更新日: 2019.06.13 生命保険
【日本人は保険好き】と言われるが生命保険って本当に必要!?
それでも最近は、一部のメディアで「保険は博打と同じで儲からない」といった否定的な言葉も散見されます。特に医療保険については賛否が大きく分かれるところだと思います。
最近は総じて、保険加入率の高さの実態をただ批判して、保険を悪者扱いする言葉が少なくないように感じます。では、保険には入った方が良いのでしょうか。それとも、入らなくても良いのでしょうか。今回は、生命保険にスポットをあててみたいと思います。
執筆者:福本眞也(ふくもと しんや)
FPコンシェル代表取締役
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP® 認定者、証券外務員
できる限り解り易い言葉で、お一人お一人のご理解にあわせてご説明することをモットーにしています。
日系証券会社(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)で約8年間金融の基礎を学び、外資系投資銀行(TDグループ、NAB、クレディ・スイス、JPモルガン証券)では約15年間に渡り高度な金融技術を学び、独立して約9年、金融一筋に32年が経ちました。
「お金・経済・金融マーケットに関わること」について、特に個人顧客向けには住宅・保険・教育・老後の資金(運用)を目的としたご相談を得意としています。
http://www.fpconcier.com
なぜ保険に入るの?
保険への加入が必要かどうかは、それぞれの経済環境によって違うはずです。そもそも、生命保険は基本的に自分や配偶者、もしくは親に「万が一」のことが起こったときに経済的な補てんができるように入るものです。
では、「万が一」の際には、どのような経済的な補てんが必要なのでしょうか。
生活を継続できるようにすること
生命保険は、配偶者や親(家計収入の大半を稼いでいた人)が亡くなったときに、大きな役割を果たします。残された家族が、その後も経済的に最低限の生活を確保できることが何よりも大切です。
公的(社会)保障制度の1つに遺族基礎年金があります。保険料の納付済期間が加入期間の3分の2以上であることなどの条件はあるものの、子供がいれば末子が18歳に達する3月末まで支給されます。
ただ、これも「万が一」が起こってしまった方のそれまでの年収や年金の加入期間により、支給される年金額が異なります。
生活にいくら必要なのか
生命保険が必要か、そうでないかは、家族構成や年齢、そして貯蓄などの資産がどれくらいあるかによって異なります。
年収が相当高く、年金加入期間も長い人は年金額も多いため、生命保険による保障額もさほど多くは必要ないはずです。そもそも、生命保険は必要ないかもしれません。
一方、若くて年収も低く、年金加入期間も短い場合には、生活に足りるほどの支給はなされません。
遺族厚生年金支給要件の1つに受給資格期間25年以上(300ヶ月)とあります。もし仮に25年未満でも、「みなし期間(300ヶ月)」としての計算がなされるため、支給要件は満たされます。
ただ、生活を万全に守れる水準の年金額にはなりませんし、将来の子供の進学などを考慮すると不足しがちです。
日頃から生活に必要な資金額を記録する習慣を身につけておけば、公的保障で不足する額を把握できますし、それ以上の保障を備える必要もないはずです。お子さんがいる場合は、将来の教育費がいくら必要かを常々チェックし、貯蓄を少しずつでも行うことが大切です。
特に今春社会人になられた人たちは、保険加入の勧誘が盛んになる時期です。「先輩も入っているのよ」「同僚も入ったわよ」などと勧誘され、ついつい入ってしまう方も多いと聞きます。
現に、日頃の業務で保険見直しの相談を受けると、何を目的に入った保険かを理解されていない方が大変多いです。
貯蓄性を高めた保険なら安心、極力保険料を抑えた掛け捨てだから大丈夫などと、安易に加入することは得策ではないですし、目的のない保険への加入は論外だと思います。
独身と家族扶養者とでは、加入の目的が異なります。資産はいくらあるのか、そもそも誰を守るのか今一度よく考えて、保険への加入の是非を判断して欲しいと思います。
出典:公益財団法人生命保険文化センター「生命保険に加入している人はどれくらい?」
執筆者:福本眞也(ふくもと しんや)
FPコンシェル代表取締役