失業手当を残したまま就職し、3週間で退職しました。この場合、残りの失業手当はすぐに再開されるのでしょうか? それとも再度手続きが必要ですか?
いずれも、条件に該当するのかの判断はハローワークで行うので、再就職や離職の場合にはハローワークへの届出が必要となります。この記事では、失業保険等に関する受給条件などについて確認したいと思います。
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
再就職した場合の就業促進手当
失業手当の受給中に再就職した場合、失業手当の給付はストップしますが、条件に該当すると就業促進手当を受給できます。その主な手当の概要は以下のとおりです。
(1)再就職手当
再就職手当は、再就職(雇用保険の被保険者となる場合や事業主となる場合など)時に基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある場合に支給されます。
支給額は、基本手当の支給残日数×給付率×基本手当日額となります。(給付率は、支給残日数が3分の2以上の場合は70%、3分の1以上の場合は60%、基本手当日額の上限は6570円(60歳以上65歳未満は5310円)
(2)就業促進定着手当
再就職手当の支給を受けた人が、引き続き6ヶ月以上雇用され、かつその間の賃金の1日分の額が離職前の賃金と比較して低下している場合に受給できます。支給額の算式は、
(離職前の賃金日額-再就職の日から6ヶ月間に支払われた賃金額の1日分の額)×再就職の日から6ヶ月間における賃金の支払いの基礎となった日数
ただし、支給額には、基本手当日額×基本手当の支給残日数×20%の上限があります。
(3)常用就職支度手当
基本手当の受給資格がある方のうち、障害のある方など就職が困難な方が安定した職業に就いた場合に、一定の要件に該当すると支給されます。
再就職後に離職してしまった場合
失業手当を受給中に再就職したものの、その後すぐに離職してしまった場合、前回受給していた失業手当の受給期間満了前であれば、ハローワークで再求職の申し込みなどの手続きを行うことで、残りの日数分を受け取ることができます。
通常、失業保険を受給するためには、離職より前の2年以内に12ヶ月以上、特定受給資格者・特定理由離職者では離職前1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上、雇用保険に加入している必要があるため、再度失業保険を受給するためには一定期間、勤めなければなりません。
しかし、前回受給した失業保険の受給期間満了日(退職日の翌日から1年間)を迎えていない場合には、残りの期間の失業保険を受給することができます。
失業手当を受給中に再就職する際の注意点
失業手当の支給額は、離職時の給与額や年齢などで決まりますが、おおむね離職前の給与の50%~80%です。それに対して、再就職手当の支給額は60%~70%となっています。そのため、一般的には、失業保険を満額受給した上で再就職したほうが有利となるケースが多いです。
ただし、早期に再就職した場合には再就職手当に加えて、再就職先からの給与収入を得ることができるため、実際に受け取ることができるお金の総額は大きくなるでしょう。
また、自己都合退職による失業手当の場合、給付日数は90日~150日、7日間の待期期間、1ヶ月の制限期間などのルールがあります。
まとめ
雇用保険の失業手当の目的は、就職しようとする意思と能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている方を支援することとされています。
再就職や再離職を短期間で繰り返すことは、あまりお勧めすることはできませんが、失業手当等の制度を最大限活用することは極めて重要と思われます。再受給できるのか、就業促進手当の受給要件に該当するのかなどの判断は、あくまでもハローワークで確認が必要となりますので、できる限り早めに届け出るようにしましょう。
執筆者 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー