クレジットカード保険の活用を考えよう! ~海外旅行に行くなら注意したいこと その3

配信日: 2018.12.14 更新日: 2019.01.10

この記事は約 4 分で読めます。
クレジットカード保険の活用を考えよう! ~海外旅行に行くなら注意したいこと その3
これまでの記事で、海外旅行における大きなリスク「海外旅行中における傷害・疾病事故の費用」をどう保険でカバーするかについて考えてきました。
 
最終回である今回は、クレジットカード保険でこれらのリスクをカバーする方法を考えてみたいと思います。
 
浦上登

Text:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

クレジットカード保険を考える

海外旅行保険には、一般的な任意保険だけでなく、クレジットカードに付帯するものがあります。
 
クレジットカード保険の治療・救援費用は100万円から200万円程度のものが一般的です。
 
これだけでは少ないのですが、年会費無料のクレジットカードを複数組み合わせて、起こりうるリスクをカバーするように設計することができます。
 
この場合、それぞれのカードの補償限度額を加算したものが最終的な補償限度額になるので、ある程度の費用がかかった場合でも対応できるのです。
 
以下の表をご覧ください。
 
年間手数料無料のクレジットカードを使ってどこまで補償を拡大できるか、一例として提示してみました。
 

 
上記の表についての説明と注意点は主に5つあります。
 
1.クレジットカード保険では、持病・既往症を補償する保険はありません。
 
そのため、持病や既往症のあるシニアの方向きではありません。
 
持病・既往症の補償が欲しければ、その2(前回の記事)でも紹介した「持病・既往症の補償付きの保険」をパッケージで買うほうがよさそうです。
 
2.補償限度額
 
○傷害死亡・傷害後遺障害は、クレジットカード付帯保険では補償額が積算されず、最大補償額の会社の金額が補償額となります【合成新保険(1)】。
 
ただし、クレジットカード付帯保険と任意保険を組み合わせた場合は、両者の合計額が最終補償額となり【合成新保険(2)】、かつ保険事故があった場合は定額払いなので、最終補償額が支払われます。
 
○その他の補償項目は、クレジットカード付帯保険、任意保険ともすべての補償額を積算した金額が最終補償額となります【合成新保険(2)】。
 
ただし、保険事故があった場合は実損払いなので、実際に支払った金額が保険金として支払われますが、実際に支払った金額が最終補償額を超えた場合は、最終補償額が限度となります。
 
3.自動付帯・利用付帯
 
自動付帯とは、カードに加入するだけで保険が付帯されるものをいいます。
 
利用付帯とは、カードに加入し、かつ、そのカードで旅行費用を支払うことで保険が付帯されるものをいいます。
 
ただし、楽天カードの場合は、自宅から空港までの交通費の一部、例えば、電車賃、モノレール代、タクシー代をカードで払えば利用付帯とみなされます。
 
4.上記表にあげた一例では、カード年間手数料が無料であるだけではなく、最終的な補償をする保険会社が同一の会社(この場合は三井住友海上)になるような組み合わせを選びました。
 
そうすることで、保険求償の段階で、窓口も保険者も1つとなり、手間もリスクも1社にかけた保険と同じになります。
 
もし、保険会社が分かれた場合でも、補償金額の大きな保険会社が窓口になって、ほかの保険会社でカバーする分も対応してくれるので、契約者にとっては1社で保険をかけた場合とほとんど変わりません。
 
5.また、クレジットカード保険といっても、クレジットカード会社が保険金の支払いを保証するのではありません。
 
通常、上記のような大手損保会社が保険者になっているので、大手損保会社が保険者になっているカードを選べば、保険求償の際も心配はいりません。
 
これで傷害治療・救援費用で 1100万円(600万円+500万円)、疾病治療・救援費用で1170万円(670万円+500万円)の補償限度額が確保されました。
 
求償額が補償限度額以内であれば全額【合成新保険(1)】、もし求償額が補償限度額を超えていれば、補償限度額まで保険金が支払われます。
 
これが無料で手に入ることになります。
 
しかも、クレジットカードに加入している限り、何度でも使うことができます。
 

さらに限度額を増やしたいときは?

「それだけでは心配だ。さらに限度額を増やしたい」という方の場合は、クレジットカード付帯保険だけではなく任意保険でさらに補償額を増やすことができます。
 
上記の例では、フリープランの保険で、治療費用、疾病費用、救援費用をそれぞれ500万円、2000万円、500万円ずつ増やしています。
 
これだけ増やせば最悪の場合にも備えられるというわけです【新合成保険料(2)】。
 
それでも費用は3770円で済むことになります。
 

まとめ

いかがでしょうか?
 
海外の医療費は高いということから始めて、海外旅行保険の効率的なかけ方について検討してきました。
 
ポイントは次の通りです。
(1)治療・救援費用の補償をできるだけ大きくしたほうがよい。
(2)持病や既往症のある方は、そのリスクを一定程度でも補償する保険を考えたほうがよい。
(3)持病や既往症を考慮しなければ、クレジットカード保険を無料でかける選択肢もある。
 
いろいろ検討したことで、みなさんの選択肢も広がったと思います。
 
あとは、ご自分の事情と考え方にあった保険を選ぶことを考えてみてください。
 
Text:浦上 登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集