会社を辞めてしばらく休養したいです… このような理由でも失業手当はもらえますか?
配信日: 2024.04.27
失業手当の有無によって、生活費など離職後の計画が大きく変わる可能性もあります。本記事では、失業手当の受取条件や注意点について詳しく解説します。退職を検討している方や失業手当に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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失業手当を受けるには積極的な求職活動が必要
「失業手当」を受給するためには、ハローワークで求職の手続きを行い、「就職に積極的な意思がありながらも就職できない状態である」必要があります。
そのため、会社を辞めて休養したいと考えている場合は、就職への積極的な意思がないとみなされ、失業手当の受給ができない可能性があるため注意が必要です。失業手当の受給要件や受給額などの詳細について、以下で詳しく見ていきましょう。
失業手当(失業保険)とは
失業手当(失業保険)は、求職者が再就職をするにあたって、安定した生活を維持できるように給付される手当のことです。失業手当の正式名称は「基本手当」で、「失業保険」や「失業給付金」とよばれることもあります。
一定期間、失業手当を受けることで、求職者は安心して求職活動に取り組むことができます。
失業手当(失業保険)の受給要件と受給期間
失業手当の受給要件は、以下のとおりです。
1. ハローワークで求職の申し込みを行い、就職の意思はあるものの失業状態であること
2. 離職した日以前の2年間に12ヶ月以上の被保険者期間があること
なお、妊娠や出産、病気、けがなどですぐには就職できない場合は、失業手当を受け取れません。また、入社後1年などで退職し、被保険者期間が12ヶ月に満たない場合は失業手当の対象外になります。
ただし、倒産や解雇などによる失業(特定受給資格者)や労働契約が更新されなかった人(特定理由離職者)などの場合は、離職日以前の1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があれば対象になります。
失業手当の受給期間は、通常、離職日の翌日から1年間です。しかし、受給期間内に妊娠・出産、病気・けがなどの理由で30日以上働けなくなった場合は、受給期間を最大3年間延長できます。
失業手当(失業保険)の受給額
失業手当の受給額(基本手当日額:1日あたりの受給額)は、離職日の前6ヶ月間の給与総額を180で割った金額(賃金日額)の約50~80%となります。60~64歳の場合は、約45~80%です。基本手当日額は、年齢に応じて上限額が異なります。詳細は、図表1のとおりです。
【図表1】
30歳未満 | 6945円 |
30歳以上45歳未満 | 7715円 |
45歳以上60歳未満 | 8490円 |
60歳以上65歳未満 | 7294円 |
※厚生労働省 ハローワークインターネットサービス「基本手当について」より筆者作成
「特定理由離職者」の場合は失業手当(失業保険)を受けやすい
特定理由離職者に該当する場合は、通常よりも失業手当を受けやすくなります。特定理由離職者とは、次のような方を指します。
・体力不足や心身障害、疾病などが原因で離職した方
・妊娠・出産、育児などで離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた方
・親の看護が原因で離職した方
・配偶者や扶養親族との別居生活の維持が困難となり離職した方
・結婚や子どもの保育所などが理由で通勤が困難となり離職した方
特定理由離職者の場合は、離職日以前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があれば、失業手当を受けることが可能です。ただし、特定理由離職者に該当するかどうかはハローワークで判断されますので、早めに相談することをおすすめします。
失業手当(失業保険)の注意点
失業手当の主な注意点は、以下のとおりです。
<必ず受給できるわけではない>
前術のとおり、失業手当を受けるには「ハローワークで求職の申し込みを行い、就職の意思はあるものの失業状態であること」といった条件を満たす必要があります。そのため、離職した場合でも就職の意思がないとみなされ、失業手当を受け取ることができない可能性があるため注意が必要です。
<自己都合退職の場合は受給開始までに時間がかかる>
また、自己都合退職と会社都合退職の両方とも、ハローワークでの求職申し込み後に7日間の待機期間が設けられています。さらに、自己都合退職の場合は、待機期間終了後にさらに2~3ヶ月の給付制限期間があります。そのため、会社都合退職と比べて失業手当を受け取るまでに時間がかかることがあるので注意してください。
会社を辞める場合は失業手当(失業保険)を忘れないようにしよう!
失業手当を受給するには一定の条件を満たす必要があり、就職の意思がない場合は失業手当を受け取れない可能性があります。
退職を考えている方は、事前にハローワークなどに相談し、失業手当の有無や条件を確認することをおすすめします。失業手当をもらえるかどうかは、生活費など離職後の計画が大きく変わる可能性もあるため重要です。早めに、ハローワークなどで確認してみてください。
出典
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当について
厚生労働省 雇用保険制度 Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー