親が緊急入院!月「5万7600円」までと聞いて安心していたのに、“差額ベッド代”だけで「8万円」も請求されました。さらに“食事代”や“パジャマ代”もかかり大出費に!高額療養費制度があるのに、こんなに払う必要があるのでしょうか?
そこで本記事では、高額療養費制度の基本と入院前後に確認したい手続きを紹介します。
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目次
65歳からの医療費は本当に月5万7600円が上限?
高額療養費制度とは、1ヶ月に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超過分が払い戻される制度です。対象となるのは、保険が使える診療費や薬代などで、入院や手術によって医療費が高額になったときの負担を軽くする役割があります。
ただし、「65歳以上なら誰でも月5万7600円まで」とはかぎりません。高額療養費制度の自己負担限度額は、年齢や所得によって細かく分かれているためです。
例えば65~69歳までは、原則として70歳未満の区分で計算されます。そのため、所得が一般的な水準より低い人は月5万7600円の区分に当てはまることがあり、さらに住民税非課税などの場合は月3万5400円まで下がります。一方で、所得が高い人は上限額も高くなる点に注意が必要です。
また、70歳以上になると自己負担限度額の区分が変わります。現役並み所得者や低所得者に当てはまらない一般の人は、外来と入院を合わせた世帯単位の上限が月5万7600円です。
つまり、月5万7600円という金額は多くの人に関係しますが、すべての65歳以上に共通する上限ではありません。そのため入院費が気になる場合は、自分の年齢や所得、加入している健康保険を確認しましょう。
高額療養費の対象にならない入院費に注意
高額療養費制度を利用すれば、保険診療の自己負担は一定額に抑えられます。ただし、入院中にかかる費用のすべてが対象になるわけではありません。
対象外になりやすいのは、差額ベッド代、食事代、病衣代、診断書代などです。例えば、個室を希望して差額ベッド代が1日8000円かかる場合、10日入院すると8万円になります。この費用は高額療養費では戻らないため、医療費の上限とは別に支払う必要があります。
また、高額療養費は1ヶ月ごとに計算されるため、月末から翌月にかけて入院すると医療費が2ヶ月に分かれ、自己負担が思ったより増えることがあります。
入院する日があらかじめ決まっている場合は、月をまたぐかどうかも含めて、入院前に病院へおおよその費用を確認しておくと安心です。部屋の種類や食事代などもあわせて聞いておけば、退院時に慌てずに済むでしょう。
高額療養費を使うためのカンタン申請手順
入院や手術で医療費が高くなりそうなときは、まずマイナ保険証を使えるか確認しましょう。対応している医療機関であれば、窓口に設置されている顔認証付きカードリーダー等の端末で「限度額情報を提供する」ことに同意します。これにより、支払いを自己負担限度額までに抑えられる場合があります。
マイナ保険証を使えない場合は、加入している健康保険に「限度額適用認定証」を申請します。会社員やその扶養家族は健康保険組合や協会けんぽ、自営業者などは市区町村の国民健康保険窓口、75歳以上は後期高齢者医療制度の窓口が主な相談先です。
手続きは、まず加入している健康保険を確認し、所定の申請書に必要事項を記入して提出する流れです。認定証が届いたら、入院先の窓口に提示します。そうすることで、退院時の支払いを限度額までに抑えやすくなります。すでに高額な医療費を支払った場合でも、あとから高額療養費の支給申請を行うことで、払い戻しを受けることが可能です。
申請には、保険証や資格確認書、本人確認書類、振込先口座、領収書などが必要になることがあります。必要書類は加入している健康保険によって異なるため、入院が決まったら早めに確認しましょう。家族が手続きする場合も、本人の保険情報や口座情報をまとめておくとスムーズです。
入院前に高額療養費制度を確認して医療費の不安を減らそう
65歳からの医療費は、高額療養費制度を使うことで大きく抑えられる可能性があります。ただし、月5万7600円が上限になるかどうかは、年齢や所得、加入している健康保険によって異なります。また、差額ベッド代や食事代など、制度の対象外となる費用にも注意が必要です。
入院が決まったら、まず自分の自己負担限度額を確認しましょう。マイナ保険証や限度額適用認定証を使えば、窓口での支払いを抑えやすくなります。制度を早めに知って準備しておけば、医療費への不安が減り、治療に向き合いやすくなるでしょう。
出典
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
全国健康保険協会(協会けんぽ) 高額療養費
全国健康保険協会(協会けんぽ) 限度額適用認定証
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
