最終更新日:2019.11.19 公開日:2019.07.22
暮らし

駅の発券機からお金が下ろせる?キャッシュレス社会に逆行しているように見えるサービスとは

財布を見たら中に1万円札しかない。1000円札を用意しておきたくて、近くの現金自動預払機(ATM)や両替機を探した……。街なかでそんな経験をしたことはありませんか?
 
上野慎一

執筆者:

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

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上野慎一

執筆者:

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

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券売機でチャージすると、結果的に「無駄のない両替」となることも

コンビニで少額の小物を買ってお札をくずすこともできますが、あまり必要でない物に無駄づかいするのは抵抗感があるかも……。
 
そんなとき、もしも駅が近ければ、PASMO(パスモ)やSuica(スイカ)などの交通系カードに1万円札を使って少額のチャージをして、1000円札等のお釣りを手にすれば急場はしのげます。
 
チャージ金額は1000円単位とは限りません。鉄道会社にもよりますが、券売機種によっては10円単位でチャージでき、紙幣をくずして硬貨まで手に入れることも可能なのです。もちろん、もっぱら両替だけのために券売機で少額チャージを常用するのはマナー違反でしょう。
 
ところで、券売機には切符・定期券の発売やチャージで紙幣や硬貨がたくさん投入されます。そして、投入されたおカネが今度は釣り銭として機械から出てくることもあります。おカネが機械に入ったり出たりするさまは、ATMに似ていなくもないですね。
 
しかし、ATMとの最大の違いは1万円札の扱いです。券売機から出るのは釣り銭ですから、紙幣では5千円札が最高額となります。つまり、券売機に入った1万円札は機械の中にたまるだけなのです。
 

券売機からおカネがおろせるサービスがスタート

そんな券売機の中の1万円札に着目して、新たなビジネスとしてスタートしたのが、券売機からおカネがおろせるサービス「キャッシュアウト」です。今年5月8日から東急電鉄が始めたものですが、概要は次の通りです。
 
(1)利用できる駅
   東急線各駅・6路線85駅(こどもの国線、世田谷線を除く)
 
(2)利用可能な金融機関
   横浜銀行、ゆうちょ銀行
 
(3)利用方法
・(2)のいずれかの銀行に預金口座を持ち、各銀行の専用アプリをスマートフォンにダウンロードすることが必要。
・専用アプリにログインして引き出し額を指定すると、スマートフォンにQRコードが表示される。
・券売機にQRコードを読み取らせて引き出し額や手数料を確認すると、現金が受け取れる。(利用明細書の発行も可能)
 
(4)利用可能時間
   5時30分~23時
 
(5)利用限度額および引き出し額
   1日3万円限度で、引き出し額は1万円・2万円・3万円の3パターン
 
(6)利用手数料(税込み)
  [横浜銀行]  平日108円、土日祝216円
  [ゆうちょ銀行]終日108円、2020年1月3日まで(予定)
 
※参考 東急電鉄ニュースリリース
 
電車の乗り降りの前後にコンビニや銀行店舗のATMを探すような生活シーンは、決して少なくはないでしょう。
 
そんなとき、駅の券売機がそのままATMになれば、便利かもしれませんね。(出てくるのは1万円札だけですが、交通系カードへのチャージでくずこともできなくはありません。)
 

「キャッシュレス社会」に、あえて逆行しているようにも見えますが……

このように現金引き出しの利便性を高めたサービスですが、「キャッシュレス社会」の進展が話題になっている昨今の流れに、あえて逆行している印象さえあります。
 
しかし、このサービスでは券売機にたまるだけの1万円札が、いったん預金されて各銀行や日本銀行を経由することなく、すぐに市中に戻っていきます。
 
こうして、おカネとしてのフロー性を高めている点は注目すべきです。そして、専用アプリが同時引き落とし型のデビットカードのような機能を果たし、QRコードで決済される点も、まるでキャッシュレス決済の手続きのようです。
 
決済して引き渡されるのが、たまたま品物やサービスではなくて、1万円札というおカネなのだ、という雰囲気です。
 

まとめ

キャッシュレスには、決済手段を現金以外のものに置き換えて手続きするという側面があります。
 
一方で、現金(貨幣)の機能も、「価値を貯める」(ストック)や「交換の手段」(フロー)、そして「価値の尺度」(モノサシ)などの枠の中で揺れ動きながら、変化していく余地があるでしょう。
 
100%キャッシュレスの社会が、いきなりすぐに到来するわけではありませんから、1万円札(というおカネ)に新たな活躍シーンを与えた点で、今回のサービスは新鮮だと思いました。
 
スタート時点では1社の85駅限定で利用できる銀行も2行だけですが、連携する鉄道会社や銀行がどんどん広がれば、使い勝手や利便性に富んだ生活インフラとなっていく可能性も感じられます。今後の進展状況を注視したいものです。
 
出典:東京急行電鉄株式会社「5月8日(水)から、東急線各駅の券売機でキャッシュアウト・サービスを開始! 」
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士
 

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