退職後の国民健康保険料と国民年金保険料で「年間約100万円」と聞いてショック……。会社員時代の健康保険料より高くなることはあるのでしょうか?
なぜ、会社を辞めたら社会保険料は高くなるのでしょうか。
夢実現プランナー
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会社員時代の負担は軽減されている
日本の社会保険制度は、大きく分けると2つあり、会社員などの人が加入する健康保険や厚生年金保険と、自営業者や学生などが加入する国民健康保険と国民年金があります。
健康保険と国民健康保険は、公的な医療費制度で、厚生年金保険と国民年金は、老齢年金や遺族年金・障害年金という保障の年金制度になっています。
年収が600万円の会社員の夫と扶養範囲内の100万円の妻と子ども2人の世帯では、40歳以上65歳未満の場合は、健康保険料・介護保険料として11.47%、子ども・子育て支援金として0.23%、厚生年金保険料として18.3%が毎月の給与に応じた標準報酬月額に乗じられて徴収されています。
ただし、会社員などは、労使折半という、事業主と加入者が2分の1ずつ払う仕組みになっています。そのため、会社員をやめて自営業やフリーランスとなった場合には、社会保険料は全額自己負担になります。
国民健康保険は各自治体で料率が異なり、医療分と後期高齢者支援分と介護分の合計額となり、それぞれに所得割・資産割・均等割・平等割から保険料を算出して払うことになります。
令和8年度の国民年金保険料は月額1万7920円で、毎月納付だと年間21万5040円ですが、1年前納すると21万1220円となっています。
退職後に夫婦ともに国民年金の第1号被保険者となる場合、国民年金保険料は夫婦それぞれにかかるため、夫婦2人分では月額3万5840円、年間では43万80円となります。ここに、前年所得などをもとに計算される国民健康保険料が加わるため、退職直後は想定以上の負担になることがあります。
社会保険制度の落とし穴
日本の保険制度における保険料の算出方法は、各制度で違いがあり複雑になっています。
国民年金保険料は、加入者には一律ですが、前納や払い方によっては保険料が変わります。
国民健康保険は、前述しましたが、医療分・後期高齢者支援分・介護分の所得割で所得に対する料率やその他の算出基準を各自治体が決めています。
厚生年金保険料は、4~6月の給与額から算出した標準報酬月額に保険料率を掛けて算出したものを9月分~翌年8月分までが給与から天引きされて納付されます。会社員などが加入する健康保険は、この厚生年金保険料と同じ方法となります。
会社を退職して自営業などになった際に、すぐに会社員時代の水準やそれ以上の収入があればいいですが、収入が一時的にでも減ってしまうこともあります。
社会保険料は収入に応じて保険料が変わってきますが、ここで問題点となるのが、基準となる収入は前年の収入であるということです。
さらに会社員などの第2号被保険者と個人事業主などの第1号被保険者は徴収に対するルールも違っています。会社員時代には収入が多く、社会保険料も会社と折半なので、保険料の負担が大きく感じていなくても、退職をした前年の収入が多い場合に、国民健康保険料や介護保険料が高くなってしまうことがあります。
退職前に事前に対応策を考えておく
退職後に社会保険に加入するには、いくつか方法があります。
まず考えられるのは、今回のケースのように退社後、国民年金と国民健康保険に加入するケースです。
次に考えられるのは、年金制度は国民年金に加入し、医療保険は任意継続被保険者として健康保険に加入し続けるというケースです。会社員時代には会社と折半でしたが、任意継続被保険者となった場合には、会社が負担していた分も本人が払う必要があります。ただし最長で2年間という制限もありますので、注意が必要です。
もう一つ考えられるのは、家族に会社員がいれば、その家族の扶養に入るということです。この場合は、被扶養者の収入が扶養者の収入の半分以下であることや、収入の上限などの条件もありますが、本人の負担はゼロになる可能性もあります。
これらの選択肢があり、退職前や退職してすぐに管轄の窓口に行って、保険料のシミュレーションなどを行い、負担の少ない加入方法を選びましょう。
まとめ
会社に勤めていた人が退職し、自営業やフリーランスになって、社会保険料を払おうとすると高く感じることもあります。
それは前年の収入が多い場合には、前年の収入で保険料が計算されていることや会社と折半だったことで、社会保険料の負担が軽減されていたことにあります。
特に、退職後に夫婦2人が国民年金に加入する場合は、国民年金保険料だけで年間43万円を超えます。さらに、ここに前年所得などをもとに計算される国民健康保険料が加わるため、想定以上の負担になることがあります。
事前に、社会保険の仕組みについて理解をし、慌てることなく、負担軽減方法を検討しておきましょう。
出典
全国健康保険協会(協会けんぽ) 令和8年3月分(4月分納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
日本年金機構 国民年金保険料の前納
執筆者 : 吉野裕一
夢実現プランナー
