年末調整で「え、保険入ってないんですか!?」と、経理担当者に驚かれました…30代で「医療保険」に入ってないのは“少数派”ですか? 入院したことがないので、お金がもったいないと感じてしまいます
Aさんは、副業などもしていないし保険も入っていないのですぐ終わると伝えたところ、「保険入ってないんですか!?」と驚かれたとのこと。本記事では、30代で医療保険に未加入のリスクや、加入するメリット、年末調整の税制優遇について解説します。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP
30代で医療保険に未加入のリスク
30代で医療保険に入っていないからといって、今日明日すぐに困ることは多くありません。30代は一般的に体力もあり、入院や長期の通院とは縁のない人が多いからです。
しかし、だからこそ油断しやすい時期でもあります。ここでは、医療保険に未加入のままでいる場合に考えられる主な不安点を整理します。
入院・手術などで医療費が高額化した場合の負担が大きい
医療費は、高額療養費制度などによって一定額以上は抑えられますが、それでも個人の負担は決して小さくありません。
例えば、手術や入院が必要になった場合、ベッド代(差額ベッド代)や食事代、通院時の交通費、家族が付き添うために仕事を休む場合の負担など、公的制度ではまかないきれないお金がかかります。
働けなくなった時に収入が減る
30代は多くの人が働き盛りの時期です。そのため、長期の療養で会社を休むと、給料が減ってしまう可能性があります。
世代的に「未加入は少数派」である
生命保険文化センターの2025年度「生活保障に関する調査」(速報版))によると、疾病入院給付金が支払われる生命保険の加入率は65.6%となっています。
また、生命保険加入により医療保障による経済的準備をしているのは、70.2%です。つまり、保険に入っている人が多いため、職場などでも医療保険に入っていないと驚かれることさえあります。
30代で医療保険に加入するメリット
30代は、医療費の出費が少なく、医療保険の必要性を感じにくい世代です。しかし、だからこそ備えておくことで得られるものは多く、加入しておくメリットはしっかりあります。
入院・手術でも家計への打撃を抑えられる
手術や入院により医療費が増えても、医療保険からの給付金があれば家計への負担を軽くできます。医療費の心配が減ることで、治療に集中しやすくなるという利点もあります。
若いうちなら保険料が安く加入審査も通りやすい
医療保険は、若いうちに加入するほど保険料が抑えられ、加入できる可能性も高くなります。将来のことを考えるなら、健康な30代で加入しておくことは合理的です。
精神的な安心が得られる
万一のときに備えがあるだけで、気持ちが落ち着きます。「もし病気が発覚したら」「入院を言われたら」といった心配が減り、日常生活にも余裕が生まれます。
年末調整の税制優遇とは
医療保険は、年末調整で所得税や住民税が軽くなる「生命保険料控除」の対象です。例えば、30代で毎月保険料を払っている場合、年間で数千円程度は税金が少なくなる可能性があります。
つまり、医療保険に加入することで、保障を確保しながら手取りも増えるという、2つの効果が得られるのです。
まとめ
30代で医療保険に加入していなくても、すぐに困ることはあまりありません。しかし、病気やけがによる医療費や収入減は突然訪れるもので、生活を大きく揺らす可能性があります。
健康なうちに加入することで保険料が抑えられ、加入審査にも通りやすく、精神的にも落ち着いて生活できるでしょう。また、年末調整による税負担の軽減も期待でき、家計面でもメリットがあります。まだ元気な30代こそ、将来を見据えて備えておく選択が現実的といえます。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 2025(令和7)年度生活保障に関する調査(速報版)
執筆者 : よし・こう
1級ファイナンシャル・プランニング技能士・CFP