被災して生保や損保の保険料が支払えない…保険証券も失ってしまった。どうすればいい?

配信日: 2019.10.02

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被災して生保や損保の保険料が支払えない…保険証券も失ってしまった。どうすればいい?
近年、想定を超える規模の風水害の被害が各地で起きています。家屋の流失や焼失等により、住む場所や職場を失ったりして経済的に困窮したり、また、保険契約に関する証券などの書類を失い、保険金の請求を行うことが困難な場合があります。
 
このような事態に備えて、生命保険会社や損害保険会社では、災害時に特別な取り扱いをしています。どのような制度があるのか、相談先はどこか、知っておきましょう。
 
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

保険料払込猶予期間の延長等

生命保険会社各社では、災害により災害救助法が適用された地域の被災契約者の契約について、申し出により、保険料の払込みについて、猶予する期間を最長6ヶ月延長する取り扱いや、申し出により、必要書類を一部省略する等により、保険金・給付金、契約者貸付金等の簡易迅速な取り扱いをする仕組みがあります。
 
各損害保険会社でも、同様に、災害救助法が適用された地域で契約者が被害を受けた場合、火災保険、自動車保険、傷害保険などの各種損害保険(自賠責保険を除く)について、継続契約の手続きや保険料の支払いを猶予する取り扱いをする仕組みがあります。
 
これら取り扱いの詳細は、契約先の保険会社にお問い合わせください。
 

災害時の契約照会制度

生命保険協会は、災害救助法が適用された地域において被災された契約者について、家屋の流失や焼失等により生命保険契約に関する保険証券などの書類を失い、保険金の請求を行うことが困難な場合等に、生命保険契約の有無の照会に応じています(災害地域生保契約照会制度)。
 
ただし、この制度を利用できるのは、原則として、被災された方(ご本人)とその親族(配偶者・親・子・兄弟姉妹)となっています。損害保険会社にも同様の仕組みがあります(自然災害等損保契約照会制度)。
 
なお、災害救助法等が適用されていない地域で発生した災害の場合は、当センターは利用できません。
 
※生命保険協会「災害地域生保契約照会センター」
フリーダイヤル 0120-001731
【受付時間】平日9:00~17:00(祝日を除く) 
 
※日本損害保険協会「自然災害等損保契約照会センター」
フリーダイヤル  0120-501331
【受付時間】平日9:15~17:00(土・日・祝日および12月30日から1月4日までを除く)
 

災害死亡保険金・入院保険金の免責事由

約款所定の「免責事由」(支払われない事由)に該当した場合、保険金・給付金は受け取れません。自然災害の中でも「地震、噴火または津波」は生保商品と損保商品では約款上取り扱いが違っています。
 
生命保険の災害死亡保険金・入院給付金の免責事由として、「戦争その他の変乱、地震、噴火または津波によるとき。ただし、その程度によっては、保険金・給付金の全額または一部を受け取れる場合があります」とあります。しかし、今まで、これを理由に保険金が支払われなかったことがありません。
 
損害保険会社の場合はどうでしょう。損害保険商品では、「地震、噴火または津波」による損害は傷害保険や火災保険などにおいて保険金の支払いの対象外となっています。
 

家族登録制度を活用しよう

「家族情報登録制度」は、契約者以外の連絡先として家族を事前に登録しておく制度です。登録できる家族は「被保険者の法律上の配偶者」「3親等以内の親族」とする保険会社が多いようです。
 
災害などの理由で契約者と連絡が困難な場合や、各種手続きの案内が契約者に届かなくなった場合、安否状況などを保険会社から家族に問い合わせることが可能になります。
 
また、登録した家族が電話などで保険会社に問い合わせると、具体的な契約内容や保険金請求のための手続き方法を教えてもらえますので、迅速な保険金請求が可能になります。家族を登録しておけば、災害時等に安心です。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー


 

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