自転車保険の自転車事故に対する補償とは?

配信日: 2020.09.29

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自転車保険の自転車事故に対する補償とは?
日常の生活の中で利用されることの多い自転車。自転車は、若い人から歳を重ねた人までいろいろな人に利用します。その中で、自動車やバイクとの事故、自転車同士や歩行者との事故などが近年多くなっています。
 
自転車は便利な移動手段ですが、ちょっとした油断やよそ見などで自分がけがをすることや、人や物に被害を与える可能性があります。自転車について正しい知識を持つことが重要です。
高畑智子

執筆者:高畑智子(たかばたけ ともこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者

自転車の法的位置づけ

自転車は道路交通法上、軽車両と位置づけられています。したがって、歩道と車道の区別のあるところは車道通行が原則となっています。これに違反した場合は、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金となっています。
 
しかし、次の場合は、歩道通行ができることとなっています。
 
1.歩道に「普通自転車歩道通行可」の標識等があるとき。
 
2.13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、体の不自由な人が自転車を運転しているとき。
 
3.道路工事や連続した駐車車両などのために、車道の左側部分を通行するのが困難な場所を通行する場合や、著しく自動車の通行量が多く、かつ、車道の幅が狭いなどのために、追い越しをしようとする自動車などの接触事故の危険性がある場合など、普通自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ないと認められるとき。
 
また、自転車道があるところでは、道路工事などやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければいけないとなっています。

自転車事故の例

自転車に関する法律として、平成26年6月1日に「自転車運転者講習制度」が施行されています。対象者は14歳以上で、大人だけではなく中学生などの子どもも対象者です。
 
これにより、信号無視など危険なルール違反を繰り返すと、自転車運転者講習を受講しなくてはいけなくなりました。受講の命令に従わなかった場合は5万円以下の罰金となり、危険な運転を繰り返す自転車運転者への取り締まりが強化されました。この背景には、近年の自転車事故の増加が挙げられます。
 
具体的な危険行為として、自転車の通行が認められている歩行者用道路を自転車で通行する際に、歩行者に注意しない、また徐行しないなどの行為や、ハンドル・ブレーキ等を確実に操作せず、他人に危害を及ぼすような速度や方法で運転する行為、傘さし運転や携帯電話、スマートフォン等を操作しながらの運転で事故を起こした場合も、安全運転義務違反となり講習の対象となることがあります。
 
実際、傘さし運転やスマートフォン等を操作しながら自転車に乗っている人は多いと思います。スマートフォン等を操作しながら自転車に乗ることは危険な行為であるということを認識し、行わないようにしましょう。
 
自分自身や家族が事故の被害者となる場合や、加害者となった場合に備えて、自転車保険があります。自動車保険の加入については、地方自治体で加入義務または努力義務とされています。
 
加入しなくても罰則などはありませんが、事故があった場合、数千万円の補償等が発生する可能性があるため、加入されることをお勧めしたいと思います。

自転車事故に対する補償

自転車事故に関連する損害で考えなくてはいけないのは、被害者への補償、自分自身の補償ではないでしょうか。自分がけが等をした場合は、生命保険や医療保険、傷害保険などで保障されます。
 
万一の際、被害者へ補償を目的に自転車保険の加入を検討されている方は、まずは自分が入っている個人賠償責任保険に、自転車事故に関する内容が含まれていないか確認していただきたいと思います。
 
例えば、お店の物を壊してしまった場合や、子どもが人の物を壊したりした場合などを補償する個人賠償責任保険には、被害者への補償を行う自転車事故に関する保険が含まれていることがあります。もし、現在契約の保険に自転車事故の補償が含まれていなくても、保険によっては月々100円くらいから特約で付加できます。
 
上記のような保障だけでは足りない場合は、自転車保険単体の加入を検討していただきたいと思います。自転車保険は保険代理店の窓口だけではなく、インターネットや通信販売、一部のコンビニエンスストアなどから加入できます。
 
こちらも月々100円くらいから加入できますが、補償内容によって月々600円以上のものもありますので、補償内容を確認して自分に合った保険を選択していただきたいと思います。
 
執筆者:高畑智子
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者

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