2019.03.14 暮らし

出産育児一時金って、どんなふうに支給されるの?

前回は「出産育児一時金」の制度目的などについてお伝えしました。
 
出産育児一時金について、いつ支給されるのか、先に自分で出産費用を準備しないとダメなのか…など、不安に思われる方も多いでしょう。
 
出産育児一時金の支給要件や、支払制度について知っていれば、出産にともなう経済的負担についての悩みをひとつ解消することができます。
 
今回は、支給要件や支払制度について紹介したいと思います。
 

出産育児一時金の支給要件とは

「出産育児一時金」とは、子どもが生まれたときに健康保険から支給してもらえるお金で、金額は1児につき42万円です。
 
まず、知っておきたいことは「支給要件」です。支給要件を知っておくと、気持ちに余裕が生まれます。
 
〇出産育児一時金の支給要件
被保険者または家族(被扶養者)が、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産をしたこと。
 
被保険者は健康保険に加入している人です。被扶養者とは、例えば夫が被保険者であれば、その扶養に入っている妻などのことを指します。そして、妊娠4ヶ月以上の出産が条件になっています。早産、死産、流産、人工妊娠中絶(経済的理由によるものも含む)も支給対象に含まれます。
 
分娩にともなう費用をかなりカバーしてくれるため、経済的に安心できる制度と言えます。
 

出産育児一時金の支払制度とは

出産育児一時金の支給の特徴は「直接支払制度」があることです。
 
出産育児一時金の直接支払制度は、健康保険制度から医療機関に、出産育児一時金が直接支払われる仕組みになっています。そのため、妊婦が出産費用としてまとまった金額を用意する必要はありません。妊婦がしなければならないのは、出産育児一時金の直接支払制度を利用するための手続きを、医療機関との間で行うだけです。
 
ただし、例えば、年間の分娩件数が100件以下などのように小さめの病院・助産所の場合、直接支払制度ではなく「受理代理制度」と言って、医療機関が妊婦に代わって出産育児一時金を受け取ることで清算される仕組みもあります。
 
また、一般的には直接支払制度を利用されると思いますが、希望しない場合はご加入の健康保険制度に出産育児一時金の申請を行い、そのうえで医療機関に支払うという流れになります。
 
※出産にかかった費用が、出産育児一時金の支給額の範囲内だった場合は、出産後、その差額について請求することができます。出産にかかった費用が出産育児一時金の支給額を超える場合には、その超えた額を医療機関へ支払うことになります。
 
家計面では、出産育児一時金は「収入」「支出」「資産」「負債」の4項目のうち「収入」に該当しますが、同時に出産にともなう費用の補填としての意味があるため「支出」にもかかわってくる項目です。
 
出産育児一時金は42万円。このお金をどのように使っていくか、出産前に考えておくことは大事かもしれませんね。
 
次回は、産休が終わった後の「育児休業」にまつわるお金の話をしていきます。
 
執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 
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重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai



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