更新日: 2024.09.03 その他保険

払済保険とは? 仕組みや見直し・解約のタイミングをわかりやすく解説!

払済保険とは? 仕組みや見直し・解約のタイミングをわかりやすく解説!
日本には数多くの保険が存在しており、それぞれに違った特徴や魅力があります。保険会社や保険商品によってもそれぞれターゲット層が異なり、具体的な保障内容などにも違いがあるので注意しなければなりません。
 
数多くある保険の1つに「払済保険」が挙げられますが、利用する前には内容について理解しておくことが大切です。
 
本記事では、「払済保険」の仕組みやメリット・デメリットについて解説するので、気になる方は参考にしてみてください。

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払済保険とは? どのような仕組み?

「払済保険」とは、現在契約している保険契約を残したまま、保険料の支払いがなくなる制度です。

保険料がなくなる仕組みとしては、「これから支払う保険料の一部に解約返戻金を使用するため」です。解約返戻金は、通常だと保険を解約した際にもらえるお金ですが、その「将来的にもらえる解約返戻金をなくして保険料に充当する方法」が「払済保険」です。

このような仕組みから、解約返戻金が設定されている終身保険や養老保険などでしか、払済保険への変更は認められていません。掛け捨て保険などは解約返戻金が存在しないので、払済保険への変更ができません。

払済保険に切り替えるためには、契約している保険会社に相談して、決められた手順に沿って手続きを進めるようにしましょう。

払済保険を利用すべきタイミング

払済保険を利用すべきタイミングは人によって異なりますが、多くの方に共通するタイミングはあります。

通常の保険に加入しているとどうしても保険料支払いなどが必要となるので、生活費などを圧迫してしまうケースも少なくありません。確かに、保険はさまざまな事態に備えるためにも重要な役割を持っていますが、あくまでも日常生活などが優先となります。

払済保険を利用すべきタイミングとしては、以下が挙げられます。

・保険料の払い込みが難しくなったタイミング
・保障内容の見直しをしたいタイミング
・ライフスタイルやライフステージが変わったタイミング

払済保険を利用するべき具体的なタイミングとしてはこれらが代表的ですが、自分が気になったタイミングで切り替えることが大切です。ここでは払済保険を利用すべきタイミングを解説するので、利用を検討している方は参考にしてみてください。

払済保険を利用すべきタイミング1.保険料の払い込みが難しくなったタイミング

各種保険に加入するためには保険料の払い込みが必要になりますが、払い込みが難しくなってしまう理由については人によってさまざまです。

例えば、転職や失業などをしたタイミングでは一時的に収入が減るケースも考えられるため、そのような際には一時的に払済保険に切り替えるのも方法といえます。
払済保険に変更した後にも一定期間までなら、元の保険に戻すことが可能な場合もあります。

払済保険を利用すべきタイミング2.保障内容の見直しをしたいタイミング

保険はずっと同じ保障内容でも問題ないと思うかもしれませんが、実際にはタイミングを見て保障内容の見直しが必要になります。

一般的なイメージだと、保険には契約と解約だけしかないと考えられていたりもしますが、保険の種類によっては払済保険への切り替えも選択肢としておすすめです。具体的な保障内容についてはそれぞれで契約している内容で異なるため、変更前後での保障内容の変化については事前の確認が大切といえます。

現在契約している保険料の払い込みをストップさせて、手元に残った保険料を生かして他の保険商品を契約するなども選択肢の1つとして有効です。

払済保険を利用すべきタイミング3.ライフスタイルやライフステージが変わったタイミング

ライフスタイルやライフステージが変わると、一般的に必要となる保障内容も変わります。例えば結婚した場合、独身時代に契約していた保障内容では不十分になる可能性が挙げられます。

独身時代には自分が死亡・高度障害を負ったとしても、自分自身が生活できるだけの保険金で問題ありませんでした。しかし、結婚して子どもが生まれると自分になにかあった際には、残された家族が十分に生活できるだけの資金を残すことが必要となります。

このような場合には現在契約している保険を払済保険に変更して、新しい保険商品を契約するなどもおすすめです。

払済保険の見直しや解約のタイミング

払済保険の見直しをするタイミングとしてはライフスタイル・ライフステージの変化が挙げられますが、解約するタイミングについては難しいといえます。

そもそも払済保険に変更するタイミングで解約返戻金を使っているため、払済保険を解約しても手元に残る解約返戻金はほとんどありません。払済保険に変更した後でも解約返戻金は積み立てられますが、変更してからの期間が短いとほとんど積み立てられていない状態です。

そのため、基本的には解約するタイミングは「解約返戻金がその時点で必要かどうか」がポイントとして挙げられ、事前に解約返戻金について確認して、必要と判断した場合には解約の手続きを進めてください。新しい保険を検討している場合は、払済保険に変更せずに最初から解約して解約返戻金をもらうというのも選択肢として視野に入れておきましょう。

払済保険のメリット

払済保険にはさまざまなメリットがあるため、実際に利用する前にはメリットについて理解しておくことが大切です。具体的なメリットについて理解してから、現在契約している保険をどうするか検討してください。

払済保険のメリットとしては、以下が挙げられます。

・払済保険に変更すると保険料負担がなくなる
・払済保険に変更した後も保障は継続される
・払済保険に変更しても解約返戻金は増えるケースがある

払済保険のメリットとしては以上の内容が挙げられますが、保険料負担がなくなった後でも万が一に備えた保障は継続されるので安心です。それぞれのメリットについて解説するので、払済保険を検討している方は参考にしてみてください。

払済保険のメリット1.払済保険に変更すると保険料負担がなくなる

払済保険は、解約返戻金を保険料に充てるため、その後は保険料負担がなくなって生活費などに余裕が生まれます。

これまで保険料として支払っていた分の金額を貯蓄に回したり、子どもの教育費に回したりすることが可能です。毎月の保険料支払いが大きな負担になっていると感じている場合、払済保険に変更することも検討してください。

保険料負担がなくなった後には、新しく保険料が低めの他の定期保険などに加入するのもおすすめです。

払済保険のメリット2.払済保険に変更した後も保障は継続される

払済保険に変更した後も保障は継続されるため、死亡や高度障害など万が一が発生した際には保険金がもらえます。

具体的な保険金額や保障内容については原則元の保険契約が基になりますが、払済保険に変更した後の保険金額や保障内容などは事前に確認しておくようにしましょう。保険を解約すると各種保障が受けられなくなりますが、払済保険への変更では引き続き保障が受けられます。

払済保険のメリット3.払済保険に変更しても解約返戻金は増えるケースがある

払済保険に切り替えるためには本来もらうはずだった解約返戻金が使われるため、最終的にもらえる解約返戻金がなくなってしまうのが一般的です。ただし、切り替える前の残払込期間やもらえるはずだった解約返戻金次第では、解約返戻金が一部残るケースもあります。

このように残った解約返戻金は契約時の利率などで運用されるので、変更した後も引き続き運用されて解約返戻金が増えるケースも考えられます。具体的にどれくらいの解約返戻金がもらえるかについては、それぞれの契約などが基になるので、事前の確認が大切です。

払済保険のデメリット

払済保険を利用するといろいろなメリットが受けられますが、同時にデメリットについても理解しておく必要があります。

仮にデメリットについて理解していない状態で変更すれば、思わぬ問題やトラブルに発展する可能性も考えられます。このような事態を避けるためにも、しっかりとデメリットは確認しておきましょう。

払済保険のデメリットとしては、以下が挙げられます。

・払済保険に変更すると保障金額が減額される
・払済保険にすると付帯している特約などが消滅する
・一定期間を過ぎると元に戻せなくなる
・保険料支払いがなくなるので生命保険料控除が受けられない

払済保険のデメリットはさまざまですが、どうしても変更前と比べると保障内容などが弱くなります。それぞれのデメリットについて解説するので、具体的な内容が気になる方は参考にしてみてください。

払済保険のデメリット1.払済保険に変更すると保障金額が減額される

払済保険に変更すると保障金額が減額されるため、一家の大黒柱として働いている方や子どもが小さくてまだ資金が必要な方は注意しなければなりません。

保険は万が一に備えて加入するものなので、受け取れる保障金額は重要です。保険料を抑えるためには払済保険は有効ですが、保障金額が減額されてしまうと大きな影響が出てしまうおそれもあります。

払済保険のデメリット2.払済保険にすると付帯している特約などが消滅する

現在の保険契約で加入している特約などについては、払済保険に変更すると消滅します。

特約によっては自分にとって重要な役割を持っているケースもあるので、本当に特約がなくなっても問題ないかの判断が大切です。もしも、特約がなくなって不具合が生じるのであれば、他の方法も検討してみるようにしましょう。

ただし、特約の種類によってはそのまま継続されるものもあり、例えば「リビング・ニーズ特約(余命6ヶ月以内と宣告された際に死亡保険金を先に受け取れる)」は継続できるケースが多いです。

払済保険のデメリット3.一定期間を過ぎると元に戻せなくなる

払済保険に変更してから一定期間内であれば変更前に戻せるため、やはり保障内容を充実させたほうがいいと感じている方は再度検討することができます。しかし、一定期間を超えた後は元に戻せなくなるので、変更前には定められている期間について確認しておくことが大切です。

変更前に戻す際には払済保険に移行していた間の保険料支払いが必要になったり、健康状態の告知や医師の診査が求められたりする場合もあります。元に戻すためには、費用や各種手続きなどが必要となるので注意しましょう。

払済保険のデメリット4.保険料支払いがなくなるので生命保険料控除が受けられない

保険料支払いがなくなることにより生命保険料控除ができないため、所得税や住民税などの控除が受けられません。そのため、生命保険料を支払っているときと比較すると、最終的に支払う税金が多くなるケースも多いです。

具体的な生命保険料控除については、図表1を参考にしてみてください。

図表1

年間の支払い生命保険料 控除額
2万円以下 支払保険料などの全額
2万円超4万円以下 支払保険料など×2分の1+1万円
4万円超8万円以下 支払保険料など×4分の1+2万円
8万円超 一律4万円

国税庁「No.1140 生命保険料控除」を基に筆者作成

払済保険を利用する際の注意点

払済保険を利用すると解約返戻金がなくなったり、保障金額が減額されたりと変更前保険と比較すると保障内容が弱くなります。そのため、万が一の問題やトラブルが発生した場合に、十分に対応できるかどうか事前に考えておくことが重要です。

そもそも保険加入する主な目的は、死亡時や高度障害を負ったときにまとまったお金を残すためといえます。

実際に払済保険に変更する前には、変更しても十分にお金が残せるかどうかを視野に入れて検討して、十分にお金が残せないと判断した場合には変更はやめたほうがいいかもしれません。もしも払済保険に変更しても大丈夫かどうか判断するのが難しい場合は、保険相談窓口の担当者やファイナンシャルプランナーなどの専門家への相談もおすすめです。

自分だけで判断してしまうと、後からさまざまな問題などが起こる可能性も考えられるため、しっかりと内容について納得してから手続きするのが大切といえます。

払済保険が向いている人の特徴

払済保険が向いている人の特徴としては、「保険料の負担を減らしたい」「加入している保険の見直しをしたい」「保険の保障は継続したい」と考えている方といえます。
一般的な保険と比較すると保険料の負担は大きく軽減されるのに加えて、保険の保障は継続されるのでさまざまな場面への対策としても有効です。

保険については、一度契約したらそのままずっと同じ内容で問題ない方もいれば、定期的に見直しをして変更したほうがいい方もいます。独身時代に加入していた保険が、結婚してからライフスタイルなどに合わなくなるケースは十分に考えられ、ライフステージ・ライフスタイルの変化に合わせて見直しをすることは大切です。

このような場合には、例えば現在加入している保険を払済保険に切り替えて、新しく定期保険を契約するなども有効な方法として挙げられます。

払済保険まとめ

「払済保険」には、メリット・デメリットが存在しているため、それぞれを比較しながら自分に合っているかの判断をする必要があります。

現在契約している各種保険を払済保険に切り替えると、保険料負担をなくしつつ保障は継続されます。一方で、保障金額が減額されるなどのリスクも考えられるため、変更する前にはしっかりと検討するようにしましょう。

払済保険のメリット・デメリットを比較して、自分にとってメリットが大きいと感じた際には変更も視野に入れて考えるのがおすすめです。

出典

国税庁 No.1140 生命保険料控除

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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