親の入院費が「18万円」と聞き「高すぎる!」と思いましたが、平均的って本当ですか? 高額療養費制度を使うと、自己負担額はどうなる?
実際の医療費の自己負担額は、治療内容や入院日数などでばらつきがありますが、ある調査では平均値として一定の目安が示されています。また、高額療養費制度を利用することで、月ごとの負担を抑えられる仕組みも用意されています。
本記事では、親の入院費を想定しながら、入院費の平均的な水準と、高額療養費制度を使った場合の自己負担額の考え方を整理します。
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入院費の平均はどれくらいか
公益財団法人生命保険文化センターの「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査(速報版)」によると、直近の入院時における自己負担費用の平均は18万7000円とされています。また、自己負担費用の総額を入院日数で割った場合、1日あたりの自己負担費用は平均2万4300円という結果も示されています。
この自己負担費用は、保険適用後の医療費の自己負担分を中心とした金額です。実際には、病気の内容や治療方法、入院日数などによって金額に幅があり、差額ベッド代などの保険適用外費用が多い場合には、平均を上回ることもあります。
こうした点を踏まえると、今回のように親の入院費が18万円程度だった場合、統計上は平均的な範囲に含まれる可能性があるといえます。
高額療養費制度とは
高額療養費制度は、公的医療保険に加入している人が、ひと月(月の始めから終わりまで)に支払った医療費の自己負担額が、年齢や所得区分に応じた上限額を超えた場合、その超過分が支給される制度です。医療費が高額になった場合でも、家計への影響を一定程度に抑えることを目的としています。
制度の対象となるのは、保険適用分の自己負担額に限られ、差額ベッド代や自由診療などは原則として含まれません。この点は、実際の入院費を把握する際の注意点といえます。
入院費「18万円」の場合の負担目安(70歳以上・一般区分)
ここでは、親が70歳以上で、適用区分が「一般」に該当するケースを想定します。厚生労働省の資料によると、この場合の高額療養費制度におけるひと月あたりの自己負担上限額(入院・世帯ごと)は5万7600円とされています。
仮に、ひと月の入院で自己負担額が18万円だった場合、高額療養費制度を適用すると、実際の自己負担額は上限の5万7600円となり、超過分については後日申請により払い戻しを受けられる可能性があります。
つまり、一時的に18万円を支払っていても、最終的な自己負担額は制度上の上限に抑えられるケースがあるという点が重要です。ただし、同じ70歳以上でも「現役並み所得者」に該当する場合には、上限額が異なるため、適用区分の確認が必要になります。
手続きと注意点
高額療養費制度を利用するには、原則として申請が必要です。事前に「限度額適用認定証」を取得し、医療機関の窓口で提示すれば、支払いを自己負担限度額までに抑えられます。認定証を提示せずに支払った場合でも、後日申請することで払い戻しを受けることが可能です。
また、マイナ保険証を利用している場合には、「限度額適用認定証」がなくても、公的医療保険が適用される診療については、窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられます。認定証の申請や提示を忘れた場合でも、自己負担が過大になりにくい点は特徴といえるでしょう。
ただし、前述の通り、差額ベッド代などの保険適用外費用は、高額療養費制度の対象外となるため、別途負担が生じる点には注意が必要です。
まとめ
親の入院費が18万円と聞くと高額に感じられますが、今回参照した調査では入院時の自己負担費用の平均は18万7000円とされており、必ずしも特別な金額とはいえません。また、高額療養費制度を利用すれば、「70歳以上・一般区分」のケースでは、月ごとの自己負担額が5万円台に抑えられる可能性があります。
入院費の負担を正しく判断するには、平均値だけでなく、制度を適用した後の自己負担額や、保険適用外費用の有無も含めて整理することが重要です。親の入院をきっかけに、高額療養費制度やマイナ保険証の仕組みを確認しておくことは、家計管理の面でも大きな助けになるでしょう。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 2025(令和7)年度生活保障に関する調査≪速報版≫ 第II章 医療保障 2.過去5年間の入院経験 (3)直近の入院時の自己負担費用(28~29ページ)
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)(4ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
