役所で「国民健康保険には“扶養”がありません」と言われて困っています…「夫婦2人分」払うとなるとあまりに生活が苦しいのですが、受け入れるしかないのでしょうか?
会社員時代は、妻を健康保険の扶養に入れていた人も多いでしょう。その感覚のまま定年後を迎えると、役所で「国民健康保険には扶養がありません」と言われて驚くかもしれません。
国民健康保険では、会社の健康保険のように、扶養家族だから保険料がかからないという仕組みはありません。夫婦で加入する場合、世帯単位で保険料を計算しますが、夫婦それぞれが被保険者として扱われます。
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国民健康保険には会社の健康保険のような扶養はない
会社員が加入する健康保険では、一定の条件を満たす配偶者や子どもを扶養に入れられることがあります。扶養に入った家族は、原則として自分で健康保険料を払わずに保険証を使えます。
しかし、定年後に国民健康保険へ加入する場合、この「扶養」という考え方はありません。妻に収入が少なくても、夫の扶養家族として保険料がゼロになるわけではありません。夫婦2人で国民健康保険に入るなら、2人とも加入者として計算されます。
国民健康保険料は、市区町村ごとに計算方法が異なります。一般的には、前年の所得に応じてかかる部分と、加入者の人数に応じてかかる部分があります。そのため、妻に所得がほとんどなくても、人数に応じた保険料が加わることがあります。
ただし、夫婦それぞれに別々の納付書が届くとは限りません。国民健康保険は世帯単位で計算され、世帯主に納付書が届くことが多いです。つまり、請求は世帯でまとめられていても、中身は夫婦2人分を含んでいると考えると分かりやすいでしょう。
退職後すぐに国保へ入る以外の選択肢もある
定年後の健康保険は、国民健康保険だけではありません。退職前に会社の健康保険に入っていた人は、任意継続を選べる場合があります。任意継続とは、退職後も元の会社の健康保険に引き続き加入できる制度です(最大2年間)。
任意継続では、会社が負担していた分も含めて自分で保険料を払うため、在職中より高く感じることがあります。しかし、扶養している妻がいる場合は、国民健康保険より安くなるケースもあります。これは、任意継続では一定条件を満たせば扶養の仕組みが使える場合があるためです。
一方で、国民健康保険は前年所得をもとに計算されるため、退職直後は保険料が高くなることがあります。会社員時代の収入が反映されるためです。翌年以降、年金収入中心になると保険料が下がる可能性もあります。
また、75歳になると後期高齢者医療制度に移ります。夫婦の年齢差がある場合、夫は後期高齢者医療、妻は国民健康保険というように、別々の制度に入ることもあります。定年後の健康保険は、年齢や収入、退職時期によって負担が変わるため、早めに比較することが大切です。
保険料が高いと感じたら市区町村の窓口で相談する
国民健康保険料が高いと感じたら、まず市区町村の窓口で計算内容を確認しましょう。保険料は自治体ごとに異なるため、インターネット上の一般的な情報だけでは正確な金額は分かりません。前年所得、年齢、世帯人数、介護保険料の有無などによって金額が変わります。
退職や収入減少などの事情がある場合、減免や納付猶予の対象になることがあります。必ず認められるわけではありませんが、災害、失業、事業不振など特別な事情がある場合は相談する価値があります。
また、妻がパートなどで働いている場合は、勤務先の社会保険に入れる可能性も確認しましょう。勤務時間や収入などの条件を満たせば、妻自身が勤務先の健康保険と厚生年金に加入できる場合があります。その場合、国民健康保険の負担が変わることがあります。
退職前であれば、会社の健康保険組合に任意継続の保険料を確認し、役所で国民健康保険料の見込み額を試算してもらいましょう。両方を比べてから選ぶと、家計への影響を抑えやすくなります。
まとめ
国民健康保険には、会社の健康保険のような扶養の仕組みはありません。定年後に夫婦2人で国民健康保険に加入する場合、世帯単位で保険料が計算されますが、夫婦それぞれが被保険者として扱われます。そのため、妻の分も含めた保険料を払うことになります。
ただし、退職後すぐに国民健康保険へ入る以外に、任意継続を選べる場合があります。妻を扶養に入れられるかどうかで負担が変わることもあるため、退職前に比較することが大切です。
保険料が高いと感じたら、役所の国民健康保険窓口で試算や減免の相談をしましょう。定年後は収入の形が変わるため、健康保険料の負担も見直しが必要です。早めに確認しておけば、退職後の家計計画を立てやすくなります。
出典
協会けんぽ 公式Webサイト
厚生労働省 国民健康保険制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
