6月からの“診療報酬改定”で、マイナ保険証でないと「初診時の加算が3倍にアップ」と妻に聞き驚き! まだ“紙の保険証”ですが、支払いが増えるのでしょうか? 新設制度と“誤解の多いポイント”を確認
結論から言うと、「使わないと3倍になる」という情報は過去の制度に関するものであり、現在のルールには当てはまりません。
本記事では、2026年(令和8年)6月の診療報酬改定で新設された「電子的診療情報連携体制整備加算」の内容と、窓口負担への影響、そして対応のポイントについてFPの視点から解説します。
2級ファイナンシャルプランナー技能士
「使わないと3倍にアップ」は過去の話。ルールはどう変わったのか
「初診時の加算が3倍になる」という話は、2024年の診療報酬改定時に話題になった「医療情報取得加算」に関するものです。当時は、マイナ保険証を使えば1点(窓口負担約3円)、使わない場合は3点(窓口負担約9円)と、保険証の種類によって負担に差がありました。
しかし、2024年12月に従来の健康保険証の新規発行が終了したことに伴い、マイナ保険証の利用の有無による窓口負担の差は撤廃されています。現在の制度(2026年6月以降)では、「従来の保険証(現在は資格確認書等)を使うと窓口負担が3倍になる」という仕組みはありません。
新設された「電子的診療情報連携体制整備加算」とは?
2026年6月の改定で新設されたのが、「電子的診療情報連携体制整備加算」です。これは、国が推進する医療DX(電子処方箋の導入や電子カルテの全国的な情報共有など)に積極的に取り組んでいる医療機関を評価するための加算です。医療DXにかかる施設基準によって、加算1、加算2、加算3の区分があります。
患者がマイナ保険証を使うかどうかではなく、「受診する医療機関のシステムがどれくらい整備されているか」によって、初診時に以下の点数が一律で加算される仕組みです。
・加算1:15点(3割負担で約45円の負担増)
・加算2:9点(3割負担で約27円の負担増)
・加算3:4点(3割負担で約12円の負担増)
つまり、最新の医療システムを導入しているクリニック(加算1)を受診した場合、マイナ保険証を出しても資格確認書を出しても、等しく約45円が初診料に上乗せされます。
結局どう対応すればいい?
「システムが整った病院に行くと数十円高くなるなら、加算のない病院を探したほうが得では」と考える人もいるかもしれません。
ただ、医療DXが整った病院では、過去の薬の処方歴やアレルギー情報を医師が正確に把握できるため、重複投薬の防止や適切な診断につながるというメリットがあります。数十円の加算を踏まえても、整備された環境でかかりつけ医に診てもらうことは、長い目で見ると家計や健康にとってプラスになることもあるでしょう。
まとめ
「マイナ保険証を使わないと個人の負担が3倍に増える」という仕組みは、2026年6月の改定では存在しません。新たなルールでは、受診する病院のDX化の進み具合によって加算額が決まります。
「従来の保険証のままでも、罰金のように3倍取られることはない」とまず把握した上で、マイナ保険証への移行については、必要に応じて検討してみてください。
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士
