公開日: 2021.04.21 暮らし

友人から「すごい人の話を聞かない?」とお誘いが…学生の間で広がる情報商材トラブルとは?

執筆者 : 林智慮

頑張って大学に入学したものの、学生は将来に漠然とした不安を抱いています。
 
この会社に入れば一生安泰、そんな状態ではなくなりつつあります。そこに、老後2000万円問題、賃金の低下、新型コロナウイルス感染症による家計直撃。いったい、この先どうやって生きて行けばよいのか不安になります。
 
楽して稼げる方法があったら……うさん臭そうでも知りたくなってしまうかもしれません。
 
林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

林智慮

執筆者:

執筆者:林智慮(はやし ちりよ)

CFP(R)認定者

確定拠出年金相談ねっと認定FP
大学(工学部)卒業後、橋梁設計の会社で設計業務に携わる。結婚で専業主婦となるが夫の独立を機に経理・総務に転身。事業と家庭のファイナンシャル・プランナーとなる。コーチング資格も習得し、金銭面だけでなく心の面からも「幸せに生きる」サポートをしている。4人の子の母。保険や金融商品を売らない独立系ファイナンシャル・プランナー。

増え続ける情報商材トラブル

マルチ商法による高額な投資の情報商材被害が、学生の間で広がっています。2012年12月21日の国民生活センター「子どもサポート情報58号」で、学生に広がるマルチ商法のトラブルの注意喚起がされていました。関与した業者は国や地方自治体により行政処分を受け、業者名が公表されていますが、被害は後を絶ちません。
 
2021年2月2日、消費者庁が特定商取引法違反の業者の行政処分を公表し、「20歳代の若者の「「情報商材」をめぐるトラブルの状況」の公表、チラシ「友だちから怪しいもうけ話を持ちかけられたら要注意!~それってマルチかも!?~」公表もしています。
 
情報商材被害による20代の若者の国民生活センターへの相談件数は、2015年に254件だったのが、2017年901件、2018年1568件と急速に増加し、2020年には2500件を上回り、2015年の約10倍となっています。
 
被害に遭わないためには、手口を知っておくことが大切です。
 

\【PR】自転車保険の義務化にも対応!/

「保険+電力」で家族を守る新電力って?

「すごい人の話を聞かない?」ともうけ話に誘われたら要注意

令和2年3月25日から令和3年2月1日までに、特定商取引法違反で消費者庁や東京都による行政処分された6事業者は、主にバイナリーオプション、他にはFX・日経225先物の投資にかかるUSBメモリを訪問販売する事業者です。
 
学生に対し、業者が将来の生活資金が不足することをあおり、「足りない部分を埋める方法がある」と勧誘します。友人が、「投資にすごく詳しい人がいるのだけど、話を聞いてみない?」と誘ってくる場合もあります。
 
何かノウハウを教えてもらえるかと期待して話を聞きに行った学生は、そこで初めて、勧誘の目的が投資ツールの販売であり、値段(約50万円)や販売会社の名称を知ったという事例もあります。これは、勧誘する時に目的を明示する義務に違反しています(特定商取引法第3条)。
 
業者や紹介者は、興味があると知ると、執拗(しつよう)に契約を迫ります。「学生なので支払えない」と断っても、「消費者金融で借りてでも払えばよい、すぐモトが取れる」と言われます。もうけで返せばよいと、もうかることを前提に話が進められます。
 
収入がなく、投資未経験者の学生に、高額な投資品を売りつけること自体、特定商取引法(第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第3号)に違反します。この時点で、きっぱりと断りましょう。
 
学生ではアルバイト収入があったとしてもその額は少ないため、収入や職業などを偽るよう指示されます。奨学金を借りていても借りていないと申告するよう指示をされます。これも特定商取引法(第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第6号イ)に違反します。
 
いくつもの消費者金融を利用させてきっちりお金を作らせ、業者はお金を手にします。紹介者は紹介料を手にします。しかし、自分は返せない借金のみを負うことになります。絶対にやらないようにしましょう。
 

\【PR】自転車保険の義務化にも対応!/

「保険+電力」で家族を守る新電力って?

クーリング・オフができる

飲食店等に呼び出されての契約は訪問販売となり、特定商取引法の規制対象になるため、クーリング・オフができます。一度契約をしてしまっても、クーリング・オフの期間内に冷静に考えて、契約をなかったことにできます。
 
クーリング・オフは、不意に契約を迫られて契約の申し込みをしてしまった場合に、一定の期間内であれば無条件で契約を撤回できる制度です。訪問販売は8日間、連鎖販売取引(マルチ商法)の場合は20日間です。
 
申込書面、契約書面の早いほうから所定の日数をカウントしますが、書面を出さない業者もいます。契約書面を受け取ってない場合は起算日が確定ならず、契約書を受け取るまではいつでもクーリング・オフができます。
 
クーリング・オフができないとうそをつかれた、期間を短く教えられた等、クーリング・オフを妨害するような場合は8日間過ぎてもクーリング・オフが可能です。
 
言われたとおり投資をして絶対にもうかるとは限りませんが、確実なのは、販売者に大金がわたるということと、紹介者がその中から紹介報酬を受け取るということです。その契約で誰がもうかるか、冷静になって考えましょう。変だなと思ったら、迷わず188(消費者ホットライン)に相談しましょう。
 
(参考・引用)
消費者庁「特定商取引法ガイド」
消費者庁「20歳代の若者の「情報商材」をめぐるトラブルの状況」
消費者庁「特定商取引法違反の3事業者に対する業務停止命令(6か月又は3か月)又は取引等停止命令(3か月)及び指示並びに当該業者の代表取締役等3名に対する業務禁止命令(6か月又は3か月)について」
消費者庁「特定商取引法違反の2事業者に対する取引等停止命令(9か月)・業務停止命令(6か月又は3か月)及び指示並びに各事業者の代表取締役2名に対する業務禁止命令(9か月、6か月又は3か月)について」
消費者庁「特定商取引法違反事業者【株式会社Sign及び株式会社DEAN】に対する行政処分について」
国民生活センター「子どもサポート情報58号学生に広がるマルチ商法的勧誘に注意!」
東京くらしWEB「大学生等に高額な投資額集用USBメモリを販売する連鎖販売事業者に3か月の業務停止命令」
 
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者