2019.01.08 暮らし

No show(飲食店無断キャンセル)の被害額はなんと年間2000億円!

執筆者 : 藤木俊明

先日SNS上で問題になった書き込みがありました。それは男性が飲食店の重複予約をしておいて、女性の好みに応じてさりげなくその中の一店に案内するのが素敵……。というような内容でしたが、これこそNo show(飲食店無断キャンセル)を誘発するものではないかと大炎上したのです。
 
食事を予約しておきながら、連絡もとらずキャンセルするNo showは、そのお店に深刻な被害を与えます。今、問題になっているNo showについて、経済産業省が「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」※を発表しました。
 

誰かのNo showが飲食店に深刻なダメージを与えている!

経済産業省によると、わが国でNo showによる被害額は年間で2000億円にも上るとのことです。さらに、通常の予約のうち、1 日前、2 日前に生じるキャンセルも加えると被害額は約 1.6 兆円 に及ぶと推計されるとしています。
 
『国内のNo show被害額は推計年間2000億円にも上ると言われており、一度のNo showが飲食店を閉店に追い込む深刻なダメージを与える等、No showは飲食店の生産性向上を大きく阻害しています。』
 
飲食店を予約すると、お店側は人数に応じて材料を仕入れます。また、そのために当日席を空けておかねばなりません。突然のキャンセル(連絡すらとらない人もいるようです)によって、材料費、とくに生鮮食料品は無駄になります。また、空けておいた席の分は他のお客さんを断るという機会損失が生まれます。
 
同レポートでは目を覆うような実例が記されています、たとえば「大学のサークルの飲み会ということで、幹事から居酒屋の 3000 円のコース50 名分の予約を受けた。
 
しかし、予約当日に一人も来店せず、店には何の連絡もなかった」とか「会社の取引先の接待で、若手社員が和食のA店、洋食のB店、中華のC店をそれぞれ同一日時に予約した。当日、取引先の好みを聞いた上でA店を訪れた。しかし、B店、C店にはキャンセルの連絡が入らず、来店を待ち続けていた」など。
 
また、このようなNo showによって、消費者も「そのせいで予約ができなかった」「No show対策のため飲食店が見込んでいる費用分余計に負担している」などの損失を被っているとしています。つまり、一部の心ない人のNo showによって、飲食店と消費者どちらも迷惑を被っているのです。No showで生じる2000億円が還元されれば、どんなに消費者にとっていいことでしょう。
 

飲食店が備えておくべきことは?

同レポートでは、No showについて損害賠償請求ができるとしていますが、そのためには飲食店側が、適切なキャンセル料を算定すること、キャンセルポリシーを設定すること、また、予約時にその内容について 飲食店側が消費者側に対して明示することが必要だとしています。
 
「コース料理の予約」「席のみの予約」などいろいろなパターンが考えられますね。また、No showは論外としても、急用で1時間前にどうしてもいけなくなったと連絡を入れた場合はどうするのかという問題はあります。
 
No show防止のためには、「予約の再確認(リコンファーム)の徹底」「顧客がキャンセル連絡をしやすい仕組みの整備」「キャンセルポリシーやキャンセル料の目安を明示」「事前決済や預かり金(デポジット)の徴収等の導入」などを行うべきとレポートで述べています。
 
しかし、多くは小規模事業者である飲食店では人手も足りません。そこでレポートではSMS(携帯電話のショートメール)を活用したらどうかと提言しています。SMSは携帯番号さえわかっていれば使える通信手段ですからね。
 
とにかく、利用者側はNo showしないよう、キャンセルせざるを得ないときには必ず連絡をお店に入れるべきですね。万一、正直に連絡したのに、法外に高いキャンセル料を請求された場合は、全国の消費者相談窓口(消費ホットライン局番なしで188)に連絡するようにとレポートに記載されています。
 
※No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポートが発表!(経済産業省)
 
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
副業評論家
 
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藤木俊明

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。