「マイナ保険証」に切り替えても、前の保険証は捨てないで!「破棄してはいけない理由」を解説

配信日: 2025.01.16

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「マイナ保険証」に切り替えても、前の保険証は捨てないで!「破棄してはいけない理由」を解説
2024年12月からこれまでの保険証は新規発行されなくなり、健康保険証はマイナンバーカードを基本とする仕組み「マイナ保険証」へと移行が進められているのは、ご存じの人が多いのではないでしょうか。
 
従来の保険証からマイナ保険証に切り替えることで、手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除され、本人の同意があれば薬の処方歴などのデータを正確に把握しながらより良い医療が受けられるほか、現場で働く人の負担も軽減できるなどのメリットがあります。
 
ただ、ここで注意すべきポイントは、マイナ保険証へ移行しても「健康保険証は捨てないほうがいい」ということです。本記事では、マイナ保険証に移行しても、これまでの保険証を破棄してはいけない理由を説明します。

マイナ保険証が使えない医療機関がある

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認について、令和5年4月から保険医療機関・薬局においてシステム導入が義務付けられ、令和6年8月時点で全体の約97%で導入されています。
 
しかし、システム導入が完了している医療機関でも、「オンライン資格確認ができない」「名前や住所などの情報が●印で表示される」などのトラブルがあったと報じられています。
 
全国保険医団体連合会が発表した「2024年5月以降のマイナ保険証トラブル調査」によると、約1万2700の医療機関のうち「マイナ保険証、オンライン資格確認のトラブル・不具合があった」と答えたのは全体の70.1%にも達しました。
 
その中で「カードリーダーの接続・認証エラー」が52.9%に上りました。ほかにも通信回線の不具合、サーバーダウンなどで数時間マイナ保険証での受付ができないなど、さまざまなトラブルが出ているようです。
 
このようなマイナ保険証によるトラブルは、従来の健康保険証を併用していれば解決できる問題も多いようで、約1万2700の医療機関のうち73.9%の医療機関が「保険証は残すべき」と回答しています。
 

新規発行だけでなく、再発行もできない

健康保険証を捨ててはいけない理由のもう1つが、「再発行ができない」という点です。2024年12月2日以降は従来の健康保険証が発行されなくなり、自分で廃棄しただけでなく、意図せず紛失してしまった場合も同様に再発行は不可能になります。
 
現時点でシステム根幹のトラブルに関しては、ゼロになるということはなかなか厳しいように思えます。
 
調査によると、トラブル時に健康保険証が手元にない場合、いったん10割負担(無保険扱い)を求められた場合もありました。
 

最後に

マイナ保険証によるシステムのトラブルや、一時的とはいえ病院でマイナ保険証が読み取れないなどのトラブルの可能性を考えると、健康保険証は手元に残しておくべきでしょう。
 
現時点では「健康保険証の廃止の延期」や「健康保険証は残すべき」という意見があるのも事実です。
 
今後マイナ保険証のシステムが安定するまでは、余計な手間が発生しないように、これまでの健康保険証は自宅に大切に保管しておいたほうがいいかもしれません。
 

出典

全国保険医団体連合会 5月以降のマイナ保険証トラブル調査(1万2700医療機関) 88%が保険証「存続を」 トラブル70%が経験
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問
 
執筆者:本条アカネ
FP2級

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