妻が会社を辞めて失業手当を受給する予定ですが、失業期間中、私(夫)の扶養になれますか?
本記事では、失業期間中、配偶者の健康保険の扶養家族(被扶養者)になれるのかを解説します。
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/
扶養家族(被扶養者)になるには
同居しているかどうかにかかわらず、被保険者(健保加入者)の直系尊属、事実婚を含む配偶者、子、孫、兄弟姉妹です。主に、被保険者に生計を維持されている人が扶養家族(被扶養者)になれますが、収入基準をクリアする必要があります。
主として、被保険者の収入により生計を維持されているとは、扶養家族(被扶養者)の年収が130万円未満(19歳以上23歳未満の人は150万円未満、60歳以上の人は180万円未満)であり、被保険者の年収の半分未満である(別居の場合は、被保険者からの援助による収入額より少ない)場合をいいます。
ここにいう年間収入とは、過去の収入のことではなく、1年の間で見込まれる収入額です。また、収入には、雇用保険の失業手当や公的年金、さらには健康保険の出産手当金・傷病手当金も含むことになります。
基本手当(失業手当)に税金はかかりませんが、社会保険の収入基準の対象になっていますので、基本手当(失業手当)を受給すると扶養家族(被扶養者)になれない場合があります。
基本手当(失業手当)日額
基本手当(失業手当)は、退職前2年間に、雇用保険に1年以上加入している会社員が退職し失業の状態になったとき、失業中の生活保障として給付されます。ただし、失業の状態にあった日が通算して7日間(待期期間)経過するまでは基本手当の支給を受けることができません。また、離職理由によって1~3ヶ月の給付制限がかかる場合があります。
基本手当日額は、賃金日額(=ボーナスを除く退職前6ヶ月の給料の総額÷180)の50~80%(60~64歳については45~80%)です。参考までに、図表1にて33~44歳の基本手当日額例を示しました。
給付される期間は、雇用保険に加入していた期間により決まり、10年未満90日、10年以上20年未満120日、20年以上150日となっていいます(自己都合の場合)。
ところで、被扶養者になるための収入条件である年収が130万円未満とは、給与所得者の場合は月額10万8333円(130万円÷12)以下、雇用保険等の受給者の場合は基本手当日額3611円(130万円÷360)以下になります。基本手当(失業手当)日額は、ハローワークで交付される「雇用保険受給資格者証」で確認できます。
図表1
基本手当日額例(離職時の年齢が30~44歳のケース) 令和7年8月1日現在
| 賃金日額 | 給付率 | 基本手当日額 |
|---|---|---|
| 3014円以上5340円未満 | 80% | 2411~4271円 |
| 5340円以上1万3140円以下 | 80~50% | 4272~6570円 |
| 1万3140円超1万6110円以下 | 50% | 6570~8055円 |
| 1万6110円(上限額)超 | - | 8055円(上限額) |
(厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります ~令和7年8月1日から~」より筆者作成)
まとめ
基本手当に税金はかかりませんが、健康保険の扶養家族(被扶養者)の収入基準の判定には収入として考慮されます。健康保険の扶養家族(被扶養者)になるには、年収130万円未満でなければなりません。
失業給付の受給開始日までの期間(待期期間中や給付制限期間)については、扶養家族(被扶養者)となることができますが、基本手当日額3611円(雇用保険受給資格者証に記載)以上の支給が始まった場合は、収入基準を満たさず扶養家族(被扶養者)となることはできませんので、扶養削除の届け出が必要です。
多くの場合、基本手当の日額は3611円(見込み年収130万円)以上と思われますので、健康保険の扶養家族(被扶養者)になれないケースが多いでしょう。
出典
日本年金機構 従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当について
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数
厚生労働省 雇用保険の基本手当日額が変更になります ~令和7年8月1日から~
執筆者 : 新美昌也
ファイナンシャル・プランナー