終身保険(月2万・20年払い)を解約しNISAに回すか迷っています。運用した方が増えそうですが、今解約すると30万損します。損切りしてでも乗り換える価値はありますか?
特に、すでに加入している保険を見直して資産運用へ切り替える場合は、保障内容や解約時の条件も確認する必要があります。
本記事では、終身保険を見直してNISAでの運用を検討するときに、押さえておきたい判断のポイントを解説します。
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終身保険を解約するときに生じる影響
終身保険を途中で解約すると、解約返戻金がこれまでに支払った保険料の総額を下回ることがあります。特に加入からの期間が短い契約の場合は、元本割れするケースも珍しくありません。
ただし、「今解約すると30万円損をする」という理由だけで、契約を続けると決めるのも適切ではありません。判断するときに重要なのは、すでに支払った金額だけではなく、今後支払う保険料と将来受け取れる金額を比べることです。
例えば、月2万円の保険料であれば年間保険料は24万円となり、今後10年間支払い続けると、追加で240万円を負担することになります。そのため、現在の解約返戻金に加えて、5年後や10年後、払込終了時にいくら受け取れるのかも確認しておくとよいでしょう。
仮に今現在解約すると30万円の元本割れするとしても、数年後に解約返戻率が大きく増える契約であれば、継続するメリットがあるかもしれません。一方、今後も多額の保険料を支払い続ける割には解約返戻金の増加が小さい場合は、早めに見直す選択肢も考えられます。
終身保険とNISAの違いを整理する
終身保険とNISAは、どちらも将来に向けてお金を準備する手段ですが、役割は大きく異なります。終身保険は、一生涯の死亡保障を確保しながら資金を積み立てられる点が特徴です。これに対してNISAは、投資によって得た利益が非課税になる制度で、主に資産形成を目的として利用されます。
現在のNISAでは、非課税保有期間が無期限で、つみたて投資枠は年間120万円まで利用できます。毎月2万円を投資する場合、年間の投資額は24万円になるため、全額をつみたて投資枠の範囲内で運用することも可能です。
株式や投資信託などに長期間分散して投資すれば、終身保険より高い収益を得られる可能性があります。一方で、NISAを利用した投資は元本保証ではなく、運用成果も確約されていません。相場の状況によっては資産価値が下がり、投資した金額を下回ることもあるため、余裕資金で取り組むことが重要です。
このように、終身保険は「保障」、NISAは「資産形成」という異なる役割を持っています。そのため、単純に運用利回りだけを比べるのではなく、死亡保障がどの程度必要なのかも含めて検討する必要があります。
終身保険の解約以外に考えられる方法
終身保険を見直す際は、解約するかどうかだけでなく、現在の死亡保障が今後も必要かを確認することが大切です。
例えば、子どもが小さく、万一の際に家族へまとまったお金を残す必要がある場合、終身保険を解約してNISAだけにすると保障が不足するおそれがあります。そのようなときは、必要な期間だけ掛け捨ての定期保険などで保障を確保し、保険料の負担を抑えた分をNISAへ回す方法も考えられます。
一方、十分な預貯金がある場合や、子どもの独立などによって大きな死亡保障が必要なくなっている場合は、終身保険を維持する必要性が低くなることもあるでしょう。
また、契約内容によっては、解約せずに「払済保険」に変更できる場合があります。払済保険とは、以後の保険料の支払いを止め、保障額を減らしたうえで契約を継続する仕組みです。この方法を利用できれば、解約による損失をその時点で確定させず、今後支払う予定だった月2万円をNISAへ回せる可能性があります。
なお、保険料を負担した本人が解約返戻金を一括で受け取り、利益が生じた場合は、原則として一時所得の対象になります。一時所得は、受取額から支払保険料などを差し引き、さらに最高50万円の特別控除を適用して計算します。
今回のように解約返戻金が払込保険料の総額を下回っている場合は、通常、その解約によって一時所得が生じることはありません。
このように、終身保険を見直す方法は解約だけではありません。保障の必要性や契約内容を確認しながら、払済保険への変更や別の保険との組み合わせも含めて検討すると、自分に合った選択をしやすくなるでしょう。
終身保険を解約するかは将来の負担と保障で判断しよう
今解約すると30万円の損が出るとしても、それだけで終身保険を続ける必要はありません。一方、NISAの方が増えそうという理由だけで解約すると、必要な死亡保障を失うおそれがあります。
そのため、目先の損得だけではなく、現在と将来の解約返戻金、残りの保険料、今後必要となる保障額まで含めて考えることが重要です。あわせて、NISAには元本割れの可能性があることも踏まえて比較する必要があります。払済保険への変更も含めて選択肢を整理し、自分や家族の状況に合った方法を選びましょう。
出典
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
国税庁 No.1750 死亡保険金を受け取ったとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
