生涯で2番目に高い買い物「生命保険」30代になったら考える生命保険の選び方を徹底解説
配信日: 2019.04.02 更新日: 2019.06.14
そこで、30代のあなたにとって必要な生命保険と、合理的な保険の選び方について紹介します。
執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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目次
生命保険の目的は? 生命保険にはどのような種類があるの?
生命保険は、人の生死にかかわるまさかの事態が生じた時に必要な資金を工面することを目的として利用されています。
また、生命保険の種類には、老後の生活費に備える個人年金保険、ケガや病気に備える医療保険やがん保険、そして、世帯主が死亡した時の家族の生活費や教育費に備えるいわゆる生命保険や収入保障保険等があります。
ここでは、死亡保障や収入保障を目的とした生命保険に限定してお話しします。
万一の備えは、公的保障、資産・収入、生命保険の3段構えで考えよう
わが国の社会保障制度には、全国民が加入する健康保険制度、一定の年齢以上の国民が加入する年金保険制度や介護保険制度があります。また、労働者は、労働保険(雇用保険と労務災害補償保険)でも守られています。
したがって、万一の備えを考える時には、これらの公的保障制度をよく理解しておくことが必要です。世帯主が死亡した時の公的保障制度は、主として遺族年金制度になります。
万一の時に使える資金としては、その時点までに蓄えた預貯金等の金融資産や、その時点以降配偶者が働いて得られる給与収入等を充てることもできます。
公的保障や資産・収入で賄えない分を、生命保険会社等が提供する生命保険で補うことを考えましょう。
30代では多くの人が人生の節目を迎える
多くの人は、30代で結婚し、出産するなど人生の節目を迎えます。そして、親として世帯主として家族を養い、子供を育てる責任が生まれます。そこで、世帯主に万一の事態が生じた場合でも、残された家族が路頭に迷わなくても済むように備える必要があります。
そのためには、万一の事態が生じた以降、残された家族の基本生活費や教育費等の支出見込額と、遺族年金や配偶者が働いた場合の給与収入などの準備可能資金を見積もり、その差から生命保険で補う必要のある必要保障額(下図参照)を求める必要があります。
必要保障額は、年々刻々変化します。結婚と出産に伴って増え、年を経るごとに減少します。
下のグラフは、30代の会社員の夫と専業主婦の夫婦に子供3人が誕生した場合の、必要保障額の変化とその額を満たす保険に加入した場合の死亡保険金額を表しています。
なお、独身者で扶養している両親等が無い場合には、必要保障額という考え方は成立しません。したがって、独身者の場合は、死後の整理資金や親に残す資金等を基に死亡保険金額を考えると良いでしょう。
生命保険の仕組みと選び方教えます
生命保険には、一定の保険期間内に死亡した場合に死亡保険金を受け取ることのできる定期保険、死亡した時に死亡保険金を受け取れる保障が一生涯続く終身保険があります。
また、定期保険の満期時に生存している場合に、死亡保険金額と同額の満期保険金受け取ることのできる養老保険の3種類があります。(下図参照)
同額の保険料でこの3種類の保険に契約した場合、死亡保障額が格段に多い保険は定期保険になります。次いで終身保険、一番少ないのが養老保険になります。したがって、結婚、出産に伴って多額の必要保障額を必要とする場合は、定期保険を利用すると良いでしょう。
また、収入保障保険とは、一定の期間内に死亡した場合に、死亡時点以降保険期間が満了するまで年金を受け取ることができる保険で、定期保険を保険期間年数分積み重ねたものと考えることができます。(下図参照)
ところで、収入保障保険と聞くと、働くことができなくなった時の給与収入を保障する保険と考えがちですが、あくまでも死亡した時の保障を年金で提供する保険です。
したがって、保障額を考える時は、現在の給与収入額から決めるのではなく、必要保障額から決めることが大切です。
なお、収入保障保険はもちろん、定期保険、終身保険、養老保険には、一定の高度障害の状態になって働くことができなくなった場合には、死亡時と同額の年金や保険金を受け取ることができる保障がついています。
まとめ
30代は、結婚や出産等、人生の節目を迎える年代です。そして、一家の主として、家族を養う責任を果たすためには、万一の事態に備えて必要保障額を満たす生命保険に加入することを考えましょう。
その際には、大きな保障を比較的安価な保険料で得ることのできる定期保険や収入保障保険を利用すると良いでしょう。
執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士