2年前に母が入院し、医療費「30万円」を支払ったそうです。“高額療養費”の申請を忘れていたようですが、今からでも払い戻しを受けられるでしょうか? 時効と手続き期限を確認
しかし、制度の存在を知らなかったり、申請を後回しにしたりしているうちに、気付けば数年が経過しているケースもあるでしょう。
例えば、「2年前に母が入院し、医療費を30万円支払ったが、高額療養費の申請を忘れていた」という場合、今からでも払い戻しを受けられるのでしょうか。本記事では、高額療養費制度の概要や申請期限、消滅時効の考え方について分かりやすく解説します。
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高額療養費制度とは? 概要を整理
高額療養費制度とは、病院や薬局の窓口で支払った医療費の自己負担額が、1ヶ月あたりの上限額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される制度です。厚生労働省によると、所得や年齢に応じて自己負担額の上限が設けられています。
例えば、医療費総額が100万円で、3割負担の人が窓口で30万円を支払った場合でも、所得区分によっては自己負担額が約8万7000円となり、残りは高額療養費として支給されることがあります。
ただし、入院時の食事代や差額ベッド代などは高額療養費の対象外です。また、実際に払い戻される金額は年齢や所得によって異なるため、自分の加入している健康保険に確認することが大切です。
高額療養費の申請期限はいつまで?
高額療養費は申請すればいつまでも受け取れるわけではありません。健康保険法では、健康保険の給付を受ける権利は一定期間が過ぎると消滅すると定められています。
高額療養費の場合、支給を受ける権利の消滅時効は原則として2年とされています。厚生労働省保険局の資料では、高額療養費の消滅時効の起算日を「診療月の翌月1日」と案内しています。
例えば、2024年6月に受けた診療について高額療養費が発生した場合、原則として2024年7月1日から時効のカウントが始まり、2年後までに申請しなければ権利が消滅します。
なお、医療機関への支払いが診療月の翌月以降になった場合は、支払った日の翌日が起算日となる場合があります。そのため、「診療から2年経ったから必ず対象外」というわけではなく、実際にいつ支払いを行ったのかも重要なポイントになります。
2年前に30万円を支払った場合は払い戻しを受けられる?
質問のケースでは、「2年前に母親が入院し、医療費30万円を支払ったが、高額療養費の申請を忘れていた」という状況です。
この場合、まず確認したいのが診療月と実際の支払日です。もし支払日の翌日からまだ2年が経過していなければ、申請によって払い戻しを受けられる可能性があります。一方で、時効の起算日からすでに2年を超えている場合は、高額療養費を受ける権利が消滅している可能性があります。
ただし、「ちょうど2年前くらい」という場合は、まだ期限内である可能性もあります。自己判断で諦めるのではなく、加入している健康保険組合や協会けんぽ、市区町村の国民健康保険窓口に確認することが重要です。
申請する際には、支給申請書のほか、領収書や本人確認書類などが必要になる場合があります。保険者によって必要書類が異なることもあるため、事前に確認しておくと手続きがスムーズです。
高額療養費は早めの確認と申請が大切
高額療養費制度は、医療費が高額になった際の負担を軽減してくれる大切な制度です。自己負担額が上限を超えた場合、その超過分の払い戻しを受けられる可能性があります。ただし、高額療養費を受け取る権利には原則2年の消滅時効があり、期限を過ぎると申請しても支給を受けられない場合があります。
今回のように2年前の医療費であれば、診療時期や支払日によってはまだ申請できる可能性があります。まずは領収書や診療明細を確認し、加入している健康保険へ問い合わせてみましょう。少しでも可能性があるうちに手続きを進めることで、本来受け取れるはずの給付を逃さずに済むかもしれません。
出典
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成30年8月診療分から)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
