舞台はインターネットの世界へ 詐欺被害の実態

配信日: 2019.01.26 更新日: 2019.07.03

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舞台はインターネットの世界へ 詐欺被害の実態
騙されて高額な商品を購入させられる被害は、お年寄りに多いと言われていましたが、インターネットが普及した現代も、騙す方法の本質は変わっていません。
 
林智慮

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

これ、欲しい人!

催眠商法は、地域を問わず行われました。その方法の一例をご紹介します。
 
【例】
貸事務所などない田舎では、公民館で行われたところもあります。離れや庭先を貸して欲しいと言われた人もいたそうです。
「◯◯がもらえるらしい」と聞いた高齢者を集め、会場の入り口は閉められます。中には、商品をもらってそのまま帰ってしまう人もいましたが、多くの人は「得な話が聞ける」と言われ、その場に残りました。
 
そして、「これ、欲しい人!」というかけ声がはじまります。「これ、欲しい人!」の声に、「はい!」と元気よく手を挙げる人々。ラップなどの生活用品、便利グッズが、手を挙げた人に次々に無料で配られます。
 
手を挙げないと損、そんな空気が流れます。すると、羽毛布団が出てきて、「定価200万の羽毛布団が、今なら80万円。欲しい人!」の言葉にも、「はい!」と、手を挙げて買ってしまう人がいました。
 

購入者には次から次へと

良いと思う商品は、繰り返し購入することがあります。商品だけで無く、「あの店員さんの感じが良いから」という理由で何度も購入することもあります。
 
お客様に必要なものだけを提供する通常の販売であればいいのですが、明らかに不必要なものを次々に買わせる場合があります。「貴方は特別」と言われて大切にされると、特別扱いが嬉しくて「リピーター」になり、さらに高額な商品を購入してしまい、それが続いてしまうことがあるのです。
 
家族と同居しているのなら、家族の誰かが気付いてくれることもあるかもしれませんが、買ったことを咎められると思い、商品を隠してしまうこともあるそうです。さらに一人暮らしの場合は、気付かれるのが遅れる傾向にあります。
 
たまに交わす何気ない本人の言葉から異変に気付いたときには、すでに多くのお金を使ってしまっていた、ということもあるようです。
 
催眠商法による被害や不必要なものを次々と買ってしまう被害は、高齢者に多いと言われていますが、若年層にも別の形で被害が発生しています。
 

舞台はインターネットの世界へ

インターネットの普及で、家にいながらでも買い物ができて便利になりましたが、逆に家にいながらでもトラブルに巻き込まれることが起きてしまいます。
 
ネット通販のトラブルの他、出会い系、ワンクリック詐欺。
 
これらには、さらに、おまけが付きます。ネット通販でものを買ったら、なぜか知らないところからのメルマガが送られるようになることがありませんか? メールアドレスが他の業者の手に渡っているのです。ここで、詐欺被害の一例をご紹介します。
 
【例】
B君のところに、ある日突然、「誰でも簡単に稼げる」「無料」という内容のメルマガが流れてきました。情報商材です。ここで、なぜ、自分のメールアドレスを知っているのだろう・・と思えるのなら、詐欺被害を受けることは無いでしょう。しかし、なんとなくメールを開いてしまいました。
 
最初は「無料」ならばいいかと登録します。すると、とってもお得な「有料」商品が案内されます。購入すると、次は、これを使えば投資分の元が取れるというツールを案内されます。自分の部屋という閉鎖空間の中で、払った分の元を取らなくてはと、焦って購入してしまいます。
 
そうこうしているうちに、「ちゃんと支払ってくれる優良なお客様」には、「貴方は特別」と言い、「特別な商品」が出てきます。「本当は◯◯◯万円だけど、いくらだったら払える?」と、クレジットカードの枠ギリギリまで払わされました。限度額まで借金させられてしまったそうです。
 

まずは、誰かに相談!

騙す方は、「これは詐欺だ」と分かるような騙し方はしません。
 
「どうしよう、騙されたかもしれない」と思ったら、すぐに188「消費生活ホットライン」に相談しましょう。お近くの消費生活センターに繋がります。消費生活センターに繋がらない場合や土日祝日は、国民生活センターに繋がります。
 
一人で悩んで元を取ることを考えるのではなく、まず、誰かに相談しましょう。一人暮らしの家族がいれば、日頃からの声がけが大切です。気付くのが早ければ、被害を最小限にとどめられます。
 
執筆者:林智慮(はやし ちりよ)
CFP(R)認定者
 

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