クレジットカード付帯の海外旅行保険。注意すべき4つのポイント

配信日: 2017.10.21 更新日: 2019.01.10

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クレジットカード付帯の海外旅行保険。注意すべき4つのポイント
現代社会において、クレジットカードは便利なプラスチックマネーです。
国内においてはもちろん、海外においては、更にその利便性が増すことがあります。
クレジットカードによっては、海外旅行保険が付帯されているものや、キャッシングにも対応しているものもあるからです。
海外旅行保険を検討する場合には、クレジットカード付帯のものも考慮に入れ、足りない部分を別途購入したいところです。
では、このクレジットカード付帯の海外旅行保険には、どんな注意点があるのでしょうか。
岩永真理

Text:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

自動付帯か、利用付帯か要確認

 
海外旅行保険がついているといっても、自動的に付帯されるものとそうでないものがあります。
後者の場合、該当するクレジットカードを使って、海外旅行のための公共交通機関の代金やツアー代金を、日本出国前に支払った場合にのみ海外旅行保険が有効に(利用付帯)なります。
 
まずは、手持ちのカードがどちらのケースに該当するのか、正確に確認する必要があります。利用付帯の場合は、海外旅行保険を発効させるために、旅行代金の一部でもよいので、そのカードで支払わなくてはなりません。出発空港へ行くためのタクシー代や長距離バス代などの支払いでも適用されます。
 

広告表示に注意

 
「最大保険金2千万円」など、最高保障額が書かれたもののほとんどは死亡保障です。
死亡保障は多いに越したことはないですが、生命保険に既に入っている方にとっては、優先順位は低いでしょう。
海外旅行保険で最も必要なのは海外では高額になりがちな治療費用です。
高額な保障がついているとばかり思っていると、実は治療費は50万円程度しかない、というケースもありますので、保障の内容は治療費用を主体に見ることが重要です。
 

複数カードの保険金額の合算は可能か?

 
カードを複数枚持っている場合については、各保険金額の合算の可否が追加保障の必要性を見極める上で重要です。
 
<死亡・後遺障害>
個人カードでは最も高い保険金額が上限となります。
何枚カードがあっても保険金額の合算はできません。
 
<治療費用>
それぞれのカードの各保険金額を合算することができます。
従って、治療費保障が150万円のカードを3枚持っていれば、450万円までの治療保障があることになります。
 
アジア地域では、一月の入院などでも500万円程度で足りることもありますが、医療費が高額のアメリカ・カナダでは、ケガなどで長期入院などをすると不足することも考えられます。その他先進国でも、1千万円程度の治療保障があると安心かもしれません。
カード付帯の海外旅行保険だけでは足りない場合は、別途オーダーメードの海外旅行保険で買い足すことも必要かもしれません。
 
入会金や年会費がゼロで、海外旅行保険が自動付帯となるクレジットカードもありますが、長期滞在で頻繁に海外を訪れる人でなければ、ただ海外旅行保険目的のためだけにやみくもにカードの枚数を増やすことは、その後の家計管理やカード管理などの手間を考えると、得策ではないこともあります。慎重に検討するとよいでしょう。
 

保険証券がない!旅行期間にも注意!

 
クレジットカード付帯の海外旅行保険には、保険証券が一切ありません。
そのため、自分で支払いをせずに、保険会社から直接医療機関へ払ってもらう制度(キャッシュレス診療)が付帯されていても、直接医療機関へ保険証券を提示することができません。
まずはコールセンターへ電話をして、保険会社から医療機関へ承認の連絡をしてもらう必要があります。
 
キャッシュレス診療ではなく自分で治療費を支払う場合には、直接医療機関へ行ってもよいでしょう。
ただし、帰国後に保険金を請求する際に、パスポートの出入国記録のスタンプや、飛行機の搭乗券の半券などで旅行期間を証明する必要があります。
保障される旅行期間も、カード付帯のものは90日の場合が多いので、それ以上の期間を連続して旅行される場合には、カード付帯のものは適用できませんので注意が必要です。
 
Text:岩永 真理 (いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランナー技能士・CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
http://www.iwanaga-mari-fp.jp/

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