定年後は自動的に国民健康保険になると思っていました。夫に「手続きしないと無保険になるかも」と言われ不安です…… いつまでに申請すべきですか?

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定年後は自動的に国民健康保険になると思っていました。夫に「手続きしないと無保険になるかも」と言われ不安です…… いつまでに申請すべきですか?
日本の公的医療保険には、主に3つの制度があります。1つ目は、主に市区町村が保険者となる「国民健康保険」です。
 
2つ目は、会社員などが加入し、全国健康保険協会や健康保険組合が保険者となる「健康保険」、3つ目は、75歳以上の人を対象とする「後期高齢者医療制度」です。国民健康保険や健康保険の被保険者が75歳に到達すると、後期高齢者医療制度の被保険者へ移行します。
 
本記事では、定年退職者の保険加入の選択肢や主な手続きなどについて確認していきます。
高橋庸夫

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

定年退職者の公的医療保険の選択肢

タイトルの事例では、健康保険の被保険者が定年となり、自動的に国民健康保険の被保険者となるのかとのことですので、当然ながら、2つの制度の保険者が異なるため、自動的に移行することはなく、期限内に手続きが必要となります。
 
原則、期限内に手続きを怠ると、無保険の状態となるおそれがあるため注意が必要です。退職の際の選択肢は、以下のとおりとなります。
 
(1)再就職する
最近は、定年退職した後も働けるうちは働くという人も多いと思われます。この場合には、再就職先の会社を通じて健康保険の被保険者となります。
 
ただし、退職した前の会社の退職日の翌日から被保険者としての資格を喪失するため、再就職日までに一定の期間が空く場合には、その間に無保険となることを避けるため、国民健康保険への加入などの手続きが必要となります。
 
(2)国民健康保険(国保)に加入する
会社員のときには全て会社が手続きしてくれたので、意識のない人もいらっしゃるかと思われますが、退職後に再就職の予定がない人は自ら市区町村の窓口等で国保への加入手続きをする必要があります。
 
期限は、原則退職日の翌日(資格喪失日)から14日以内で、加入の届け出が必要です。保険料は、前年の所得等で計算されますが、市区町村によって異なるため確認を要します。また、保険料の負担に関して会社員のとき(労使折半)とは違い、全額自己負担となります。
 
(3)健康保険の任意継続被保険者となる
退職者(ただし、資格喪失日の前日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヶ月以上ある人)が、任意継続被保険者となることができます。加入期間は最長2年間で、資格喪失日から20日以内に申請する必要があります。この場合にも、保険料は全額自己負担となります。
 
(4)家族の被扶養者となる
健康保険の被保険者である家族(配偶者、親や子どもなど)の被扶養者となる場合もあります。この場合には、被保険者(家族)の勤務する会社等を通じて被扶養者の手続きを行います。この際に被扶養者が20歳以上60歳未満の配偶者の場合には、同時に国民年金の第3号被保険者となるため、健康保険や国民年金の保険料の負担もなくなります。
 

妻の立場による違い

タイトルだけでは読み取れませんが、退職時の妻の立場による違いは以下のとおりです。
 
(1)妻が定年退職した場合
妻(本人)が定年退職者であったケースでは、前述の4つの選択肢から公的医療保険を選択し、期限内に手続きする必要があります。
 
(2)夫が定年退職し、妻は夫の健康保険の被扶養者となっていた場合
夫の健康保険の資格が喪失したケースでは、被扶養者であった妻(本人)の資格も喪失します。仮に、夫に再就職する予定がなく、国保に加入する場合には、国保には「扶養」の制度がないため、妻も国保に加入する必要があります。
 
多くの場合には、夫が国保への加入手続きの際に、同時に被扶養者であった妻の加入手続きを行いますが、夫が妻の手続きを怠ってしまうと、妻のみ無保険となることもあり得ます。また、妻は国民年金の第3号被保険者から第1号被保険者となるため、20歳以上60歳未満の場合には自ら国民年金保険料を負担する必要があります。
 

まとめ

手続きを怠り、無保険となってしまうことにも注意が必要ですが、退職時の選択肢としてどれが有利(保険料負担を軽減できるのか)なのかも重要な判断基準となるでしょう。特に、国民健康保険と任意継続被保険者になった場合の保険料の違いで判断が難しいケースもあります。
 
不明な点や詳細な確認を要する場合には、各保険者の担当部署に問い合わせすることをお勧めします。保険料の減免措置などが用意されている場合など有利な情報が得られる場合もあるので、常に最新の情報収集に努めましょう。
 

出典

千葉市 勤務先の健康保険をやめたとき(被扶養者でなくなったとき)
全国健康保険協会(協会けんぽ) 任意継続の加入条件について
全国健康保険協会(協会けんぽ) 加入期間について
内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン 年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。
 
執筆者 : 高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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