休職中で傷病手当金を受給しています。近々退職予定なのですが、退職後は夫の扶養に入れますか?
会社を辞めると自分の健康保険の資格はなくなるため、退職後の医療保険をどうするか決める必要があります。選択肢は、夫の健康保険の扶養に入る、国民健康保険に加入する、現在の健康保険を任意継続する、の主に3つです。
ただし、傷病手当金は扶養認定の収入として見られることがあり、受給額によっては夫の扶養に入れない場合があります。退職前に夫の勤務先へ確認しましょう。
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退職後も傷病手当金を受けられる場合がある
まず確認したいのは、退職後も傷病手当金を受け続けられるかです。協会けんぽでは、退職日の前日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日時点で傷病手当金を受けている、または受けられる状態であれば、退職後も引き続き支給を受けられるとしています。
つまり、退職したら必ず傷病手当金が止まるわけではありません。条件を満たしていれば、支給開始日から通算して1年6ヶ月の範囲で受け取れる可能性があります。
ただし、退職日に出勤してしまうと注意が必要です。退職日時点で仕事に就ける状態と見られると、退職後の継続給付に影響する場合があります。退職日を有給扱いにするのか、欠勤扱いにするのか、会社や健康保険に確認しておきましょう。
また、退職後の申請では、医師の証明や事業主の証明が必要になることがあります。退職後に会社と連絡が取りづらくなる前に、申請手続きの流れを確認しておくと安心です。
失業給付を受けていないことも条件のひとつです。国の雇用保険制度である失業等給付の基本手当は働くことができる方に対する給付であり、傷病手当金の支給要件と相反するためです。つまり、併用はできないということです。
傷病手当金の金額によっては夫の扶養に入れないことがある
夫の健康保険の扶養に入れるかどうかは、夫の勤務先が加入している健康保険組合や協会けんぽの認定基準で判断されます。
一般的には、被扶養者の年収見込みが130万円未満であることが一つの目安です。19才以上23歳未満は150万円未満、60歳以上や障害者の場合は180万円未満が目安となります。
ここで注意したいのは、傷病手当金も収入として扱われることがある点です。給与がなくても、傷病手当金を受け取っている場合、その日額が基準を超えると扶養に入れない可能性があります。
年収130万円を日額に直すと、目安はおおよそ3612円未満です。傷病手当金の日額がこれを超える場合、夫の扶養認定で対象外になることがあります。
傷病手当金は、支給開始前の標準報酬月額をもとに計算されるため、休職前の給与がある程度高かった人は、扶養基準を超えやすくなります。
ただし、健康保険組合によって扱いが異なる場合があります。必ず夫の勤務先の人事や健康保険組合に、「退職後も傷病手当金を受ける予定だが、扶養に入れるか」を確認しましょう。見込み収入として何を提出する必要があるかも聞いておくと手続きがスムーズです。
扶養に入れない場合は国保か任意継続を比較する
傷病手当金の金額が基準を超え、夫の扶養に入れない場合は、国民健康保険に加入するか、退職前の健康保険を任意継続するかを比較します。
国民健康保険は市区町村が窓口です。保険料は前年所得や世帯状況、自治体によって変わります。前年の収入が高いと、退職直後の国保料が高く感じることがあります。一方で、収入が減った場合の減免制度がある自治体もあります。
任意継続は、退職前の健康保険を原則2年間続けられる制度です。ただし、在職中は会社が半分負担していた保険料を、退職後は原則として全額自己負担するため、保険料が高くなることがあります。加入には期限があるため、退職後すぐに手続きが必要です。
どちらが安いかは人によって違います。退職前に、現在の健康保険へ任意継続の保険料を確認し、市区町村で国民健康保険料の試算もしてもらいましょう。扶養に入れるか分からないまま退職すると、保険の空白や高い保険料に慌てることがあります。
まとめ
休職中に傷病手当金を受給していて退職する場合、条件を満たせば退職後も傷病手当金を受け続けられる可能性があります。ただし、退職日時点で受給中または受けられる状態であること、被保険者期間が継続して1年以上あることなどが重要です。
一方で、退職後に夫の扶養に入れるかは別問題です。傷病手当金は扶養認定上の収入として見られることがあり、日額が目安を超えると扶養に入れない場合があります。給与がなくなるから自動的に扶養に入れるとは限りません。
退職前に、夫の勤務先、現在の健康保険、市区町村へ確認しましょう。扶養に入れない場合は、国民健康保険と任意継続の保険料を比較することが大切です。体調がつらい時期だからこそ、退職前に手続きの見通しを立てておくと安心です。
出典
協会けんぽ 傷病手当金
協会けんぽ 病気やケガで4日以上仕事を休んだとき
日本年金機構 従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き
全国労働金庫健康保険組合 被扶養者の認定基準
厚生労働省 雇用保険制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
