事故で運ばれて「緊急入院」!貯金がなくて「治療費」が払えませんでした…「高額な医療費」に備えるための「公的制度」とは?
本記事では、入院費の内訳や入院時の支払いが難しい場合の対応策について解説します。医療費に関する制度について知りたい方や入院時に金銭面で不安を感じる方は、ぜひ参考にしてください。
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入院費用の内訳
入院費用には、公的医療保険が適用される項目と適用されない項目があります。入院費用の内訳について表1にまとめました。
表1
| 公的医療保険適用 | あり | なし |
|---|---|---|
| 自己負担割合 | 3割 | 全額 |
| おもな費用 | 治療費、入院基本料 | 差額ベッド料、食費、日用品や消耗品費、先進医療費、自由診療費など |
※筆者作成
表1の入院費用の中で治療費と入院基本料は保険適用となり、差額ベッド料や食費、日用品や消耗品費、先進医療費、自由診療費などは保険適用外となります。
入院基本料とは、入院の際に行われる基本的な医学管理、看護、療養環境の提供にかかる費用です。また、差額ベッド料とは、個室や少人数部屋を希望した場合にかかる費用です。現在、入院食の自己負担額は一般所得者で1食当たり490円となっています。
入院時の着替えや洗面用具、入浴用品、飲料、テレビ視聴カードなどの日用品や消耗品費もかかるため、日数が長くなるほど入院費は高額になりやすいでしょう。さらに、先進医療や自由診療を受ける場合は、治療費が高額になります。
入院費用の支払いが難しい場合の対応策
入院費用の支払いが難しい場合の対応策について解説します。自分に合った方法を見つけるために、ぜひ参考にしてください。
入院時に病院へ分割払いできるか相談する
入院費用の支払いが難しい場合は、分割払いができるか病院へ相談するとよいでしょう。病院にある支払いに関する相談窓口へ相談することで、支払日を延長できる場合もあります。
入院費の支払いの相談は、入院が決まったタイミングや退院前にしておくことが大切です。
公的制度「高額療養費制度」や「高額療養費貸付制度」を利用する
高額療養費制度は、保険診療での自己負担額が1ヶ月の上限額を超えた金額が払い戻される制度です。
上限額は、加入者の所得や70歳以上と69歳以下の年齢によって分けられ、70歳以上の場合は外来診療の上限額も設定されています。なお厚生労働省によると、1年以内に上限額に達する回数が多い場合は、4回目から多数回該当となり、さらに上限額が下がります。
ただし、保険診療外の差額ベッド料や食費、先進医療にかかる費用などは、高額療養費の対象とならないため、注意してください。
また、高額療養費は、申請後に各医療保険で審査が行われるため、支給開始には受診から約3ヶ月かかります。そのため、支払いが困難な場合は高額療養費が支給されるまで無利子で借りられる高額療養費貸付制度を活用するとよいでしょう。
貸付金の限度や制度利用の可否は加入する保険によって異なるため、各保険組合にお問い合わせください。
入院費用が支払えない場合は分割払いや公的制度を検討しよう
入院すると治療費や入院基本料のほか、保険適用外となる差額ベッド料、食費、日用品や消耗品費、先進医療費、自由診療費などがかかります。入院日数が長くなるほど入院費は高額になりやすいため、支払いが難しいときは、分割払いの相談や公的制度の利用を検討するとよいでしょう。
高額療養費制度では、申請から支給まで約3ヶ月かかるため、その間の支払いは無利息でお金を借りられる高額療養費貸付制度の利用を検討してください。
出典
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
厚生労働省 入院時の食費について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー