度額・免責金額などの組み合わせでプランを選びます。それぞれで手厚く補償されるものを選びたいところですが、そうすると保険料は高くなってしまいます。
愛犬のリスクや、自身の経済状況・価値観などに沿って、無理のない範囲のプランを選択しましょう。
犬のペット保険を選ぶ際のポイント3:保険に付随するサービスを確認する
犬のペット保険の中には、付帯サービスを付けられるものも多いです。例えば、請求方法が窓口精算に対応している場合もあります。通常、犬の保険に入っていても医療費は全額支払い、後日保険金を受け取ります。
一方、窓口精算ができれば、保険金請求を別途しなくても、窓口で保険金の精算を完了することが可能です。
他には、愛犬の急な体調不良の際に相談できる獣医師相談サービスも便利です。愛犬のちょっとした変化についても、すぐに獣医師に相談ができれば心強いです。なお、サービスの対応時間は、24時間365日対応可能なものもあれば、日中だけのものもあります。
犬のペット保険まとめ
犬のペット保険に加入しておけば、愛犬が病気になった際などの医療費負担を軽減でき、病気などの早期発見・早期治療にもつながります。また、特約をつけることで医療費以外にも対応できます。
とはいえ、犬のペット保険の金銭的な負担は決して軽くはなく、年齢を重ねるごとに保険料も増えていくのが一般的です。
犬のペット保険に加入すべきかどうかは一概にはいえませんが、本記事を参考に犬のペット保険について検討していきましょう。
出典
一般社団法人ペットフード協会
アクサ損害保険株式会社 アクサダイレクトのペット保険 保険料表(愛犬・新規契約用)
環境省 動物愛護管理行政事務提要(令和3年度版) <II> 統計 3.動物による事故 (1)犬による咬傷事故状況(全国計:昭和49年度~令和2年度)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部