どれくらい払う? 保育園の種類と保育料の目安
配信日: 2021.03.31
保育園にはどのような種類があって、実際に家計から出す費用はいくらになるのか、解説します。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
保育園の種類
保育園にはどのような種類があるのか、それぞれの特徴とともに整理しておきましょう(※1)。
保育園(所)は「幼稚園」とは管轄している省庁も法律もまったく違います。保育園には0歳から預けられる、長時間預けられるといった特徴があります。大きく分けて「認可」と「認可外」の2種類があります。
■認可保育園(保育所)
広さや保育士の数などの基準をクリアして認可を受けた保育施設です。自治体経由で申し込みます。一般的な保育所以外に以下のような施設も含まれます。
・地域型保育……0~2歳児が対象。小規模保育、家庭的保育、居宅訪問型保育など
・企業主導型保育(※2)……会社で従業員の子どもを預かるスペースを設置するケースなど
・認定こども園……認定こども園は幼稚園と保育所の中間的な存在
■認可外保育施設(無認可保育園)
国の認可を受けていない保育施設です。保護者が直接施設に利用を申し込みます。例えば、以下のような施設があります。
・一般的な認可外保育施設
・認証保育所(※3)……自治体独自の基準をクリアした保育施設
・病児保育
・認可外の事業所内保育
・一時預かり、ベビーホテル
など
認可外保育施設は、認可保育所に入れなかった方や、夜間保育など認可保育所では満たされないニーズがある方を支える存在にもなっています。
実際にかかる費用の目安
どんな預け先を選ぶかによって、利用料も変わってきます。認可保育所の場合は月2~3万円、認可外の場合は月4~6万円程度と、認可外のほうが高くなる傾向があります(※4)。
保育料は保育園の種類や自治体による差があるだけでなく、たとえ同じ保育所内でも以下のような条件しだいで負担額が変わってきます。
・親の収入……高所得者ほど負担が重くなる
・子どもの年齢……3歳未満は高め
・兄弟の数……保育施設を利用する子どもの数が多いほど1人あたりの負担は軽減
・預ける時間……長時間利用するほど費用が高くなる
■「幼保無償化」って?
どの預け先を選ぶ方にとっても影響があるのが、2019年10月から始まった「幼保無償化」です。以下の条件にあてはまる場合は、利用料が無料になります。
・幼稚園、保育所(保育園)、認定こども園等を利用する3歳〜5歳児クラス
・住民税非課税世帯の0歳から2歳児クラス
認可外の保育施設でも「月額3万7000円までは無償(3歳〜5歳児クラス)」など、制限付きではありますが、経済的な負担を減らせるようになっています。
国のルールは上記のとおりですが、自治体によっては子育て世帯を応援するために「0歳~5歳まで親の所得にかかわらず無償(※5)」など、より手厚い支援を用意していることがあります。お住まいの自治体のホームページや広報誌などで調べてみましょう。
ただ、幼保無償化の対象で利用料が無料になっても、給食費、行事費、通園や送迎にかかる費用などは引き続き保護者負担のため要注意です。預け先などにもよりますが月1万~2万円程度かかる場合もあります(※6)。
まとめ:保育園や保育料の仕組みを知ってお金の不安を減らそう
保育園はさまざまな種類があり、必要な金額にも幅がありますので、混乱したり不安に思ったりするのは当然のことです。少しずつでも知識を付けながら、子どものために最善を尽くしてあげたいですね。
ちなみに、子どもが生まれてから小学生くらいまでは「お金の貯め時」といわれています。この時期に家計を徹底的に見直す、児童手当を貯蓄に回すなど工夫しておくと、将来グッと楽になりますよ。
(※1)
内閣府「うちの子の場合は?」
下妻市「保育園・幼稚園・認定こども園の違い」
大阪市「認可外保育施設ついて(利用をお考えの方へ)」
(※2)公益財団法人 児童育成協会「会社も社員も地域もうれしい「企業主導型保育事業のご案内」」
(※3)東京都福祉保健局「認証保育所について」
(※4)厚生労働省「平成30年 地域児童福祉事業等調査 結果の概要/P8/13」
(※5)守口市「幼児教育・保育の無償化の制度概要」
(※6)大阪市「保育料のあれこれ Q&A」
(出典)
内閣府「幼児教育・保育の無償化」
内閣府「地域型保育事業」
文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」
厚生労働省「平成30年 地域児童福祉事業等調査の概況」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表