更新日: 2021.04.21 その他暮らし
「準富裕層」とはどのような人たち? 日本にどれくらいいる?
具体的にはどれくらいの資産を持っている人のことを指すのでしょうか。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
「準富裕層」とは
「準富裕層」を表す基準としてよくいわれるのが、「純金融資産保有額5000万以上1億円未満」です。これは野村総合研究所の「NRI富裕層アンケート調査」上の分類として出てくるものです。
同調査では、総世帯を下記の5つの層に分類しています。
<超富裕層>純金融資産保有額5億円以上
<富裕層>1億円以上5億円未満
<準富裕層>5000万円以上1億円未満
<アッパーマス層>3000万円以上5000万円未満
<マス層>3000万円未満
ここでいう「純金融資産」とは、預貯金だけでなく株式や債券、投資信託などの有価証券や一時払い生命保険や年金保険なども足して、負債を差し引いた金額です。準富裕層は5段階の3番目に位置しています。
準富裕層はどれくらいいる?
2019年の「NRI富裕層アンケート調査」によると、各層の保有資産額と世帯数は以下のようになっています。
(出典:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」)
<超富裕層>総世帯の約0.2%
<富裕層>約2.3%
<準富裕層>約6.3%
<アッパーマス層>約13.2%
<マス層>約78.0%
総世帯の8割近くがマス層です。準富裕層に該当するのは総世帯の約6.3%、341.8万世帯という結果になっています。
準富裕層はどんな人? どうすればなれる?
準富裕層のなかには、医師や士業、経営者など突出して高収入な方はもちろん、夫婦そろって収入が高い「パワーカップル」や、親族からの遺産相続で大金を手にした方もいます。投資で成功して一気にのぼり詰める方もいらっしゃるかもしれません。
準富裕層にもさまざまなパターンがありますが、これから純金融資産保有額5000万円の壁を突破したいと考えるなら、収入を増やし、支出を減らし、投資にまわすことが基本です。
5000万円の金融資産を預貯金だけ(金利0%と仮定)で作ろうとすると、30年間ずっと毎月14万円近く積み立てしていく必要があります(※)。しかし、30年にわたって年3%で運用できれば毎月の積立額は約8万5000円、年5%で運用できれば月額約6万円で達成できます。
準富裕層は、もちろん短期間でなろうとするにはかなり難しいですが、収入は平均くらいでも、数十年単位でコツコツ努力を積み重ねたり、知識をつけて節約や投資に励んだりして達成する方もいます。
まとめ:準富裕層は総世帯の約6%! 少ないけど目指せなくはない
準富裕層といわれる人は、5000万円以上1億円未満の資産を持っている人で、総世帯の約6%とされています。この率だけ見ると少なく見えますが、数としては300万世帯以上にのぼります。
収入が高いほうが達成しやすいですが、収入が上がるにつれて支出も多くなってしまう家庭も多いです。準富裕層を目指すには、収入の高さだけではなく、支出をうまく抑えたり資産運用したり工夫も必要です。
逆にいえば、たとえ年収がそこまで高くなくてもそうした工夫が継続してできる人にとっては、準富裕層は現実的な目標として設定できるラインではないでしょうか。
(※)金融庁「資産運用シミュレーション」
(出典)株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表