役所の人に「2回目の自己都合退職では、3ヶ月の給付制限がかかる」と言われました。“貯金”も少なく“生活が不安”なのですが、いかなる理由でも「短縮」されないのでしょうか…?
結論からいうと、前回受給していても、今回の退職までに新たに雇用保険の加入期間を満たしていれば、再び受給できる可能性があります。ただし、前回の受給で使った加入期間をもう一度使うことはできません。
また、自己都合退職では給付制限がかかる場合があります。特に、過去5年以内に自己都合退職による受給資格決定を複数回受けると、給付制限期間が長くなることがあるため注意が必要です。
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前回受給していても、条件を満たせば再び受給できる
失業手当は、正式には雇用保険の「基本手当」といいます。働く意思と能力があり、求職活動をしているのに仕事に就けない人の生活を支える制度です。厚生労働省も、基本手当は求職者の生活の安定と求職活動を支えるためのものと説明しています。国はこの基本手当に9068億円の予算を割いています。(令和7年度)
図表1
出典:厚生労働省 雇用保険制度の概要
2年前に自己都合退職で基本手当を受給していても、それだけで今回の受給ができなくなるわけではありません。大切なのは、今回の離職について、新たに受給資格を満たしているかどうかです。
一般的な自己都合退職では、原則として、離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上あることが必要です。つまり、前回手当をもらった後に再就職し、今回の退職までに雇用保険に入って働いた期間が十分にあるかがポイントになります。
たとえば、前回の受給後にすぐ再就職し、2年間フルタイムで働いていたような場合は、加入期間の条件を満たす可能性が高いでしょう。一方で、「再就職後の勤務期間が短い」「雇用保険に加入していない働き方だった」「勤務日数が少なかった」という場合は、受給資格を満たさないことがあります。
なお勤務日数について、厚生労働省によると「離職日から1か月ごとに区切った期間に賃金が支払われた日数が11日以上ある月を1か月とします。 」と説明しています。そのほかにも注釈がついているので、ご自身が資格を満たすのか詳しくは公式HPで確認するとよいでしょう。
前回の受給で使った加入期間はリセットされる
注意したいのは、前回の手当で使った雇用保険の加入期間を、今回もそのまま使えるわけではない点です。基本手当を受給すると、その受給資格のもとになった過去の加入期間は、次の受給資格を判断する際に使えないと考える必要があります。
たとえば、前回退職するまでに5年間働き、その後に手当を受け取ったとします。この5年間の加入期間は、前回の受給のために使われています。その後、半年だけ再就職して今回退職する場合、前回の5年間と今回の半年を合わせて考えることはできません。
そのため、今回受給できるかどうかは、前回受給後にどれくらい雇用保険に加入して働いたかで判断されます。2年前に受給したという事実だけでなく、その後の勤務期間、雇用保険の加入状況、賃金支払の基礎となった日数を確認しましょう。
確認には、会社から受け取る離職票が必要です。離職票には、離職理由や賃金、被保険者期間などが記載されます。受給できるかどうかの最終判断はハローワークが行います。不安な場合は、退職前でも近くのハローワークに相談しておくと安心です。受給手続きにも離職票が必要となります。
自己都合退職では給付制限がかかる場合がある
自己都合退職の場合、受給資格があっても、すぐに手当が振り込まれるわけではありません。ハローワークで求職の申し込みをした後、原則として7日間の待期期間があります。その後、自己都合退職では給付制限がかかる場合があります。給付制限とは簡単にいえば、受給を待つ期間のことです。その間は受給ができません。
2025年4月1日以降に離職した人については、正当な理由のない自己都合による離職の場合、給付制限期間は原則1ヶ月に見直されています。ただし、退職日からさかのぼって5年間のうちに、正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格決定を受けた場合は、給付制限期間が3ヶ月となります。
今回のケースでは、2年前にも自己都合退職で手当を受け取っているため、今回も正当な理由のない自己都合退職として受給資格決定を受けると、給付制限が3ヶ月になる可能性が高いと言えます。
ただし、病気、家族の介護、職場環境の問題、通勤困難など、事情によっては「正当な理由のある自己都合退職」と判断されることもあります。自分では自己都合だと思っていても、ハローワークの判断で扱いが変わる場合があります。退職理由を説明できる資料があれば、持参しましょう。
まとめ
2年前に自己都合退職で基本手当を受給していても、今回の退職までに新たに雇用保険の加入期間を満たしていれば、再び受給できる可能性があります。一般的な自己都合退職では、離職日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが目安になります。
ただし、前回の受給で使った加入期間を今回も使うことはできません。今回の受給資格は、前回受給後にどれだけ働き、雇用保険に加入していたかで判断されます。
また、自己都合退職では給付制限がかかることがあります。特に、過去5年以内に自己都合退職による受給資格決定を複数回受けている場合、給付制限が3か月になる可能性があります。
退職前に雇用保険の加入期間や退職理由を整理し、離職票を受け取ったら早めにハローワークで確認しましょう。仕組みを知っておけば、退職後の生活費の見通しを立てやすくなります。
出典
厚生労働省 Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~について紹介しています。
厚生労働省 雇用保険制度の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

