ペットは家族も同然。それでも、ペット保険は本当に必要なのか
配信日: 2019.04.08 更新日: 2023.09.06
イザというときに困らないための選択肢として、ペット保険の加入を検討してはいかがでしょうか?
執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。
治療費は全額自己負担
日本では国民皆保険制度と言って、すべての国民が何らかの公的な医療保険に加入することとされています。私たちは公的な健康保険や国民健康保険、共済組合等に加入しているため、病院で受診しても実際にかかった治療費の3割支払えばよいとなっています。
一方、ペットの場合には、このような制度はありません。全額自己負担をしなければならず、明確な基準があるわけでもないのです。
「動物にそんなにお金はかからないのでは?」と思うかもしれませんが、実際に受診して高額な請求金額に驚いたという話は少なくありません。
日本獣医師会では平成26年12月22日(月)から平成27年2月21日(土)の期間、小動物診療施設の開設者を対象にWEBを通じて、犬と猫の診察料のアンケート調査を実施しました。その結果が図表(1)になります。
とはいえ、これらの金額はあくまでも相場です。診察内容や治療方法、ペットの年齢、容態によっても違いがあります。自分が利用する動物病院や最寄りの動物病院ではいくらかかるのか、調べておくことが大切です。
ペットの万一に備えよう
動物病院の多くが、治療費の支払いをクレジットカードでも可能としていますので、手持ちがなくても支払いはできます。しかし、請求額が減額になるわけではありません。スムーズかつ思う存分治療を受けさせるためには、対策を講じる必要があります。
預貯金でコツコツと準備するという方法もありますが、ペットにいつ、どのような事態が生じるかは誰にも分かりません。イザというときに備えるためには、ペット保険に加入することが得策でしょう。
私たちが加入できる民間の医療保険と同等とは言えませんが、ペット保険を取り扱う会社は広がりを見せています。保険の仕組みは人間の医療保険と同じく、加入年齢が設定され、治療にかかった費用の一部もしくは全額を支払ってくれるというものです。
加入できる年齢は会社ごとに異なり、おおむね0歳以上9歳未満で設定されています。保険料は補償内容に比例して変わってきますし、月払いよりも年払いの方が割安になっています。
保険を選ぶ場合には、保険料はもちろんのこと、補償割合は何%か、補償限度額はいくらか、限度日数は何日あるのかを確認して比較しましょう。
病気にさせないことも重要
イザというときのためにペット保険に加入することは大切なのですが、それ以上に大切なのは、かわいいペットを病気にさせないことです。
それには、毎日の食事に気をつける、定期的に運動して成人病の予防をする、大切にしていることを分からせてあげるためにも話しかけてあげる、などといったことが不可欠です。
ペットと言えども、現代社会で生きるのはストレスがたまります。上手にストレスを解消させてあげることは、飼い主の義務とも言えます。
近年では、ペットの同伴可能な宿泊施設も多くなってきました。かわいいペットと一緒に、リフレッシュの旅に出かけるのも良いのではないでしょうか。
ペットは大切な家族です。常日頃から気を配り、愛情をかけてあげることが、何よりも大切だということを忘れてはなりません。
出典
公益社団法人日本獣医師会「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査 調査結果(平成27年6月)」
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト