2019.02.17 暮らし

孫激怒!!孫へのお年玉を親が勝手に使ってしまったら犯罪になるの?

このお正月は、実家に帰ってのんびりしたという家族も多いと思います。
 
帰り際に、おじいちゃん、おばあちゃんから孫(自分には子どもたち)へのお年玉を預かったとします。そのお年玉を子どもたちに渡さず、ちゃっかり使ってしまったら犯罪になるのでしょうか?
 

お母さんが子どもに渡すべきお年玉を使い込んだら?

主婦のMさんはお正月、実家に帰省しました。中学生の息子たちは塾があるので、一足先に家へ帰しました。
 
さて、自分たちも帰ろうかなという時に、おじいちゃん、おばあちゃんから息子たちへのお年玉を渡されます。「これ、あの子たちへの私たちからのお年玉、渡しておいてね」「はいはい」。
 
ところがMさんは、息子であるAくんとBくんに、預かったお金を渡すのを忘れていました。
 
次の日、大学時代の友だちとの食事会があったのですが、お金を下ろすのを忘れてしまっていたMさん、「あ、そういえば、おじいちゃん、おばあちゃんから預かったお年玉があったはず」と子どもたちに渡すはずのお年玉を食事会でパッと使ってしまいました。「子どものお金は親のものよ」
 
それからしばらく、息子たちには黙っていたMさんですが、AくんとBくんが実家のおじいちゃん、おばあちゃんに「今年はもうお年玉くれないの~?」と連絡したのでさあ大変。
 
息子たちは、「お母さん、泥棒じゃん!」「お年玉はぼくらのものだよ!犯罪!」と詰め寄ります。Mさんはしれっと、「あんたたち知らないの!子どものお金は親が管理するものなのよ!子どものものは親のもの!」と言い放ちました。
 
Mさんの行為は、息子たちが言うように犯罪なのでしょうか?
 
*物語はフィクションです
 

子どもたちのお年玉の使い込みは犯罪なのでしょうか? 東京桜橋法律事務所の池田理明弁護士にお伺いしました。

まず、形式的な法律論をあてはめると、本来、そのお年玉は息子たちのために預かったものですので、主婦Mさんが勝手に費消してはいけません。
 
刑法で言うと、自己が占有している他人の物を領得したことになりますので「横領」の構成要件に該当します。
 
また、子どもがおじいちゃんからもらったお年玉なのに、子どもを騙したり脅かしたりしてお年玉の返還を免れようとすれば、「詐欺」や「恐喝」の構成要件にも該当し得ます。
 
子どもたちが犯罪だと怒るのも、基本的にはその通りなのです。
 
ただ、「横領」「詐欺」「恐喝」の構成要件に該当したとしても、実際はお年玉程度を親が使い込んだとして、逮捕されることは、まずありません。
 
刑法には、「親族相盗例」という規定があって、親族間の財産犯(横領、詐欺、恐喝はその適用範囲です)の場合は、刑が免除されています。
 
これは、「法は家庭に入らず」という考え方に基づいた規定で、家庭内での財産犯は、基本的には、家庭内で解決するべきであって、刑罰権という国家権力は発動されないことになっています。
 
それでも、これは、あくまでも刑事上の問題であり、主婦のMさんがお年玉を返さなくてもよいというわけではありません。
 
上記の場合、Mさんには民法上の不法行為が成立すると考えられますので、お年玉に相当する金額を賠償する責任はあります。
 
現実問題として訴訟になることはほとんど考えられませんが、子どもをもつ親としては、自分の行為が刑法上の犯罪の構成要件に該当すること、民法上も不法行為責任を負うべき行為であることを自覚して、きちんと管理してあげる必要があります。
 

子どもの財産は子どものもの

親は子どもの財産を管理するものだというのは、確かにそうですが、「管理する」と「勝手に使う」は大違いです。
 
厳密に言えば犯罪なので、子どものものは子どものものと考えましょう。
 
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
監修:池田理明(いけだみちあき)
弁護士/東京桜橋法律事務所
 
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藤木俊明

執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)

副業評論家

明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。

池田理明

監修:池田理明(いけだみちあき)

弁護士/東京桜橋法律事務所

第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。

座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。



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