パートで“月収20万円”ですが、春から「社会保険料が下がる」と聞きました。2026年度「健康保険・介護保険・介護保険」はどう変わる? 実際の手取り額をシミュレーション

配信日: 2026.03.23
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パートで“月収20万円”ですが、春から「社会保険料が下がる」と聞きました。2026年度「健康保険・介護保険・介護保険」はどう変わる? 実際の手取り額をシミュレーション
食品や雑貨、光熱費などの値上げが続いている中、限られた収入で家計をやりくりするのは厳しいものです。そうした中、「社会保険料が下がるかも」と聞いたら、期待する人は多いのではないでしょうか?
 
本記事では、2026年春の社会保険料率の動向や新設される社会保険料などについて紹介し、「月収20万円のパート」を例にして手取り額がどうなるかをみていきます。
橋本典子

特定社会保険労務士・FP1級技能士

春に見直される社会保険料率

健康保険や雇用保険などの保険料率は、毎年春に見直しが行われます。2026年度も、全国健康保険協会の健康保険料率や雇用保険料率が変更される予定です。
 

健康保険料率の見直し

全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険料率は、都道府県ごとに決定されます。2026年3月分(4月末納付分)からの保険料率は、全国平均では9.90%、前年度と比べて0.10%の引下げとなります。
 
ただし、全国平均では引下げとなっても、保険料率は都道府県によって異なるため、引下げ幅は異なり、据え置きとなるところもあります。
 

介護保険料率の見直し

40歳以上65歳未満の健康保険被保険者から徴収される介護保険料の料率も、2026年3月(4月納付分)から変更されます。こちらは全国一律で、1.59%から1.62%への引上げが決まっています。1.62%を労使折半するため、被保険者負担は0.81%です。
 

子ども・子育て支援金の徴収開始も

さらに、2026年4月分(5月納付分)から、新しく「子ども・子育て支援金」の徴収が始まります。子ども・子育て支援金とは、「社会全体で子育てを支援する」という理念のもとに創設されたもので、健康保険料と同じように、社会保険料として徴収されます。
 
なお、全国健康保険協会の子ども・子育て支援金の料率は、0.23%(労使で0.115%ずつ)です。
 

雇用保険料率は引下げの見通し

雇用保険料率は、2026年4月から0.1%引き下げられる見通しです。
 
一般の事業の場合、従前の雇用保険料率は1.45%(事業主負担が0.9%、被保険者負担が0.55%)でしたが、1.35%に改定される見込みです。
 

2026年春から手取りは増える?

全国健康保険協会(協会けんぽ)管掌の東京都の会社に勤務する次のパート従業員を想定して、2026年4月以降の手取り額を考えてみましょう。住民税は考慮しないこととします。
 

・パート月収 20万円(通勤手当なし)
・45歳
・扶養なし

 

健康保険料はいくら?

毎月の収入が20万円(標準報酬月額20万円)の場合、健康保険料・介護保険料に子ども子育て支援金を加えた負担額は、次のように変わります。
 
なお東京都の場合、健康保険料率は9.91%から9.855%(被保険者負担分は4.955%から4.925%)に変更されます。
 

・2026年3月分まで
健康保険料 9910円
介護保険料 1590円
子ども・子育て支援金 制度自体がないため0円
 
・2026年4月以降
健康保険料 9850円(引下げ)
介護保険料 1620円(引上げ)
子ども・子育て支援金 230円(新設)

 
健康保険料、介護保険料、子ども・子育て支援金のトータルで考えると、200円の負担増になります。
 

雇用保険料はいくら?

次は雇用保険料です。
 

・2026年3月分まで 1100円
・2026年4月分以降 1000円

 
雇用保険料の負担は、100円減少する見込みです。
 

結局、手取り額はどうなるの?

2026年春、健康保険料と雇用保険料が下がり、介護保険料が上がり、さらに子ども・子育て支援金が徴収開始と、なかなか複雑な状況です。結局、手取り額はどうなるのでしょうか?
 
上記に厚生年金保険料(18.30%を労使折半、料率変更なし)を加え、所得税を差し引くと、次の結果になりました。
 

従前の手取り額 16万5830円
改定後の手取り額 16万5730円

 
結果として、手取り額は従前とほとんど変わらず「マイナス100円」となりました。なお、上記は東京都の健康保険料率で試算したもので、ほかの道府県では異なる金額になります。
 

まとめ

「社会保険料が下がる」というニュースはうれしいものでしょう。保障内容は変わらず保険料だけが減少するのですから、被保険者にとってはプラス要因です。
 
しかし今春は、全国的に健康保険料率(全国健康保険協会の場合)が引き下げられ、雇用保険料率も下がる見込みであるものの、介護保険料率は上がり、さらに子ども・子育て支援金の徴収も始まることから、実質的に「ほぼ横ばい」といえるでしょう。
  

出典

全国健康保険協会 協会けんぽの子ども・子育て支援金率
全国健康保険協会 令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます
全国健康保険協会 令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)
国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(令和8年分)
 
執筆者 : 橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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