守るべき家族が増えた=保険の見直し 保険を考える場合のポイント
配信日: 2019.03.05 更新日: 2019.06.19
子どもが生まれたタイミングで、保険を考える場合のポイントを紹介します。
執筆者:伊達寿和(だて ひさかず)
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員
会社員時代に、充実した人生を生きるには個人がお金に関する知識を持つことが重要と思いFP資格を取得。FPとして独立後はライフプランの作成と実行サポートを中心にサービスを提供。
親身なアドバイスと分かりやすい説明を心掛けて、地域に根ざしたFPとして活動中。日本FP協会2017年「くらしとお金のFP相談室」相談員、2018年「FP広報センター」スタッフ。
https://mitaka-fp.jp
子どもの誕生は保険の見直しのタイミング
保険と聞いて、生命保険を思い浮かべる人も多いでしょう。生命保険はあらかじめ保険料を負担して、万が一のことがあった場合に給付を受けるものです。
人生にはさまざまなリスクがあります。とくに、家族の収入を支えている人が亡くなると、残された家族は生活が困難になる場合があります。その経済的なダメージは、大きいものです。
万が一のことがあった場合の影響は、そのときの状況で異なります。子どもがいない家庭と子どもがいる家庭でも、その影響は異なります。子どもが成長するまでは、親が日常生活や教育など、子どもの世話をしなければなりません。そのために必要な金額も異なります。
保険を見直すきっかけはさまざまです。子どもの誕生は、万が一に備える必要性が増すため、保険を見直すタイミングでしょう。将来、子どもが社会人になって独立するときも同様です。家族構成が変わるという点で、保険を見直すタイミングです。
加入した保険はそのままにせず、家庭の状況に合わせて見直しましょう。
まずは万が一に備える生命保険
子どもが生まれたら、まずは万が一に備える生命保険を見直しましょう。
万が一、配偶者が亡くなった場合は、ひとりの収入で家族の生活費と子どもの教育費をやりくりする必要があります。また、最近は共働きの家庭も増えています。共働きの家庭の場合は、夫の場合と妻の場合の両方を考えるとよいでしょう。
保険の加入を考えるときは、公的年金や各種手当も考慮しましょう。子どもが18歳(3月31日時点)に達するまで「遺族基礎年金」が支給されます。
さらに、配偶者が厚生年金に加入している場合は「遺族厚生年金」が支給されます。また、地方自治体からはひとり親が対象の「児童扶養手当」が支給されます(いずれも所得制限があります)。
必要な生活費についても考えてみましょう。子どもの世話を他の人や施設に頼まなければならない場合は、支出が増えるかもしれません。一方で、日常の生活費はこれまでよりも少なくなるでしょうし、住まいが賃貸の場合は家賃を下げることもできるでしょう。
今ある現預金の残高も考えて、もし不足する場合は生命保険への加入を考えてはいかがでしょうか。
子どもが起こしてしまうトラブルに個人賠償責任保険
子どもが起こしてしまうトラブルにも備えておきたいですね。
子どもがやんちゃな時期は注意が必要です。行ったお店で商品を手に取ったときに、過ってお店の商品を壊してしまった。走り回っていたら、他人にぶつかってケガをさせてしまった。ボール遊びをしていたら、近くに家の窓ガラスを割ってしまった。
さまざまなケースが想定されますが、損害賠償責任を負う場合に備えましょう。個人賠償責任保険は、これらのトラブルや事故をサポートします。個人賠償責任保険はひとつの保険で家族が起こした事故をサポートしますので、家族のひとりが加入しておけばよいでしょう。
また、個人賠償責任保険は損害保険の特約になっている場合が多いです。火災保険や自動車保険、傷害保険などに加入している場合は、そのどれかの特約としてセットしておきましょう。
子どもが生まれたときに検討したい保険について紹介しました。保険は「もしも」のことがあったときの、経済的なダメージに備えるものです。必要なものだけ、無駄なく加入したいですね。
出典:公益財団法人 生命保険文化センター 知っておきたい生命保険の基礎知識
日本年金機構 遺族年金について
厚生労働省 児童扶養手当について
一般社団法人 日本損害保険協会 個人賠償責任保険
執筆者:伊達寿和(だて ひさかず)
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員