ママ友が「高額療養費制度があるから保険は入らなくてよい」と言っているのですが本当でしょうか?
配信日: 2024.03.30
本記事では、高額療養費制度とは具体的にどのような制度か、生命保険に加入しなくて大丈夫なのかについて解説します。生命保険に加入すべきか迷っている人は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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高額療養費制度とは
高額療養費制度は、医療機関および薬局でひと月に窓口負担した額が上限を超えた場合、超えた分の金額がのちに支給される制度です。上限額は、年齢や収入によって変わります。高額療養費制度があることで、多額の医療費がかかっても負担をおさえられるでしょう。
本項では、高額療養費制度の上限額や合算できないケースについて解説します。
高額療養費制度の上限額
高額療養費制度の毎月の上限額を図表1で見ていきましょう。ここでは、加入者が69歳以下の場合の所得水準別に紹介します。
【図表1】
所得水準 | 世帯ごとのひと月の上限 |
---|---|
年収約1160万円~ | 25万2600円+(医療費-84万2000円)×1% |
年収約770~1160万円 | 16万7400円+(医療費-55万8000円)×1% |
年収約370~770万円 | 8万100円+(医療費-26万7000円)×1% |
年収~約370万円 | 5万7600円 |
住民税非課税者 | 3万5400円 |
※厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をもとに筆者作成
たとえば、69歳以下で年収350万円の人が月の医療費に10万円かかったとしても、5万7600円を超えた分はあとで戻ってきます。
複数の医療機関・薬局を利用していても、同月内であれば合算は可能です。合算によって上限額を超えた場合は高額療養費制度の対象となります。
合算できないケース
高額療養費制度は、違う医療機関の窓口で医療費を負担しても、同月内であれば合算は可能です。しかし、以下のように同じ医療機関であっても合算ができないケースがあります。
・入院と外来
・医科と歯科
ただし、1回の窓口負担が2万1000円以上の場合(70歳以上の人は額を問わず)は合算可能です。また、同じ健康保険に加入していれば世帯内合算もできます。
高額療養費制度があっても生命保険に加入するメリット
高額療養費制度があることで、生命保険に加入しなくても医療費負担はおさえられると言えます。「生命保険は不要」と思う人も多いでしょう。しかし、高額療養費制度があれば十分なのか、生命保険に加入していた方がよいのかは、人それぞれ違います。
本項では、生命保険に加入するメリットについて解説します。自分にとって生命保険が必要であるか、検討する際の参考にしてください。
高額療養費制度の対象外の費用をまかなえる
高額療養費制度は、以下の費用などが対象外です。
・差額ベッド代
・入院時の食事
・先進医療
・自由診療
生命保険の給付金があれば、これらの費用をまかなう際に活用できます。
早めに保険金を受け取れる
高額療養費制度は、一度窓口にて医療費を支払い、限度額を超えた分が戻ってくる仕組みで、支給までは少なくとも3ヶ月程度かかります。支給されるまでは、自分の貯蓄等でまかなわなくてはなりません。
一方生命保険の場合、給付金振り込みまでは申請手続き完了から原則5営業日以内であることが多いため、比較的すぐにお金が手元に入ります。なお給付金の申請手続きのためには、必要な書類を入手して記入したり病院の診断書をそろえて提出したりする必要があります。書類作成のための時間がかかる点に注意しましょう。
高額療養費制度があっても必要と感じたら生命保険加入しよう
高額療養費制度があれば、ひと月の医療費の上限をオーバーした分は後日支給されます。そのため、生命保険に加入していなくても医療費をカバーできるケースもあるでしょう。
しかし、高額療養費制度の対象外部分もある上、窓口で一度はすべての医療費を負担しなくてはなりません。生命保険に加入していれば負担をおさえられることもあるため、メリットを感じたら生命保険への加入を検討しましょう。
出典
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
生命保険文化センター 保険金・給付金の請求から受取りまでの流れ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー