自分を守るための補償はどれ? 任意自動車保険の選び方
配信日: 2019.01.16 更新日: 2019.07.03
加入している自動車保険の補償内容をよく理解しておかないと、いざという時に「こんなはずじゃなかった!」ということにもなりかねません。事故の相手が任意保険に加入していないというケースも考慮して、自分を守るために必要な補償を確認しておきましょう。
執筆者:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー
大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務。子育て中の2006年にCFP資格を取得、FPとして独立。「ライフプランニング」をツールに教育費や保険、住宅ローンなど家計に関する悩みを解決することが得意です。
任意保険に加入していない「無保険車」も意外と多い?
任意自動車保険の対人賠償保険は、他人を死傷させ損害賠償責任が生じた場合に無制限で補償をしてくれるものです。自動車を運転する場合に無くてはならない補償といえるものですが、未加入で運転を続ける人が意外と多いといわれています。
任意保険に加入していても対人賠償保険をつけていないこともあるほか、いわゆる「無保険車」の可能性もあるということです。自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、強制保険と言われるように、法律により加入が義務づけられています。
被害者救済を目的とする保険で、補償される限度額は「相手側」が死亡の場合で3,000万円、後遺障害の場合は4,000万円、怪我の場合は120万円(いずれも1人あたりの金額)となっています。
「自分」や車両などの物への補償はありませんので、相手が任意保険に加入していない場合も考慮して、自分の身を守るための任意保険選びが必要となります。
「自分の身を守る」任意自動車保険の補償は?
事故の相手が自賠責保険だけで任意保険に加入していなかった場合、十分な補償が受けられない可能性があるとなると心配です。このような場合、自分の任意自動車保険の「人身傷害保険」や「無保険車傷害保険」等で自分の身を守ることができます。
・人身傷害保険
保険に加入している被保険者およびその家族、契約車の搭乗者が対象です。示談交渉の結果を待たずに、過失割合にかかわらず治療費や休業による損害に対し「実損額」が補償されます。
保険金は無制限にすることもでき、保険者とその家族については、契約している車以外で起きた自動車事故なども補償することが可能です。
・搭乗者傷害保険
人身傷害保険と同様、加入している被保険者およびその家族、契約車の搭乗者が対象です。入通院日数や後遺障害の程度に応じて、契約時に決めた定額の保険金額が支払われます。
・その他
無保険車との事故により死亡・高度障害状態になった場合の「無保険車傷害保険」や、あて逃げをされた場合の「車両保険」も、自分を守るために有効です。「弁護士費用特約」もあると安心です。
補償内容を理解して保険を選ぼう
自動車保険の補償内容は違いがわかりにくく、あまりよくプランを検討せずに加入しているかもしれません。しかし、相手が無保険車だったり、十分な任意保険に加入していなかったりする場合も考慮し、自分を守るための補償も含めて任意自動車保険を選びましょう。
執筆者:福島佳奈美(ふくしま かなみ)
DCアドバイザー