体調不良で退職し「国民健康保険」に切り替えたら“高額な保険料”に絶望!現在は無収入なのに容赦なく請求されるなんて…。任意継続を選ぶべきだったのでしょうか?

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体調不良で退職し「国民健康保険」に切り替えたら“高額な保険料”に絶望!現在は無収入なのに容赦なく請求されるなんて…。任意継続を選ぶべきだったのでしょうか?
退職をしてすぐに再就職をしない場合、公的医療保険を「健康保険の任意継続」か「国民健康保険」のどちらかを選ぶべきでしょうか。判断をするに当たっては、それぞれどのようなものかを理解している必要があります。
 
そこで本記事では、「健康保険の任意継続とはどのようなものか?」「国民健康保険とはどのようなものか?」について解説します。比較しやすいように、保険料や給付内容の違いにポイントを絞って解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
中村将士

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

健康保険の任意継続とはどのようなものか?

健康保険の任意継続とは、健康保険の被保険者が退職などにより被保険者の資格を喪失した場合であっても、保険者に申し出ることによって被保険者の資格を継続することをいいます。
 
この制度は、個人が健康保険の保険者である全国健康保険協会や健康保険組合に申し出て被保険者になるため、退職した会社の意向は関係ありません。ただし、任意継続被保険者でいられる期間は、最長で2年です(健康保険法第38条)。
 
保険料は、標準報酬月額に保険料率を乗じて算出します。任意継続被保険者の標準報酬月額は、退職時の標準報酬月額と保険者が算定した標準報酬月額(全国健康保険協会の場合、令和7年4月以降は32万円)のうち、いずれか少ない額を採用します。保険料率は、住んでいる地域により異なります。算定された保険料は、原則として2年間変わりません。
 
親族を扶養に入れることも可能であり、被扶養親族の保険料はかかりません。ただし、保険料は全額自己負担になるため、退職前に比べ、保険料は高くなる可能性があります。
 
健康保険の保険給付の種類は、原則として以下のとおりです(同法第52条)。
 

(1)療養の給付
(2)入院時食事療養費・入院時生活療養費の支給
(3)保険外併用療養費の支給
(4)療養費の支給
(5)訪問看護療養費の支給
(6)移送費の支給
(7)傷病手当金の支給
(8)埋葬料の支給
(9)出産育児一時金の支給
(10)出産手当金の支給
(11)家族療養費・家族訪問看護療養費・家族移送費の支給
(12)家族埋葬料の支給
(13)家族出産育児一時金の支給
(14)高額療養費・高額介護合算療養費の支給

 
任意継続被保険者になると、上記(7)(10)の支給を受けることができません(同法第99条第1項、第102条第1項)。
 
ただし、被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の場合はその資格を取得した日)の前日まで引き続き1年以上被保険者だった方が、資格を喪失した際に傷病手当金・出産手当金の支給を受けていた場合、被保険者であったなら受け取れるはずであった期間については、例外的に継続して給付を受けることができます(同法第104条)。
 

国民健康保険とはどのようなものか?

国民健康保険は、都道府県が都道府県内の市区町村とともに行う公的医療保険です。都道府県の区域内に住所を有する方は、国民健康保険の被保険者となります。ただし、健康保険の被保険者・被扶養者は該当しません。
 
保険料は、医療分、後期高齢者支援金分、介護分、子ども・子育て支援金分で構成され、それぞれに応じた所得割額(前年の所得に応じて算出)と均等割額(加入人数に応じて算出)を算出し、合算して求めます。所得割額や均等割額を算出する際に使用する保険料率や均等割額は、住んでいる地域により異なります。
 
それまで扶養に入っていた親族がいる場合、その親族も国民健康保険に加入するのが一般的です。国民健康保険の保険料は世帯ごとに算出し、親族の保険料は均等割額に反映されます。
 
国民健康保険の保険給付の種類は、原則として以下のとおりです。
 

(1)療養の給付(国民健康保険法第36条)
(2)入院時食事療養費の支給・入院時生活療養費の支給(同法第52条、第52条の2)
(3)保険外併用療養費の支給(同法第53条)
(4)療養費の支給(同法第54条)
(5)訪問看護療養費の支給(同法第54条の2)
(6)特別療養費の支給(同法第54条の3)
(7)移送費の支給(同法第54条の4)
(8)高額療養費・高額介護合算療養費の支給(同法第57条の2、第57条の3)

 
また、条例や規約により、市区町村や組合は、以下の給付を行うことができるとしています。
 

(1)出産育児一時金の支給(同法第58条第1項)
(2)葬祭費・葬祭の給付(同法第58条第1項)
(3)傷病手当金など、その他の保険給付の支給(同法第58条第2項)

 
例えば、出産手当金の給付について法律上の規定はありませんが、市区町村は条例や規約で定めることによって、給付の実施を決めることができます。どのような給付を受けられるかについては、お住まいの地域の条例などを確認するとよいでしょう。
 

まとめ

本記事では、「健康保険の任意継続とはどのようなものか?」「国民健康保険とはどのようなものか?」について解説しました。
 
健康保険の任意継続についてまとめると、以下のとおりです。
 

・退職後、2年間だけ加入できる(扶養制度あり)
・会社の意向は関係なく加入できる
・保険料は標準報酬月額に保険料率を乗じて算出する
・標準報酬月額には上限がある
・保険料率は住んでいる地域により異なる
・保険料は全額自己負担になる
・傷病手当金と出産手当金は原則として支給されなくなる

 
国民健康保険についてまとめると、以下のとおりです。
 

・健康保険の被保険者・被扶養者でなくなったら加入する(扶養制度なし)
・保険料は医療分、後期高齢者支援金分、介護分、子ども・子育て支援金分で構成され、それぞれに応じた所得割額と均等割額を算出し、合算する
・保険料は世帯ごとに算出する
・保険料率と均等割額は住んでいる地域により異なる
・傷病手当金や出産手当金の支給の有無は、住んでいる地域により異なる

 
退職後にどちらを選ぶべきかを、保険料と給付内容から判断するなら、以下のようになるでしょう。
 

・退職前の標準報酬月額が高額なら、標準報酬月額に上限のある任意継続の方が保険料は安くなる可能性がある
・複数の被扶養者がいるなら、扶養制度のある任意継続の方が保険料は安くなる可能性がある
・傷病手当金や出産手当金などの給付(保障)を受けたい場合は、国民健康保険の方が給付を受けられる可能性がある(条例や規約による)

 
以上のことから、どちらを選ぶべきかについては、保険料と給付内容のバランスを見て考えるのがよいのではないかと思います。具体的な保険料や給付内容について知りたい方は、この機会にお住まいの担当窓口にお問い合わせしてみるとよいでしょう。
 

出典

全国健康保険協会(協会けんぽ) 退職後の健康保険について
デジタル庁 e-Gov法令検索 健康保険法
デジタル庁 e-Gov法令検索 国民健康保険法
 
執筆者 : 中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 上級心理カウンセラー

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