友人は「処方薬の方が安いから」とちょっとした風邪でも病院にかかっています。「診察代」などを考えたら「市販薬」の方が安いと思うのですが…。

配信日: 2025.02.14

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友人は「処方薬の方が安いから」とちょっとした風邪でも病院にかかっています。「診察代」などを考えたら「市販薬」の方が安いと思うのですが…。
気温が下がり乾燥しやすい冬は、風邪にかかりやすい季節です。ときにはインフルエンザや新型コロナウイルスに感染してしまい、つらい思いをするケースもあります。また、風邪をひいてしまった際、病院にかかるか市販薬で対処するか、悩む方もいることでしょう。
 
なかには、市販薬より処方薬の方が安いとの理由で病院にかかる方もいるようです。実際のところ、市販薬と通院ではどちらの方が治療費を抑えられるのでしょうか。当記事では、市販薬と通院のコストを比較してみたいと思います。
FINANCIAL FIELD編集部

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病院にかかった場合、風邪の治療費は3割負担で「2000円程度」がひとつの目安

東京都内のとある医療機関によると、風邪をひいてしまい診療時間内に内科を受診した場合、以下のような治療費がかかるそうです。
 

・初診料:1割負担270円、3割負担810円
・処方箋料:1割負担70円、3割負担200円
・合計:1割負担340円、3割負担1010円

 
一般的な風邪の場合は、院外処方の調剤薬局でかかる薬代も「1000円程度」といわれているため、風邪で病院にかかった場合の治療費は3割負担で「2000円程度」がひとつの目安ということになります。
 
なお、症状によってはレントゲンや採血などの検査が必要な可能性もあり、上記の医療機関によれば以下のような追加の費用が発生するケースもあるため注意が必要です。
 

・胸部レントゲン:1割負担210円、3割負担630円
・採血検査:1割負担630円、3割負担980円
・PCR検査:1割負担1000円、3割負担3000円
・抗原検査:1割負担500円、3割負担1500円

 

市販の総合感冒薬は「1000~2500円程度」

一方、とあるドラッグストアのオンラインショップで総合感冒薬の価格を調べたところ、表1のような結果となりました。
 
表1

価格(税込み) 1錠あたりの価格 3日間の薬代
(15歳以上の場合)
総合感冒薬A 1027円/30錠 約34円 約918円/27錠
総合感冒薬B 1518円/36錠 約42円 1518円/36錠
総合感冒薬C 1669円/30錠 約56円 約1008円/18錠
総合感冒薬D 1958円/24錠 約82円 1958円/24錠
総合感冒薬E 2508円/36錠 約70円 約1680円/24錠

※筆者作成(2025年2月時点)
 
表1の結果より、市販の総合感冒薬は「1000~2500円程度」ということが分かりました。一般的な風邪の場合、2〜3日程度薬の服用を継続すると、症状の改善がみられるそうです。そのため、1錠あたりの価格から「3日間の薬代」を算出すると、「1000円~2000円程度」の薬代がかかる計算となります。
 
上記の結果から、風邪をひいてしまった際に市販薬で対処する場合、廉価な薬だと通院の半額程度、高価な薬だと通院と同等程度の治療費が必要なことも分かりました。
 

病院は「医師の専門的な処方」を受けられるのが大きなメリット

場合によっては治療費を抑えられる市販薬ですが、「医師の専門的な処方」を受けられるのは病院の大きなメリットです。
 
例えば、発熱が続いた場合、自己判断で市販薬の総合感冒薬を購入して服用しても、発熱の要因によっては症状が改善しない可能性があります。特に、冬場はインフルエンザや新型コロナウイルスも猛威を振るっているため、安易な自己判断は非常に危険です。
 
一方で病院であれば、医師の専門的な立場から的確な診察および処方を受けられます。症状によっては、レントゲンや採血といった精密検査を受けることも可能です。特に、以下のような症状がみられる場合は、自己判断で治そうとせずに早めに医療機関を受診しましょう。
 

・38度以上の高熱が3日以上続く
・強い息苦しさや呼吸困難の症状がみられる
・深呼吸をするときに胸が痛む
・意識がもうろうとし、ふらつきや混乱がみられる
・食べ物や水を受け付けず、何度も嘔吐(おうと)してしまう
・激しい頭痛や喉の痛みがあり、症状が悪化している
・脱水症状がみられる

 

市販薬を買った場合は「セルフメディケーション税制」の適用申請をお忘れなく

一定額以上の市販薬を買った場合は、「セルフメディケーション税制」の適用を申請しましょう。
 
国税庁によると、「セルフメディケーション税制」とは、健康の保持増進および疾病の予防として、健康診断の受診など一定の取り組みを行っている方を対象に、その年中に自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために1万2000円を超える対象医薬品を購入した場合に所得控除を受けられる医療費控除の特例です。
 
会社員や公務員の方も、年末調整とは別に確定申告を行わなければなりませんが、控除申告をすることで、1万2000円を超えた部分(8万8000円を限度)について所得控除を受けられます。
 

まとめ

今回は風邪をひいてしまった場合の治療費について解説しました。薬の種類によっては市販薬の方が治療費を抑えられますが、医師の専門的な処方を受けられるのは病院の大きなメリットです。「高熱が3日以上続く」などの症状がみられる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
 
また、一定額以上の市販薬を購入した場合は、条件を確認し、「セルフメディケーション税制」の適用申請も忘れずに行いましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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