入社したもののすぐに退職! 在籍期間は10日ほど。このような短期間の勤務でも、失業保険は受給できるのでしょうか?
この記事では、短期間しか在籍していなくても条件を満たせるのか、失業保険(雇用保険)の受給要件をかんたんに解説します。
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
雇用保険(失業保険)の基本手当(失業手当)とは? どんな人が受け取れる?
雇用されて働いている人の多くが加入している「雇用保険」には、失業したときにお金(基本手当)を受け取れる仕組みがあります。正式名称ではありませんが、「失業保険」や「失業手当」と呼ばれることもあります。
雇用保険の基本手当は、失業して次の仕事を探しているあいだの生活を支えることで、再就職しやすいようにするための制度です。受け取るためには、次の2つの条件を両方とも満たしている必要があります。
・再就職の意志や能力があり、求職活動をしているのに、就職できない状態である
・離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある
入社してすぐに退職した」という場合、ポイントになるのが2つ目の条件です。
短期間の在籍で失業手当を受け取れる場合/受け取れない場合
たとえば、これまで雇用保険に加入していなかった学生が、卒業して新卒で入社し、その会社を10日ほどで退職した場合を考えてみましょう。
この場合、「離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある」という条件を満たせません。つまり、今回の退職では基本手当を受け取れません。
しかし、たとえば長年にわたって会社員として働き、その間ずっと雇用保険にも加入してきた人が退職するなら、話が変わってきます。
この場合、前職退職後に基本手当などを受給していない、離職と再就職の間に長い空白期間がないなどの条件を満たせば、今回退職した会社の前の会社での加入歴を加味できるため、基本手当を受け取れる可能性があります。
なお、雇用保険の被保険者期間は基本的に、離職日から1ヶ月ごとに区切った期間に、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上、または賃金支払いの基礎となった時間数が80時間以上ある場合に1ヶ月とカウントします。
また、退職理由が会社でのハラスメントや「契約上の労働条件が実際と全然違う」といった場合、病気など体調面の問題で退職したものの、現在は働ける状態にある場合などは、やむを得ない理由がある「特定受給資格者」または「特定理由離職者」とみなされる可能性があります。
特定受給資格者や特定理由離職者の場合は条件が緩和され、「離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある」という条件をクリアできなくても、「離職日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上ある」状態なら受給可能になります。
まずは、自分が雇用保険に加入していたかどうか、加入していたならその期間はいつからいつまでなのか、確認してみましょう。
マイナポータル(行政のオンライン窓口)にログインして確認することもできますが、「よくわからない」と思ったら、ハローワーク(公共職業安定所)の窓口まで出向いて問い合わせるのが確実です。
マイナンバーカードなどの本人確認書類とあわせて、退職した会社から後日送られてくる「離職票」も持参すると、よりスムーズに進められるでしょう。
ちなみに、雇用保険の被保険者期間や退職理由は、基本手当を受け取れる日数にも影響してきます。たとえば被保険者期間が5年未満で自己都合退職の場合、原則として90日分が支給されます。支給される金額は、離職前の賃金日額の50~80%が目安です。
まとめ
短期間で会社を退職した場合、雇用保険(失業保険)の基本手当(失業手当)を受け取れるかどうかは「離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある」という条件を満たせるかどうかがポイントです。
過去2年以内の職歴(雇用保険の加入歴)や退職理由などを踏まえて、条件を満たせているかどうか確認しましょう。判断に迷ったときは、地域のハローワークの窓口で尋ねてみるとよいでしょう。
出典
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当について
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要
厚生労働省 ハローワークインターネットサービス 基本手当の所定給付日数
厚生労働省 マイナポータルであなたの雇用保険の加入記録などを確認することができます!
執筆者 : 馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表