更新日: 2019.01.11 その他保険

子どもの誕生は保険を見直すタイミング。共働き夫婦の場合は?

執筆者 : 福島佳奈美

子どもの誕生は保険を見直すタイミング。共働き夫婦の場合は?
子どもが生まれたら、一旦、保険を見直す必要があります。今回は、共働き夫婦が子どもの誕生で保険を見直す場合のポイントをご紹介します。
福島佳奈美

Text:福島佳奈美(ふくしま かなみ)

【保有資格】CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士・DC(確定拠出年金)アドバイザー

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務。子育て中の2006年にCFP資格を取得、FPとして独立。「ライフプランニング」をツールに教育費や保険、住宅ローンなど家計に関する悩みを解決することが得意です。

子どもが生まれたらなぜ保険見直しが必要?

そもそも、子どもが誕生するとなぜ保険の見直しが必要なのでしょうか?子どもが生まれると教育費が必要ですし、生活費も増えます。共働きの家庭は、片方が働けなくなった場合でも相手が働き続けることができますので、保険は不要なのでは?と思われるかもしれません。ですが、夫婦どちらかに万一のことがあっても大丈夫なのか、一度「必要保障額」を算出して判断しましょう。
 
必要保障額とは、住居費、教育費、生活費等の支出見込み額の合計から、遺族(厚生)年金、預貯金、配偶者の勤労収入等の収入見込み額合計を差し引いた額です。夫婦それぞれについて算出しましょう。すでに住宅を購入済みの場合、夫婦共有名義なら団体信用生命保険にどのような形で加入しているか、契約内容によって残された遺族の住宅ローン負担額は異なりますので、その点に注意して算出しましょう。
 

公的な保障にはどのようなものがあるかをチェック

生命保険に加入する場合、まずは公的な保障をどのくらい受けられるのかをチェックし、不足する部分を民間の保険で補うと無駄な保険料を払わなくて済みます。代表的な公的な保障には、以下のようなものがあります。
 
■遺族(厚生)年金
自営業の方は、子が18歳到達の年度末まで遺族基礎年金が支給されます。金額は一律で年額779,300円に第1子、第2子は各224,300円、第3子以降は各74,800円が加算されます(平成29年度の金額)。サラリーマンの方は、さらに上乗せで遺族厚生年金が支給されます。こちらは平均標準報酬月額(加入期間の標準報酬月額を平均した額)によって金額は異なります。
 
■障害(厚生)年金
障害等級1級の場合、年額779,300円×1.25。2級の場合は年額779,300円。それぞれ子どもがいる場合、第1子、第2子は各224,300円、第3子以降は各74,800円が加算されます(平成29年度の金額)。障害厚生年金は、障害等級1級から3級が支給対象となります。1、2級に該当する場合は障害基礎年金に上乗せで支給され、金額は、平均標準報酬月額により異なります。
 
■傷病手当金
健康保険に加入しているサラリーマンが、病気やケガで4日以上休んでいて働けない場合、健康保険から支給されます。支給期間は1年6か月、金額は給与の6割程度です。
 
■高額療養費制度
医療費の自己負担額が暦月で一定額を超えた場合に、加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽ・市町村国保・後期高齢者医療制度など)が超えた金額を負担してくれる制度。年齢や所得水準によって自己負担の上限額は異なります。入院時の食費負担や差額ベッド代等は対象外です。
 

収入減への備えや子育てにかかる費用も考慮しよう

万一の場合の必要保障額がわかったら不足分は民間の生命保険に加入して備えますが、共働きの場合は、病気やケガで働けなくなった際の「収入減」に備える保険も検討しておく必要があります。特に、家計において妻の収入に頼っている割合が大きい場合は妻の保障もきちんと確保しておきましょう。
 
また、医療費は高額療養費を利用すれば預貯金で何とかなると考えられますが、妻が病気で入院ともなると、ベビーシッター代や慣れない家事の代行サービスなど、予想外の支出がかかる場合もあります。子どもが小さいうちはこれらの費用も考慮し、1年単位で加入できるミニ保険や共済などを活用しても良いでしょう。
 
このように、共働きの場合はお互いの収入がしっかりとあるからこそ、よりきめ細かい保険見直しが必要になります。いざという時への備えは、きちんとしておきましょう。
 
Text/福島佳奈美(ふくしま・かなみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCアドバイザー
ふくしまライフプランニングオフィス 代表
http://kakeifp.com/

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